29話 18の試練
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次の朝、ヒカリ達はいつも通り起き、朝礼に出た後、昨日用意した荷物を持って、
ガラガラ道場に向かった。ガラガラ道場には、既にアンデュ達が着いていた。
「おはようございます。少し遅れましたか?」
「いえ。私達が早く来すぎてしまっただけです。」
ヒカリが挨拶して聞き、アンデュは微笑んで、そう言った。
「.....ところで、ガラガラ道場について知っていますか?」
「いえ。知りません。」
アンデュの質問に、ヒカリは素直に答え、首を横に振った。
「それなら、この施設のポケモンに説明してもらった方がいいですわね...。お先に
どうぞ。」
「......ありがとうございます。」
アンデュの言葉に、ヒカリは、何かあるのかもと思いながらもお礼を言い、ヒカリ達
は、ガラガラ道場に入った。
「...............。」
道場に入ると、ガラガラがヒカリ達のことを無言で見ていた。
「......あの...。」
「......きゃ....客だ...。つ、ついに、客が.....来ただああぁぁぁーーーー!!」
タイガが話しかけようとした時、ガラガラが突然叫び出した。ヒカリ達は、これには
とても驚いた。
「ここは、ガラガラ道場。探検隊を鍛えるための場所だよ!一度潰れたこの道場だが
......このたび、華麗に復活したよ!でも...全然客が来なくてよ....。文字通り
ガラガラで、オラ、すげー、落ち込んでたんだけど......そしたら!お前達がここ
に現れたってわけだよ!」
ガラガラは興奮して、そう話し出し、ヒカリ達は、それを茫然と見ていた。
「......相変わらずだな、お前は...。」
そう言って、アレッドが入ってきた。
「おお!アレッドか!久しぶりだな!」
「ええっ!?お父様の知り合い!?」
「ああ。私と幼馴染みでな。昔は、よく相手をしてくれていた....。」
ガラガラがアレッドを見て、懐かしそうに挨拶した。ヒルビはその親しさを見て、驚い
て聞くと、アレッドも懐かしそうにガラガラを見ながら話した。
「ん?アレッド、お前の子どもか?」
「ああ。そこにいるヒトカゲが私の息子ヒルビで、リオルがタイガ、それと、
その友達だ。」
「お、おはようございます!」
「はじめまして。」
「「よろしくお願いします。」」
「よろしく。」
「どうも。」
ガラガラがアレッドとヒルビの様子を見て、気づいて聞き、アレッドはヒカリ達を
紹介し、ヒルビは少し緊張して、タイガは礼儀正しく、ヒカリとルーアは落ち着いて、
エメリとサロファは短く挨拶した。
「おう!よろしく!」
「.....実はな。少し話があってな.......。」
「なんだ?」
ガラガラも挨拶し、アレッドが本題を話そうと言い、ガラガラは疑問符を浮かべながら
聞いた。アレッドは、事情を全て話し、道場を使わせてくれるか聞いた。
「....なーるほどな。」
「......頼めるか?」
「おお。いいぜ。........だが、こっちはどんな結果になったとしても、正直に言う
ぜ。勝負に嘘はいけないからな。」
アレッドの話を聞いて、ガラガラは納得したように呟き、アレッドがその様子を
見ながら頼んだ。ガラガラは、承諾しながら真剣な表情でそう言った。
「構いませんわ!」
ガラガラの話に、道場の外からはっきりとした声でそう言ったのは、アンデュだった。
アンデュは、堂々と道場に入ってきた。
「確か.....アンデュさんでしたね。お久しぶりです。」
「ええ。本当にお久しぶりです。そろそろ話も終わる頃だと思いましたので、挨拶に
参りました。」
ガラガラはアンデュを見て、思い出しながら挨拶し、アンデュも、微笑みながら挨拶
した。
(!...アンデュさん、ガラガラさんが入ってきた瞬間、叫び出したり、色々言って
きたりするって知っていて、だから、私達を先に行かしたのね...。)
ヒカリは、アンデュの言葉とヒカリ達をちらっと見たことで、そのことに気づいた。
「では、ルールを説明してくださる?」
「お、そうだったな。あそこが修行の入口だ。ちょっと注意したいのは、あそこは
