Story4 リンの暴走
※これが最後だと信じたい注意※
リンのキャラ崩壊がまたまたまたなっています。いやな人は最後だけ見てください。
「リン!!」
スカタンクの放った【ベノムショック】。辛くもよけたエバだがその矛先は必死にリンゴ、『シャイン』を食べ続けるリンのところへ向かっていた――
爆風が巻き起こる。愕然と目を見開いていたエバはくるりと振り向くと品の悪い笑みを見せているスカタンクをにらみつけた。
「お前…!」
「やっちゃってくださいよ、ボス!!」
「そうですよ、ボスなら一撃でしょう!!」
復活したドガースとズバットがスカタンクに言い募る。スカタンクはもったいぶって笑うばかりだ。
「いや、でもなあ…。」
にやにやとした吐き気を催すような笑み。そのスカタンクの笑みが、いきなり愕然とした表情に変わる。不審に思って視線だけを向けたエバは見た。
「こんにゃろう…。」
チコリータの象徴でもある大きな葉っぱ。その葉っぱに太陽の光を当て、きらきらと輝かせて。首元を飾る純白のリボンが爆風で翻る。怒りに染まった紅い瞳でスカタンク達をにらみつける。その眼光のすさまじさに一歩後退するスカタンク達。
「おい、リン…?」
スカタンクたちを睥睨するリンの体から発されているのは紛れもない殺気。それも、桁違いの。冷や汗を抑えながらエバがリンの背に向けて名を呼ぶ。振り返った瞳を見た瞬間回れ右をしそうになった自分を必死で抑えた。その後、エバはこの時のリンをこう語った。
――あの時ほど恐ろしいリンはいなかった、と。
「エバ、この糞野郎どもはあたしがやるわ。」
リンに対する恐れが最大になり、エバは声も出せずにただうなずく。
「人の食事を邪魔してんじゃないわよ!!」
怒号一発。勢いよく発射された【ソーラービーム】がスカタンク達を貫く。白銀の光が消えた時、そこにいたのは、先頭不能のズバットとドガース、それに満身創痍のスカタンクだった。
「な・・・んだ・・とぉ・・・。」
ズタボロの体を必死に起こしたスカタンクは悟る。ああ、ケンカを売る相手を間違えた。
「まだ逝かせないわよ・・・。」
ぐわり、とリンの周りで葉っぱが渦を巻く。【グラスミキサー】よりも威力は高いであろうそれは、リンの上で獅子のような形を作った。
「くらえーっ!!」
草タイプの大技、【リーフストーム】がスカタンク達を襲う。吹き荒れる風が収まった時、スカタンク達の姿はなかった。