とある紳士(自称)のバトル
とあるポケモントレーナーの冒険記録 2ページ目
僕は狂った変態野郎と呼ばれて、心が折れかけているしがないトレーナーだよ…。
「僕のどこが狂った変態なんだ…?僕はただの紳士なんだよ…?」
僕がぶつぶつと呟いているとエルフーンのエルくんが膝の上に乗ってきた。そして、大丈夫だよ〜?というような表情で僕を見つめてくる。優しいなぁ…相変わらず。完璧な子だよ。
「ありがとう。じゃあ行こうかね!」
今日も今日とて対戦をする。ただし、ライモンシティでは誰も対戦してくれなくなってしまったので、今度はヒウンシティで待つことにしたんだ。

ヒウンシティ。イッシュ地方で1番の人口を誇る街。そんな街の中心の公園で、いつものようにスケッチブックに(対戦しましょう!)と書いてポケモン達をボールから出してやる。相変わらずぴょんぴょん跳ねるエルくん。可愛いね。でも
「今回は君の出番はないんだ。ごめんね。今回はカルくんに任せてあげてよ。」
エルくんは近くにある不思議な石ころを不満そうにつつく。するとその石ころから紫色の、模様が入った何かが出てきた。
そう。この子が僕の第2の相棒、ミカルゲのカルンくんだよ。
カルンくんはにっこり笑顔でもわもわ動いている。可愛い奴なんだよ。

「あの…バ、バトルいいですか…?」
お。やっと来たね。頼むよカルンくん!血がたぎるねぇ…!
「よろしくお願いね。」
「よっ、よろしく…。」
やっぱり挨拶は大事!これを怠るやつは信頼できない。
「ふふふ。カルンくん!行こうか!」
「う…。リーフィアお願い…。」
なるほど…相手はリーフィアなんだね。
可愛いね。でも…僕のカルンくんの方が100倍可愛いさ!さて…楽しもうか!
「カルンくん!影分身だよ!」
「ん…。リーフィア、リーフブレード…!」
まずはリーフィアの攻撃からだ。リーフィアは尻尾でカルンくんを切り裂いた。しかし、そんな攻撃で倒れるカルンくんではない!
攻撃を耐えたカルンくんは分身を開始する。まずは2体に。
ああ…。ただでさえ可愛いカルンくんが倍に…。幸せだ。
僕の視線に気付いたカルンくん(×2)が同時に振り向き、ニタァと笑う。いい笑顔だなぁ…。
「カルンくんまだまだ分身だよ!」
「うぅ…。リーフィア…リーフブレード…!」
リーフィアが先ほどと同じように切り裂こうとする。しかし、それは分身のカルンくんだ。
そしてカルンくんは分身する。3体目だ。
「まだまだ分身だねぇ!」
「リーフ…ブレード…!」
おっと。今度は当たってしまったね。でも、浅い当たりだから少ししかダメージは食らってない。
カルンくんは4体目だ。よし、このくらいで攻めようか。
リーフィアの前後左右にカルンくんが構える。凄い光景で…最高だ…!
「リーフィア頑張って…!リーフブレード…!」
「さてカルンくん、鬼火で攻めようか!」
リーフィアの攻撃だが…不正解だね。それも分身だ。そして体勢を崩したリーフィアに怪しげな火の玉を直撃させる。
いよいよだっ…!ここからは僕達の時間だ!
「あっ…リーフィア…!リーフブレード…。」
「カルンくん、バークアウトね!」
火傷で苦しそうなリーフィアが、先ほどよりだいぶ勢いが落ちたリーフブレードを放つ。だが残念、不正解だね。でもまあ4体のカルンくんに囲まれた状態で動けるのは誇っていいと思うよ?
カルンくんはここぞとばかりに罵声を浴びせかける。リーフィアが膝から崩れ落ちる。おっと?これはかなり効いたのかな。
さて、火傷もかなり進行しているしそろそろ楽しい時間は終わりだね…。
「んん…。リーフィア守って…!」
「ダメ押しの影分身ね!」
守ってきたね。だったらその間に分身をすればいいだけだね。さあ5体目だ!
あれ?リーフィアは火傷で力尽きてしまったね…。
「もう終わりなんだね…。もっと頑張ってほしかったなあ…。」
「ひ、ひどい…。何で…。」
少年は走り去っていった。
ひどい?何で?何を言っているのかねぇ。どちらかが勝って、どちらかが負ける。それが勝負だろう?
勝ってくれたカルンくんを撫でる。あれ?このカルンくんは分身だったのか。動体視力が結構いいはずの僕もダマされてしまう程の力を持っている…。本当に素晴らしいよ!
今度は本物のカルンくんを撫でる。カルンくんは目を細めてニタァと笑う。うん、やはり可愛い。
おっと。嫉妬してしまったエルくんも、撫でろ〜!といった感じで体当たりしてくる。仕方ないね。可愛いから沢山撫で撫でしてあげよう!

とあるポケモントレーナーの対戦記録(可愛い?は正義だったようです)
終わり

ささくれ ( 2019/02/18(月) 07:41 )