元チャンピオンのお遊び
第一章
自由を求めて
”ゴウカザル、戦闘不能!”


”この勝負、チャンピオンの勝利!”


けたたましい響く審判の声、もう聴きすぎてうんざりする。
この挑戦者もそこそこの強さだったが、俺にはその程度の実力じゃあ通じない。
ここはポケモンリーグ、ジムリーダーを全て倒し、その証拠であるジムバッチを8個手に入れた者のみ入れる、本物の実力者が集まる地。
俺はその実力者達を全て薙ぎ倒し、夢に見たチャンピオンになれたのだ。…なれたのだが…。

「つまらん。」

そう、ひとつも面白くないのである。毎日毎日、挑戦者達の相手をし、バトルが終わったと思ったら、マスコミ達の相手をし、自由な時間が雀の涙程しかないのだ。
俺は自由が大好きな性分だから、今の立場が窮屈で堪らない。


そんな俺はふと見たテレビ番組に釘付けになった。そのテレビ番組とは…

”ポケモンと行くほのぼの観光記”

という物である。
内容はいたって簡単で、ポケモンと共に旅をするという内容。
普通のトレーナーなら、羨ましくも何もないのだろうが、俺にとっては、この自由奔放さがとてつもなく羨ましい。

「俺も自由が欲しい!」

そんな思いが俺を突き動かした。


〜次の日の夜〜

俺は人目を気にしつつ、ポケモンリーグの近くにある自宅から出た。
何をするかって?平たく言うなら……。


夜逃げだ。


別に俺は悪い事はしていないのだが、こう言うのが正解であろう。
四天王の奴らには知らせてないが、まぁいいだろ。

さぁ自由が俺の事を待っている。

「新しい旅の始まりだぁーーー!!」

やべ、叫んじまった。
あ、そうそう、自己紹介が遅れたな。
俺は”元”チャンピオンのハルマだ。
このトールト地方で、新米トレーナーのふりをしてやっていくから宜しくな。

って誰に自己紹介してんだ俺…?
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■筆者メッセージ
読んでいただき、有難うございました。
不定期更新ですが、宜しくお願いします。因みに、ハルマの手持ちは旅には連れて行きませんが、ラグラージは子供のころから一緒だったという事で、連れて行きます。ラグラージは筆者の趣味で加えました。
ギョーザ ( 2014/04/01(火) 19:00 )