ポケモン・ザ・ワールド〜希望の魔法使い〜





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第2楽章 星空と魔法の町−Pot pourri−
038 そのうち、気が向いたらね

 まだ日が昇りかけている、暗い冬の朝。 この時期の朝の空は、美しく桃色と空色が混ざり合った朝焼けが印象的だ。 さらに言うとマジカルベースは海に面しているため、日の出になると水面が朝日で照らされる光景を間近で見ることができる。
最近のモモコのマイブームは、この朝の風景を見ることだった。 と言うのも、モモコは少しでも虚弱体質を克服するためにディスペアから有酸素運動を勧められていたのである。 ディスペアがマジカルベースに非常勤で働いているため、彼女(彼)がモモコの主治医のようなものだ。 一番お手軽で、空いた時間にできるジョギングを始めたモモコは、星空町の海辺をジョギングコースにしていた。 絵に描いたようなその風景は、いつ見ても飽きない。 それからモモコはジョギングのついでに朝の風景を見て、仕事への英気を養うようになったというワケである。

(だんだん慣れてきたし、もしかしてわたし身体強くなったのかな)

 モモコはいったん休憩のために、砂浜の真ん中で足を止めた。 何年もポケモントレーナーとして旅をしてきたとはいえ、意識的に有酸素運動をすることはあまりしてこなかった。 最初は少ししんどいと感じていたジョギングも、毎日続けているうちに慣れてきた。 その変化に自分で気づけたことが、何より嬉しかった。
呼吸をある程度整え、また走りだそうとしたその時。 マジカルベースの敷地から、楽器の音色が聞こえてきた。
たいていこの時間に楽器の音が聞こえてくるとすれば、ミツキが真っ先に思い浮かぶ。 しかし、今日聞こえてきた音色はトランペットの音ではなかった。

「フルート……? コノハかな」

 こんな時間に、コノハが楽器の練習をしているとは珍しい。 そういえば、他の魔法使い達が「もうすぐ試験だ」だとか、「課題曲の練習をしないと」だとか口にしていたような。
それにしても、コノハの音色は同じチームであるため耳にする機会が多い。 モモコは、実はコノハのフルートの音色が好きだ。 透き通るように美しいだけでなく、コノハの性格をそのまま表したような力強さも備わっている。 星空町の木管楽器の魔法使いは、楽器の技術がハイレベルなポケモンが多いため、金管楽器の魔法使い達もよく「見習わないと」と話している。 モモコもまた、コノハの音色を聴いたことで自分も精進せねばとさらに士気を高めていた。

(コノハって、ほんとすごいよなぁ。 楽器上手いのもそうだけど、魔法の使い方もすごく上手い)
 


* * *



「今日のチームカルテットは、大当たりの依頼ね!」

 仕分け部屋で、開口一番にフローラに告げられたチームカルテット。 何のことを言っているのかサッパリで、4匹は首をかしげたり、頭の中にハテナマークを浮かべていたり。 ミツキに至っては、猜疑心を抱いてしまっている。

「まさか、ヘボ科学者からの手紙とかじゃねぇだろうな?」
「違うわよ! あたしが代わりに行きたいくらいなんだから!」

 ふくれながらフローラは、チームカルテットに依頼メモを手渡す。 ライヤが手に取って、メモの内容を読み上げてみた。

「へぇ……『トップモデルの護衛』……。 って、トップモデルの護衛!?」

 落ち着いていたハズのライヤは、依頼の内容を再確認しておおいに驚いている。 芸能ポケモンの護衛の依頼が、なんでまたブロンズランクの自分達に。 その理由はよく分からないが、何にせよこれは凄いことである。 しかも、トップモデルが直々にチームカルテットを指名したというのだ。 ただ、極秘情報ということで相手の名前は伏せられていた。
最近では、秘密基地に招待された調査団が盗賊団のアジトに閉じ込められたという被害もある。 相手の素性が分からない以上、怪しさもある。

