story4 海岸で…泥棒!?
「あ…ここな。」
「うん。エバ〜」
「なに?」
「ペンダントとみ――して(キラ目)」
初めて会った海岸に来たリンたち。リンの頼みごとにエバは胸に揺れるペンダントをとり、
リンにわたす。
「綺麗でしょ、ここ。」
くるくると頭の上の葉っぱでペンダントを回すリンの言葉に、エバは改めてリンの見ているところに目を移す。海岸にはクラブの作った泡が浮かび、夕暮れ、を示す。
「ああ。そうだな。」
「でしょでしょ!ここに来たかったのは、この景色を見せたかったからなのでした!」
「それだけかよ。」
エバの一言に飛び跳ねて喜ぶリン。ただそれだけのために連れてきたのか…と、内心でため息をつくエバ。
「きゃ…!」
「お、おいリン。大丈夫か?」
「う、うん。って、あ――っ!」
「ど、どうした!?」
なぜかバランスを崩したリンを支えてからリンに尋ねるエバ。
「ペンダント…」 「ペンダント?」
「さっきぶつかってきた人にとられちゃった♪」
あほかこいつ、とエバが思ったのは言うまでもない。
「何が♪だ!とっとと取り返すぞ!逃げてった奴はどこ行ったか分かってるな!?」
「う、うん!こっち!」
「ぜってえ許さん!人のもん勝手にとりやがって!いくぞ、リン!」
「お、お――!」
キレてしまったエバはリンをつれ走り出す。泥棒の逃げた場所――『海岸の洞窟』へと――