第4章 謎の探検家
38話 地底での戦い
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 「.......えっ?カルサも分からないの?」

 「はい。きりのみずうみの番人でも他の時の歯車の場所は知りません。」

 ルーアはカルサに他の時の歯車の場所を聞いたが、カルサも知らないと答えた。
 それには予想外だったらしく、ルーアとライドは互いに顔を見合わせ、考え込んで
 いた。

 「ですが、あの2匹のところの時の歯車は無事です。」

 「!あの2匹って、まさか.........。」

 「そのまさかです。」

 カルサの言葉にルーアは驚いて聞くと、カルサは頷いた。

 「....つまり、あなた達3匹は時の歯車の番人だったというわけね。」

 「そうです。盗まれた他の2つの時の歯車には番人はいませんでしたが、3ヶ所の湖に
  ある時の歯車には番人がいるのです。あの2匹にはきりのみずうみの時の歯車が
  盗まれたことは伝えました。」

 ルーアの確認にカルサは頷いて答えた。

 「2匹の居場所はカルサも知らないの?」

 「残念ながら。地底の湖と水晶の湖にいるということしか分かりません。」

 「.....どうした?場所は分からなかったが、そこまで悩む必要はないだろう?」

 ルーアの質問にカルサは答え、ルーアは悩ましげな様子だった。ルーアの様子に
 気づいてライドが声をかけた。

 「...もしヒカリがあの2匹のどちらかに出会ったらと考えたの。ヒカリはあの2匹の
  ことを覚えていない。それに、あの2匹も探検隊のヒカリに気づいてくれるかどうか
  分からない。だから、時の歯車を盗みに来たと勘違いしてヒカリと戦うことになる
  かもしれない。」

 「確かに。それは心配だな。だが、その可能性は低いさ。」

 「そうだといいのだけど......。」

 ルーアの話にライドは大丈夫だと言うが、ルーアは不安を感じていた。





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 「こ、ここは....。」

 ヒカリ達は流砂の洞窟に入って階段を下っていくと、地下に湖が広がっていた。流砂の
 洞窟は地面タイプのポケモンがここでも多く、ヒカリとヒルビが他の技を使いながら
 厄介なバンギラスを相手にし、スコルピとテッカニンがいることに驚き、エメリに
 気づかれないようにするなど色々あり、少し疲れがあったが、地下に広がる湖を見て、
 ヒカリ達はその疲れを忘れて驚いた。

 「す、すごい...。」

 「まさか地底に.....こんな湖が広がっているなんてね......。」

 「あ!何か光ってるわ!」

 ヒルビとタイガが湖に目を輝かせていると、エメリが何かに気がついた。エメリの指す
 方を見ると、湖の中で何か光っているのが見えた。その光にはとても見覚えがあった。

 「....あの光.......きりのみずうみで見た時の歯車と同じ光だ。」

 「ということは、あの光は時の歯車ってこと?もっと近くに行って見てみよう!」

 「!ヒルビ!待って!」

 サロファの言葉にヒルビが興奮した様子でそう言い、湖に近づいていった。ヒカリは
 何か嫌な予感がしてヒルビを止めようとしたが、遅かった。辺りが急に真っ暗になって
 いった。