「クライシスあたりのワナとかじゃねーだろうな?」
「でもクライシスだったら、いきなり来ていきなり攻めてきそうな気もします」
「それもそうだな」

 クライシスの3幹部やネロちゃんであれば、ここまで回りくどい手口を使わなくても、自分達のもとへ襲い掛かりにくるだろう。 これまで彼らと何度も戦ってきたことで、チームカルテットも相手側の行動パターンに対して、予想がつくようになってきた。
そんな話をしていると、背後から凛とした女性の声が聞こえてくる。 マナーレだった。

「お前達。 仕事も大事だが、全国統一魔法使いテストまであと2週間だぞ。 勉強の時間もちゃんと取るように」

 魔法使いの業界では、全国統一魔法使いテストというものが春夏秋冬の1回ずつ行われている。 国語、数学、外国語、地歴公民に加えて魔法学とポケモン学、そして足形文字の7科目の筆記試験と、楽器の技能試験。 楽器の技能試験については、特殊な道具に演奏を録音して筆記試験と一緒に魔法使い協会に送るのだという。 曲目は楽器ごとに、それぞれ別のものが用意されている。
今の星空町はすっかり冬景色となっているが、今回のテストは秋のものとされている。 冬のテストは、年明けに行うことになっており、すでにスケジュールは魔法使い協会で組まれていた。 

「うげぇ……卒業しても勉強勉強って……」
「今回のフルート用の課題曲、いつもより難しいのよね」

 ミツキは勉強や頭を考えることが好きではない。 マナーレの口からテストの話を出され、頭を抱えている。 コノハもまた、今回のテストは難しいということで、困ったような顔つきをしていた。
モモコは朝のジョギングの際に聴こえてきたフルートの音色を思い出す。 あの時、コノハが練習していた曲はテスト用の曲だったとみた。 

「そういやモモコ、足形文字とか地歴公民覚えられましたか?」
「それが……ほとんど分かんないや!」

 ケロッとした顔でそう言うモモコだが、ミツキ達は「それ、ヤバい状態」と言わんばかりに絶句している。 さすがに仲間達のそんな顔を見ると、モモコも危機感を持たざるを得ない。 モモコは楽観的な態度から豹変し、まるで神様にでもすがるかの思いで助けを乞う。

「お願い! 一生のお願い! 誰かこの世界の勉強教えてぇええ!」



* * *



「問題です! この世界の5大大陸を全部述べよ!」
「はいはいはーい! 水、砂、霧、草、風ね!」
「あれ? 音の大陸って入らないの!?」
「音の大陸は、5大大陸と比べても小さいんです。 ひっかけ問題でしたね」

 チームカルテットは、希望の時計台の下で依頼主と待ち合わせることになっている。 この待ち合わせ時間を利用して、テストのために問題の出し合いをして時間をつぶしていた。 ポケモンの世界の勉強がほとんど分からないモモコだけでなく、勉強嫌いなミツキのため、という意味合いも込めている。

「う゛ぇぇ……。 こっちの世界の地理覚えるのって、なかなか大変だよ」

 事前知識ゼロの状態から勉強しているモモコは、暗記科目に特に悪戦苦闘中。 魔法学やポケモン学は、まだ魔法使いとしてのなけなしの実務経験や、ポケモントレーナーの予備知識で補うことができるのだが、地歴公民と足形文字が特に難関だった。 ポケモンの世界の時事問題や一般常識はからっきしであり、足形文字に関しては人間の世界で言う古典のようなもの。 これがまだアンノーン文字であれば違っていたかもしれない。

「やっべ、俺は七不思議の海が入ってると思ってたぜ」
「ミツキは分かってて当然でしょ! もう少し覚えなさいよ!」

 そうしているうちに、ようやく依頼主と思われるポケモンがチームカルテットの前に姿を現す。 ぱたぱたと女の子らしい走り方をしている彼女は、コノハを少しスマートに、且つ二足歩行にしたような見た目のきつねポケモン、テールナー。 芸能ポケモンらしく、変装のためのサングラスをかけている。 首には魔法使いの勲章とそっくりな、コンパクト式のペンダントが下げられている。 おしゃれに気を遣っているのだろう。

