story7 探検隊結成!
「ただいま!」
[海岸の洞窟]でズバットたちからペンダントを取り返したエバたちは、ギルドに戻ってきていた。
「お帰り。遅かったね?」
「それがね・・・」
出迎えたププルにさっきまでのことを説明するリン。
「ふうん、そんなことが。…エバ君、これからどうするんだい?」
説明が終わり、ププルはエバのほうを向く。
「まだ、決めていません。」
「じゃあじゃあ、私と一緒に探検隊やらない?」
「探検隊、か・・・(まあ、いいか)そうだな、やるか。」
まだ、決めていないというエバにリンが一言。エバは少々悩んだが、すぐに決定。
「よっしゃぁぁぁぁ!」
「じゃあ、登録しなくちゃね。こっちだよ、リン。」
ガッツポーズをするリンに苦笑しながらもププルはエバたちを最初にあった部屋――
親方の部屋、に連れて行った。
「さて、登録するんなら、チーム名を教えて!」
「あたし、いいの考えてある!『エンシェン』っていうのはどう?」
「ふーん、いいな。意味は?」
「古い、っていう意味。」
「古くなってどうすんだよ!」
リンの出した名前に一瞬は同意するも、意味を知り却下するエバ。
「む〜!じゃあ、エバは?」
「うーん、…『エクシード』ってのはどうだ?」
「意味は?」
「えーっと、超えるって意味だよ。」
「超える…、いいね!それ!よーっし決定!」
却下され怒るリン。エバはリンから名前を出せ、と催促され、頭をめぐらす。その時、一つの声が聞こえた。ように思えた。『エクシード』の名のもとに、という声が――
そうして出た名をエバは出す。意味もリンのおめがねにかなったようで。リンがうれしげにエクシード、エクシード、と繰り返すのを妙に微笑ましい気分で見つめるエバ。 「エクシード、でいいんだね?」
『はいっ!』
「はーい。エクシードで登録登録…
ププルの問いに二人同時に答えた。ププルが何かを呟いているように見える、その声に合わせ、ギルドが地響きを始める。
「な、なに?」
「と・う・ろ・く・たあ―――っ!」
「うわっ!」
驚くエバにかまわずププルは一つの箱を取り出す。
「登録は終わったんだ。はいこれ。『ポケモン探検隊キット』!」
と、箱の中に入っていた一つ一つの道具の説明をするププル。最後に、一つの小さなオーブ説明に移る。
「最後に、これは『波動のオーブ』っていうんだ。あげるわけではないけれどね。エバ、そのオーブに手をかざしてごらん。」
「あ、ああ」
エバが恐る恐る手をかざすと、オーブが銀色に変わる。そこに変な文字が刻まれていた。
「えっ、と。(なんで、読めるんだ?…そんなことを気にしている暇はない)汝の波動は落ち着いたシルバーである。よってここにシルバーバンダナを授ける。か?」
とつぶやいたエバの手には、銀色の布がまかれていた
「なに、それ?」
「このバンダナは僕からのプレゼント。リンもやってごらん。」
「うん!……エバ、読んで!」
リンもオーブにはっぱをかざした。オーブは白になる。
「(あれ、なんか文が変だな。)汝の波動はすべての可能性を示すホワイトである。よってここにホワイトリボンを授ける。汝の可能性に期待する。」
「わー!期待されちゃったよ!」
とはしゃぐリンの手には白のリボンが握られていた。
「良かったね。リン。…君たちの部屋はリンの部屋だよ。明日からがんばってね。
「はい!よーし、頑張ろう!エバ。『エクシードの伝説』の始まりだよ!」
「エクシードの伝説ってなんだよ!」
と、リンのボケにエバのツッコミが入った。
ここに、一つの探検隊が結成されました。これは大いなる事件の前触れだったのです…