 「わっ!?辺りが暗くなったよ!?」

 「ヒルビ!戻れ!」

 ヒルビが驚き、サロファが慌ててヒルビを戻らせ、ヒカリ達は1ヵ所に固めた。

 「待て!なんなの!?お前達は!?」

 突然辺りから声が聞こえてきた。

 「わわっ!どこからか声が......。」

 ヒカリ達が周りを見渡すが、誰もいない。

 「ここへ何しに来た!」

 「何しにって....僕達、時の歯車を探しに.....。」

 「時の歯車に近づいてはならない!時の歯車に近づく者は...許さない!!」

 声の質問にヒルビが素直に答えると、声は怒った様子でそう言い、湖から姿を現した。

 「き、きみは!?」

 「私はエムリット!深き地底の湖で時の歯車を守る者!時の歯車を脅かす者は.....
  私が許さない!」

 エムリットはそう名乗り、ヒカリ達に攻撃を仕掛けようとしていた。

 「ま、待って!」

 「じんつうりき!」

 ヒルビが話をしようとするが、エムリットは聞かずに攻撃してきた。ヒカリ達は
 それぞれ別の方向に分かれ、攻撃を避けた。

 「ヒルビ!今は話を聞いてくれそうもないから、戦うしかなさそう!みんな、いったん
  戦ってエムリットを落ち着かせるよ!」

 「「うん!」」

 「ええ!」

 「ああ!」

 ヒカリの指示にヒルビ達全員が頷いて動き始めた。

 「10万ボルト!」

 「はっぱカッター!」

 「かえんほうしゃ!」

 「はどうだん!」

 「みずのはどう!」

 ヒカリ達が攻撃を放つが、エムリットはヒカリとエメリとヒルビの攻撃を避け、タイガ
 とサロファの攻撃を念力で受け止めた。

 「つるのムチ!」

 「きりさ...うわっ!?」

 遠距離からだと避けられると考え、エメリとヒルビが近づこうとした瞬間、受け止めて
 いたタイガとサロファの攻撃をエメリとヒルビに向けて放った。エメリとヒルビは攻撃
 を止め、避けようとするが、間に合いそうもない。

 「10万ボルト!」

 エメリとヒルビに当たる前に、ヒカリが電撃で攻撃を弾いた。

 「きりさく!」

 「....くっ。」

 サロファが攻撃し、エムリットは避けるが、尻尾のところを少し掠めてしまった。

 「1対5だと難しいわね。それなら......。」

 エムリットはそう呟き、湖の方を向いた。

 「ねんりき。」

 その言葉と同時に、湖の水の少々が宙に浮き始めた。浮いた水は大きな丸い塊になり、
 そのあと、その水の塊は形を変え始め、蛇のような形に変わった。細長い舌が出て、
 かなりリアルだった。

 「蛇ーーーーーーー!?」

 水でできた蛇にヒルビが悲鳴を上げた。

 「ヒルビ!落ち着いて!」

 ヒルビを落ち着かせようとした時、ヒカリはエムリットの目が光ったのを見た。

 (....何?今の......いや。今はそれよりヒルビを落ち着かせるのが大事だ。)

 ヒカリはエムリットの目が光ったことを疑問に思ったが、今はヒルビをなんとかしよう
 と考えるのを止めた。

 「ヒカリ!ヒルビは僕がなんとかするから、ヒカリ達はあれをお願い!」

 「うん!タイガ、ヒルビをお願いね!」

 ヒカリはヒルビをタイガに任せ、水蛇と対峙した。水蛇はヒカリ達を追い込もうと
 ヒカリ達の周りを囲い始めた。

 「エメリ!サロファ!今はあれをなんとかする方が大事!囲まれる前に!」

 「ええ!」

 「分かった!」

 囲まれる前にと思い、ヒカリはエメリとサロファに指示し、エメリとサロファは
 頷いた。

 「エレキボール!」

 「エナジーボール!」

 「みずのはどう!」

 ヒカリ達が攻撃を放つと、水蛇は尻尾を湖につけ、口から水を吐いた。ヒカリ達の攻撃
 と水蛇の水がぶつかりあった。

 「!!10万ボルト!」

 「はっぱカッター!」

 押されると察したヒカリが電撃を放ち、エメリもヒカリの行動で気づき、技を放った。
 ヒカリとエメリの技もあり、ヒカリ達の攻撃は水蛇の水を押し切り、水蛇に当たった。
 攻撃が当たって水蛇が崩れ始め、湖の水が波打ちし、ヒカリ達を呑み込もうとした。
 ヒカリは周りを見渡して安全な場所を探した時、何らかの攻撃が落ちてくるのが
 見えた。ヒカリは、その攻撃に見覚えがあった。

 (.....あれは間違いない。みらいよちだ。どうして早く気づけなかったの...!あの
  目の光はみらいよちの物だって......ルーアがよくやっていたのに....!)

 ヒカリは心の中で自身を責めながら落ちてくる方向にでんこうせっかで近づいた。

 「ヒルビ!!タイガ!!ほうでん!!」

 ヒカリはヒルビとタイガを突き飛ばし、ヒカリは電撃を放ったのと同時に、みらいよち
 が直撃した。ヒカリはみらいよちが当たったが、電撃がエムリットに当たったのを見て
 笑みを浮かべ、そして、津波となった湖の水がヒカリと近くにいたヒルビとタイガを
 呑み込んだ。

 「ヒカリーーーーーーーーーー!!」

 「ヒルビ!タイガ!」

 エメリとサロファもヒカリ達を呼びながら津波に流された。






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グラシデア ( 2020/07/06(月) 00:20 )