「ごめんなさーい、遅れちゃって! あなた達がチームカルテットだよね?」
「はい、そうですけど____」

 テールナーはチームカルテットが名乗る前に、サングラスをそっと外した。 露わになったその目元は、優しそうなものだった。 普通のテールナーはややつり上がった目が特徴だが、彼女はその傾向はない。 その素顔を見て、モモコは何を思ったのか素っとん狂な声を上げている。 何か心当たりがあるのだろう。

「う゛ぇあぁあああ!? もしかして、もしかして!」
「あたしはモミジ。 よろしくね」
「うっそ! う゛ぇえ!? モミジさん!? 本物!?」

 モミジと名乗るそのテールナーは、にこやかに挨拶を交わそうとする。 モミジこそが、音の大陸にその名を知らし示しているスーパーモデル。 前々から魔法使い女子組から、恋愛小説をはじめ流行の最先端を入れ知恵されていたモモコもまた、モミジの存在を知っていた。 これはフローラも代わりに行きたくなるワケだと、喜びと高揚感を抑えきれずにいた。
まさかの依頼主に、モモコだけでなくミツキとライヤの2匹も開いた口がふさがらない。 男女を問わないこの反応から、モミジはかなりの知名度と人気を誇っていることが分かる。  

「マジかよ……。 芸能よくわかんねー俺でも分かるぞ?」
「今月、雑誌の表紙になってるの見ました!」
「うふふっ、ありがとう」

 そんな中、コノハはただ1匹だけ「げっ」とバツが悪そうにしている。 この状況、どうすりゃいいのよ。 コノハが考える時間を与えないように、モミジはしゅぱん、とコノハの至近距離まで移動すると、嬉しそうに両腕でコノハを包み込んだ。
あまりにも突然のことで、ミツキ達は文字通り目を点にしていた。 コノハはというと、ものすごく迷惑そうにモミジを振り払おうとしている。

「久しぶりーっ、コノハ! 元気そうでよかったぁ!」
「やめてよお姉ちゃん! 友達の前なんだからッ!」
「もうっ、何で逃げちゃうのよー! せっかくあたしが、コノハのチーム指名したのに!」

 今、さらっととんでもないことを言っていたような。 話を整理するために、ミツキ達は一言ずつ順番に、今分かっていることを口にする。

「……モミジさんが」
「コノハの……」
「お姉さん、ですか……?」

 ミツキ、モモコ、ライヤが絶叫する前に、コノハは「今から説明する!」とそれを阻止した。 何やら、やっかいなことになってきそう。 そう考えると、コノハは風邪でもないのに頭が痛くなってきた。
その後ろでモミジはそんなコノハの心境を知らずに、きょとんとした顔で首をかしげていた。



* * *



 クライシスのアジトの一角。 ドレンテとソナタは、日頃の任務から離れて休息を取っていた。 設置されている薄型のモニターは、テレビのような情報ツールの役割を果たしているようだ。 モニターの中にいる派手な化粧や蝶ネクタイなんかを身につけているポケモン達が、クイズ番組のようなものを進行させている。

「問題! この文は直訳すると何と読む?」

 青い透明のスクエアには、アルファベットが幾つも並んでいる文章が踊っており、『視聴者の皆さんも、一緒にお考え下さい!』というテロップがスクエア外に流れている。

「あ、これ『私は凄くいいゲームに巡り会いました』って意味だよね?」

 ドレンテがモニターに向かって答える。 それから数10秒後ほどして、画面の中では人気俳優と言われているアブソルが、ドレンテと同じような内容を司会者のマッスグマに伝える。 マッスグマがノリノリで「正解!」と答えると、ドレンテは小さくガッツポーズ。 年相応な彼とは対照的に、ソナタは「何そんなに熱くなって」と白け気味だった。
対照的な2匹はお構いなしに、クイズは次の問題へと移る。

