story10 お尋ね者退治
私、リン。チコリータ。私、走っています。なぜなら私たちはギルドに戻り、お尋ね者ポスターを見ていたら、エバがおもむろに一枚をはぎ取り、走り出したから。
「エバ、どうしたの?ねぇ!」
エバが声に反応したように握りしめていた紙を放り投げる。ナイスキャッチ!えーっと、どれどれ…《お尋ね者、スリープ ランクS 捕まえるときには注意!》
「リル!」
「エバさん!ルリが…いないんです!」
軽く目くばせする。
「どこへいったか、わかる?」
リル君は、差し出した地図の一点をさししめした。
「ここの…[トゲトゲ山]のあたりで、はぐれたんです。」
「分かったわ。ルリちゃんは任せて!」
〜★〜
「ここか・・・」
「行くよ!エバ!!」
うなずき合ったリンたちは奥へと進んでいった。
〜*〜
[トゲトゲ山奥地]にたどり着いたリンたち。そこには…
「た、助けてっ!」
震えているルリと、スリープがいた。
「そこまでよ!スリープ!」
リンが言う。(叫ぶに近いが)
「な、なんだお前ら!?」
「私達は探検隊『エクシード』! あなたの命運・・・」
「もらいに来たぜ!」
「な、なんだと!?【念力】!」
かっこいい(?)決め台詞を決めた2匹。スリープは明らかに動揺した様子で念力を放った。
当然狙ってもいない念力が当たるはずもなく、リンたちは苦も無くよける。
「あんたさぁ…」
「ひ、ひぃっ!?」
リンの体から立ち上る怒気に思わず一歩後ずさるスリープ。(&エバ)
「かわいいオンナノコを誘拐しただけでは飽き足らず…!」
どこからともなく葉っぱがリンの周りに集まり、
「泣かせるとは…!」
竜巻のように回る。
「許さん! 天っ誅!」
「ぐへえええっ!」
葉っぱの竜巻【グラスミキサー】がスリープを襲う。その竜巻が収まったときあったのは、
ズタボロのスリープと、少しすっきりしたように晴れやかな笑みを見せているリンだった。
ちなみにエバは。
「大丈夫か?」
「はい!」
きちんとルリを救出していましたとさ。
〜*〜
「おお、ありがとうよ!俺はリング保安官だ。よろしく。いくぞ!」
「とほほ…」
リングマのリング保安官に引きずられていったスリープを見送り、リンたちは泣きじゃくっている、リルとルリに声をかけた。
「じゃあな。もうこんなことにはなるなよ。」
「は、はい!」
〜★〜
『ええ〜っ!』
俺たちはギルドに戻り、ペラフィから報酬をもらっていた。が、2000ポケが200ポケってどういうことだ!?
「ペラフィさん…」
リンの甘えるがクリーンヒット。
「分かった分かった!ほれ!」
やったぜ!9割が8割になった!もうチョイもらいたいところだが、しょうがないさ。と…
「ご飯ですよ――!」
「うしゃあ!」 「ご飯!」
飯を食った俺たちは、部屋に戻っていた。
「エバ…」
「ん?」
「良かったね。ルリちゃんが無事で。」
「そうだな。」
リンがポロリとこぼした台詞は、俺が思っていたことだった。無事でよかった、と。
「・・・・・・・お休み、エバ。」
「ああ。」
俺は『エクシード日誌』を閉じる。書いたこと?…後書きで見てくれ。ん、おやすみ、リン。