003 若返ってかっこよかった件について
「遠慮しないでどんどん食べてね〜!」
「お母さんのお料理スッゴくおいしいの!」
「い、頂きます。」
俺は今ブルーとブルーのお母さんと食卓を囲んでいる。
因みに時刻は夜の7時。
最終的に俺はブルーに手を引かれるまま彼女の家まで来てしまい、ブルーのお母さんに「あら、ブルーの彼氏?」と、勘違いされる始末。挙げ句の果てに、今に至る。
…まあ、満更でもないのだが。
「シュンタ君…だっけ?」
「はい」
ブルーのお母さんに話しかけられた。
それにしてもこの親子とても似ている。
髪の色とか目とか。
「ほんとになにも覚えてないの?」
「え…ええ」
ブルーのお母さんはふーんと言った後、このことに関してはそれ以上聞いてこなかった。
「ねぇねぇシュンタ君、おうちどうするの?」
今度はブルーに聞かれた。
家なら大丈夫。確かこの世界では十歳から旅にでれるらしいし俺は今17歳。旅にでて宿を転々としてれば良いだろう。
「あーそれなら、旅にでるから大丈夫だよ?」
するとなぜか二人に「なに言ってんのコイツ?」みたいな顔された。
「あなた知らないの?旅は十歳になってからじゃないとできないのよ?」
そんなことは知っている。
「ええ、たから…」
俺はもっと早く気づくべきだったのかもしれない。今自分がどういう状況にあるのかを。
「シュンタ君…君どっからどう見ても10歳ではないでしょ?」
え?
俺は今大変間抜けな顔をしているに違いない。
「記憶喪失で自分の年齢もわかんなくなっちゃった?」
「はい、鏡。」
心優しいブルーに鏡を渡され除いてみればコレまたビックリ!明らかに17歳には見えない少年が写っていた。
「…」
髪の毛は黒でツンツン。前髪は少し目にかかるくらい。真っ赤な瞳に将来はイケメンになるであろう顔立ち。年齢は多分ブルーと同じくらいだろうか?
「大丈夫?」
俺が鏡の前でずっと固まっているのを心配したのかブルーが聞いてくる。
「ん?大丈夫だよ」
この際年齢の事なんて気にしていられない。
「それじゃあ、お家はどうするの?」
さて、どうするか。旅をするにもこの世界のシステム上受け入れてくれないだろう。一人暮らし……できなくもないけど。
思い悩んでいると
「うちにすむ?」
はい?この人今なんて?ちなみに今言ったのはブルーのお母さん。
「いや、流石にそれは…」
マズいだろ
「ふふ、解ってるわよ。冗談よ、冗談!」
年頃(中身だけ)の男の子にそんな冗談は笑えません。
「俊太君、今日は家に泊まれば?」
なんと?
「いや…」
「でも今日はもう夜遅いし、家に泊まっていくと良いわよ」
またまたご冗談を。
と、俺の心境を感じたのかブルーのお母さんは
「もちろん冗談じゃないわよ?」
まじかよ。
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そして今、俺はブルーの家のベッドに横になっている。隣にはブルーが……いるわけもなく隣の部屋で寝ている。
因みにここはブルーの単身赴任中のお父さんの部屋。流石にブルーと同じ部屋では寝させてくれなかった。
「良かったような、残念なような…。」
少し期待していた自分がバカみたいだ。
天使ちゃんから貰えるはずの特典って何だったのだろうか?それにこの世界はゲームなのかアニメなのか漫画なのかイマイチよく解らない。
ブルーが出てきた時点で、ゲームの可能性が一番高いけど。
「眠い……」
体型が五歳だとやはり眠くなるのも早いようだ。
俺はそのまま眠ってしまった。