「問題! 今から15年前に起こった時限の塔崩壊事件と、空間の歪みによる悪夢事件を解決した名誉ある探検隊は____」
「これならグラーヴェに聞いたことあるわ。 ポケダンズでしょう?」
「ポケダンズですが、彼らと古代の遺跡で死闘を繰り広げたポケモンの種族は?」

 引っかけ問題か、とソナタは眉間にシワを寄せる。 そんな間にも、モニターの中では挑戦者の1匹が『ヨノワール』と答えて正解していた。

「グラーヴェっていえばさぁ、あいつどこいるの? もう3日くらいいなくなってるんだけど」

 ふと、ドレンテはソナタに尋ねる。 クライシスの魔法使い達もまた、基本的にひとつ屋根の下で過ごしている。 誰かが帰ってこないと、多少なりとも心配はするものだ。 ベタベタするほど仲がいいワケではないが、なんだかんだ言ってもドレンテはグラーヴェに世話になっている。
グラーヴェはここ3日間、このクライシスのアジトに姿を見せていない。 入れ違いになるかのように、ネロちゃんが顔を真っ赤にしながら、星空町から朝帰りしていたような。 あの年長者ラインで、何かあったのかもしれない。
しかし、クライシスの他のメンバーの事情は、なかなか大っぴらにはされない。 いわゆる、上層部だけで情報をとどめておく秘密主義だ。

「知らなーい。 なんかやらかしたみたいで、しばらく暇もらってるみたいよ?」
「知ってるじゃん……」

 それは、ソナタも同じであった。 目的が一致しているからつるんでいるだけのように見えて、グラーヴェのことは少しでも分かろうとしている。 それはそうとして、グラーヴェが不在なのであれば、ドレンテとソナタで仕事を回さないといけない。 今回はどっちが襲撃に向かうか決めなければいけない。 指示によっては、2匹で仕事にかからないといけないだろう。

「あ、あたし今日はエステ行ってくるから。 ついでだから襲撃もしてくるわ。 ドレンテ、留守番よろしく」

 と、思えばソナタの方から先に申告があった。 ソナタは言いたいことだけを告げると、お気に入りの黒いキャペリンを被り、さっと外に出て行ってしまった。
ここのところ、ソナタはエステのついでに仕事に行ってくれることが多い。 仕事的にはありがたいと言えばありがたいのだが、ドレンテ的にはどうも引っかかる。 ソナタが外に出向く時間を長く取ろうとしている。 それはつまり、ドレンテと一緒にいる時間をなるべく減らそうとしていることと同じだった。

(ソナタとは……なるべく一緒にいられたらいいんだけどなぁ。 ボクが仕事に出向けば、モモコを見ることもできるし、仕事だけすれば帰ってくるだけなのに)

 モモコとソナタ。 ドレンテからすれば、2匹とも特別な存在。 ベクトルや意味合いは別であれども、ドレンテの行動理念はこの2匹が大きくかかわっている。 うまくやりたいのに、うまくいかない。 そんな今の状況が、ドレンテはもどかしかった。



* * *



「モミジさん、音の大陸の女の子じゃ知らないポケモンはいないくらいのスーパーモデル。 最近では女優活動もしていますね。 そして、大学教授のお父さんがマジーア出身のハーフ……」

 ライヤが歩きながら、モミジの情報を分析していた。 ご対面したことで、チームカルテットにモミジの情報が解禁になったためである。
 モミジを従えたチームカルテットは、星空町の中でも人通りあらぬポケ通りが少ない場所を歩いていた。 ベッドタウンの星空町は、大都会のメイプルタウンと比較すれば、まだ治安はいい方である。 星空町の静かな地域といえば住宅街や海沿いであり、ポケモンが寄り付かないからこそ、むしろ安全なのだ。
ほとんど星空町には帰ってきていないのか、モミジは町並みを見るたび懐かしそうな顔を浮かべている。 しかし、身内であるコノハは、モミジと話そうとしていない。 むしろ、彼女を避けるかのように距離を取って、少し遅れる形で歩いていた。
 
