非日常の一幕
ひみつのとっくん!
バシャバシャ!
「あっ!たすけてぇ。やっぱりおよげないの!」
「もう…。あなたはいつになったら泳げるようになるのかしら…。」
きょうもおぼれそうになったぼくにシャワーズのミスミせんせいが、ぼくをくわえながらはなしてきたの。せんせいのしゃべりかたはとろんとしていてねむくなりそうだよ。
ぼくはイーブイのフィン。将来はミスミ先生みたいなシャワーズになりたいの!でも…ぼくはみんなよりおよぐのがへたなの…。
「やーいやーい!フィンのかなづちー!」
「うるさいよっ!」
さっきまでぼくといっしょにおよぎをおそわってたゆうとうせいのイブくんがからかってくるけど、きにしないもんね!
ぼくはぜったいにりっぱなシャワーズになるんだ!だからぼくはみんなよりもっともっとれんしゅうするんだ!
でもとりあえず…すこしねむいからあとでにしよーっと!

その日の夜………

「あああ!よるになってる!」
すこしねただけなのになんでだろ?
まあいっか!いまかられんしゅうはじめよう!

ぼくのすのちかくにある、いけにきたぼく。つきのひかりがいけにあたってキラキラひかってきれいだよ!
「さ!れんしゅうれんしゅう!」
きもちをきりかえて、ゆっくりいけにはいる。すこしつめたいけどかんばろう!

バシャバシャバシャ

いっしょうけんめいあしをうごかしてすこしずつすすんでいくよ。なんだかうまくなったきがするんだ!
「えっ!?うわぁ!」
みずのつめたさになれてきてたのしくなってきたけど、だれかがぼくのあしにかみついていけのなかにつれていかれたんだ。
もしかして…ぼく、こんなところでしんじゃうの…?
そんなのいやだ。いやだよ!だれか!たすけて!
でもここはみずのなかだから、こえはだせないの。とにかくだれがかみついているのかたしかめたかったから、ギュッととじていためをひらいたんだ。
(うわぁ…。すごいなぁ…。)
みずのなかはキラキラと、ほしがまってるみたいにひかっていてすごくきれいだったんだ。
でも、ぼくはそこできをうしなっちゃったんだ…。



「うぅ…。ここはどこだろう…?」
目が覚めた僕は周囲を見渡す。すると僕はさっきまでいた池のはじっこで浮いていることが分かった。それになんか尻尾が上手く振れない。何でだろう…。とにかく生きてて良かった!今日はもう巣に帰って寝よう。

「えええ!何これ!?」
寝ようと思って丸くなった時に変な感じがしたから目を開くと、僕の尻尾が鰭みたいになってて体の色も水みたいに変わってる。
もしかして…!いや、もしかしなくても!
「僕…シャワーズになってる!!」
嬉しすぎて踊り狂った。疲れて疲れて、気を失うまで踊っていた。

次の日………

「え?フィン!?何で…何でシャワーズになってるんだ!?」
「イブ君なあに?いつもみたいに悪口言ってもいいんだよ?」
嬉しいな…!今までの、悪口を言われて何も言えない僕じゃないんだ!鼻歌でも歌いながら行こうかなっ!

「あらおはよう。フィン君…っていつの間に進化したのかしら!?」
「おはようございます!ミスミ先生!何か昨日進化したみたい…?」
ミスミ先生が珍しく驚いた表情で聞いてきた。でも、僕もいつ進化したのか分からないから答えられないの。
とにかく!今日でミスミ先生の授業は最後だから一生懸命頑張るよ!

ささくれ ( 2019/02/09(土) 10:07 )