集まる求道者たち…
プロローグ
自分が何を求めているのかが分からなくなった。
確かに目的をもって旅だったはずなのに…
自分は本当にチャンピオンになりたい、それだけなのだろうか…?
…分からない。
とにかく今は前に進もう。
〜サイユウシティ チャンピオンロード前〜
「ついに着いたか…サイユウシティ…」
大きな滝を登り終え、サイユウシティの大地に降り立った白い帽子をかぶった少年―ユウキはそう呟いた。
そして不気味な雰囲気を放つ、目の前に立ちふさがる自然の巣窟を見る…あとはここを抜けるだけ…
「さあ行こうか。」
彼は心のなかで自分の6体のポケモンに声をかけ、チャンピオンロードへと近づいていった。
「はい、リーグ挑戦者の方ですね。バッジをお見せください…」
「ストーンバッジ、ナックルバッジ、ダイナモバッジ、ヒートバッジ、バランスバッジ、フェザーバッジ、マインドバッジ、レインバッジ…はい、確かに8つ揃っています。これで一次予選突破となります。こちらがゼッケンです。」
そう言うと、受付の女性はユウキに42と書かれたゼッケンを手渡した。
「再度ルールを説明いたします。制限時間は72時間。それまでにこの洞窟の向こう側の出口に着いていれば、2次予選突破となります。またトレーナー同士でバトルをするのは認められていますが、手持ちのポケモンがすべて戦闘不能となってしまった場合は失格となりますので、ご注意を…。また洞窟内のトレーナーの中にはリーグ運営委員の者も混ざっております。彼らとのバトルは拒否できません。しかし勝利した後は回復アイテムなどを差し上げます。」
「時間内に洞窟から出れなかった場合は、こちらの”あなぬけのヒモ”で脱出してください。また、洞窟内で何らかの緊急事態が起こった場合は、こちらで配布するベルを鳴らしてください。それでは……健闘を祈ります………。」
「はい。」
彼はもろもろの道具を受付の女性から受け取ると、大きく息を吸って、足を踏み出した。
チャンピオンロードへと………
〜2日前、ホウエン各地…〜
(ミシロタウン)
「おいおいハルカ、一体どこへ行く気なんだい?」
「決まってるでしょ!ポケモンリーグよ!ユウキ君も8つバッジを揃えたのよ!私も負けてられないわ!」
(シダケタウン)
「…伯父さん、止めても僕は行くからね。」
「…分かったよ。ミツル君。ここまで頑張ってきたのはこの時のためだものな。いいさ、行って来なさい…。」
(ミシロタウン)
「ユウキから連絡があったわ。ルネでアダンさんを倒したって!」
「…ユウキ。とうとう8つバッジを揃えたか。それでは私も向かうか…トウカジムでは負けたが今度は私もベストメンバーだ。負けないぞ、ユウキ。」
(???)
「……それでは頼みましたよ、ウコンさん、アザミさん。あなた達の目を期待してますよ!」
「ふむ。了解した。」
「…骨のあるトレーナーがいるといいわよねぇ、エニシダオーナー?」
「ひとり、私が目をつけているのにユウキ君というのがいるんだ。彼はきっと強いぞ。」
「ほう、貴方がそこまで言うか。それは楽しみじゃ。」
「ええ、楽しみね…。」
(サイユウシティ)
「今年もやってきましたね。サイユウリーグ。」
「へへ!待ってたぜ!!」
「……熱いバトルを見せてくださる方がいればいいのですが。」
「心配には及ばんじゃろう。毎年、素晴らしい者達が集まっている。それでこそサイユウリーグさ…。」
「…さあ、ユウキ君。このチャンピオンである私もところまで辿り着けるかな……?……待っているよ。」
様々な者達がそれぞれの思惑を抱いてサイユウシティへ向かう…そして最後に栄冠に輝くのは…?そしてユウキは自分の答えを見つけることが出来るのか…?
To be Continue