「マジーアってなんだっけ」

 一方、ポケモンの世界の知識に疎いモモコは、今さら聞きづらいと感じたことをこっそりミツキに耳打ちする。

「んーと、外国。 魔法使いの国」
「えっ!? そもそもこの世界が、魔法使いの国じゃないの?」

 てっきりポケモンの世界イコール魔法の世界だと思っていたモモコは、頭がこんがらがりそうになる。 すべての魔法の世界にポケモンがいるワケではないのは、子どもの時に読んだおとぎ話で予習済みだ。 しかし、ポケモンの世界でも魔法が存在しない場所があるのか。
よく考えてみれば、シノビ村のように魔法がそこまで浸透していない地域もある。 だが、こことは別の魔法使いの国が存在することは知らなかった。

「マジーアが、魔法使い発祥の地なんです。 マジーアの先住民のポケモン達は、シャムルスフェールがなくても魔法を使うことができる、純血の魔法使いって言われています」

 ポケモンの世界で、最初に魔法使いが生まれたのがマジーアだ。 チームカルテットのような魔法使いと大きく違う点は、モミジの言う通りシャムルスフェールがなくても魔法が使えること。 すべてのポケモンは、多かれ少なかれ魔法の素質を持っている。 しかし、純血の魔法使いではないポケモン達は、純血の魔法使いかマジカルベースのマスターぐらいには魔法使いの経験があるポケモンに、魔力をシャムルスフェールという形で結晶化してもらう必要がある。

「モミジさんがハーフってことは、コノハもなんだよな?」

 モミジはうなずく。

「あたし達はあくまでハーフで純血じゃないから、シャムルスフェールがどうしても必要だけどね。 でも、ある程度ミュルミュールとか、魔法使いの魔力は感じることはできていたの」
「これ、魔法学の問題で出るかな?」

 モミジから聞いた話を、モモコは忘れないようにメモを取る。 これでようやく、コノハの魔法の使い方が上手かったり、魔力を感じ取ることができる理由が分かった。 純血の魔法使いの血が半分流れていて、且つその親が大学教授であるとなれば納得がいく。

「そういえば、モミジさんはどうして星空町に?」
「この近くで、映画の撮影があるの。 でも、マネージャーさんが病気で倒れちゃってね。 暗黒魔法の影響が広がってるこのご時世で危険だから、魔法使いにボディーガードをお願いしてもらうように事務所から言われたってワケ」 
「で、俺達を指名した理由が、コノハがいるからってことッスか」
「そういうこと!」

 えっへん、となぜか自信満々に胸を張りながらモミジは答える。
 
「ねぇ、コノハ。 モデラートさん達は元気?」

 コノハの顔をのぞき込むように、モミジが問いかける。 コノハはというと、鬱陶しそうにモミジから顔を反らすと、わざとキツめの口調で返す。 モミジに会えばこうなることは分かっていても、コノハからすれば対処に難しい。

「変わりないわよ」
「あたしもほとんど家帰れてないけど、パパとママがたまには帰ってきなさいって言ってたよ。 今度、お休みの日があったら一緒に帰らない?」
「そのうち、気が向いたらね」
「コノハは大丈夫? 最近、クライシスの連中がデカい顔してるって聞いたんだけど……」
「別に」

 積極的にコノハにたわいもない話を持ち掛けるモミジだが、コノハは終始つっけんどんな態度で返すばかり。 誰にでもフレンドリーで面倒見のいいコノハの姿からは、とてもかけ離れていた。
これはコノハにも、何か一筋縄でいかなそうな深い事情がありそうだ。 ミツキ、モモコ、ライヤの3匹は何となく察しがついていた。



花鳥風月 ( 2019/05/19(日) 21:40 )