普通のダンジョンと違って、入るとトレジャーバッグの中の道具が全部なくなっ
ちゃうのだが、今回はバッグの中の道具はなくならない。.....対決のルールは、
18の修行の試練を受け、さらにそのボスをどちらが先に倒すかが対決の内容だ。
言わば早いもの勝ち、競争だから、ゆっくりしていると負けるからな。」
アンデュの言葉で、ガラガラは、道場と対決のルールを説明した。ガラガラの説明を
聞き終わり、フーディン達も道場の中に入り、ヒカリ達とフーディン達は、修行の入口
の前まできた。
「両者、いいな?」
「大丈夫です。」
「こちらも大丈夫そうよ。」
ガラガラの確認に、ヒカリは頷き、アンデュも、フーディンを見ながら頷いた。
「......では....始め!」
ガラガラの合図で、ヒカリ達は、同時に入口に入った。すると、既にダンジョンの中に
入っていて、ヒルビ達はいるが、フーディン達はいなかった。どうやら、入口まで
同時に入ったとしても、チームごとにバラバラするようにしているらしい。
「....とにかく、先に進まないと...。」
「修行のダンジョンだからだな。修行とはいえ、ダンジョンであるのは確かだ。階段を
探さないと、先に進めない。」
「階段までの距離も分からないから、フーディン達に先を越させることもあるかも
しれない...。」
「階段って、運みたいなものじゃない!」
ヒカリがそう言って、すぐにダンジョンの中を動き出し、サロファもタイガも、色々と
考えながらも動き、エメリは、ルールに関して少し文句を言いながら襲いかかってくる
ダンジョンのポケモン達を倒していた。
「......手分けして探す?」
「いえ。どんなポケモンが出てくるか分からないから、一緒にいた方がいいと思う。
.........それに、いざという時に道具を使うタイミングを図りやすくしたり、
すぐに渡せたりできるように、近くにいた方がいいと思う。.....このダンジョンが
道具を持ってくるのがだめだということを聞いた時は、少しひやっとしたけど、
良かったよ...。」
「戦う時も早めに終わらせられるように、相性の良い技で対処しないと........。」
ヒルビの提案に、ルーアは首を横に振ってそう言い、ヒカリは、別の提案を話した。
ヒカリ達は、そう話し合いながらダンジョンを進んでいった。
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「......まさか...ここまでとは.....。」
「ああ。....俺も驚いているよ...。」
アンデュとアレッドは特別にということで、それぞれの様子が見えるように映像を撮っ
ていた。その様子を見て、アンデュが驚き、アレッドも表情に出していないが、驚いて
いるようだ。アレッド達の近くで、ガラガラは面白そうに映像を見ていた。始まって
から、2、3時間が経とうとしていた。ヒカリ達は、ノーマル、かくとう、草、水、
電気、岩、地面、ひこう、はがね、エスパー、あくの11の試練をクリアしていた。護衛
のフーディン達も同じような結果だった。フーディン達はプロであるため、実力は高い
が、ヒカリ達も探検隊の修行をしていて、プロに負けないくらい強くなっていた。
アンデュとアレッドの予想では、フーディン達と差がつく思っていたが、ヒカリ達が
フーディン達と互角に勝負できるくらい、予想以上に強くなっていたことに驚いて
いた。
「へえ〜〜!やるじゃねえか!全員が強く、動きがいいのもあるが、連携がこりゃあ
すごい!リーダーも全員を纏めあげて......このチーム、なかなか良いチーム
だな...。」
ガラガラは、素直に感嘆の声をあげた。
「......今受けている試練も終わりそうだが、他の試練はどうだ?」
「次の試練からは、さっきとは難易度を高くしているぜ。......まあ、個人的な苦手
なものを含めてな。」
アレッドがそう聞き、ガラガラがここからが本番だと楽しそうに話していると、ヒカリ
達がフェアリーの試練をクリアしていた。
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「.....なんか、少し疲れてきた...。」
「情けないわよ!」
「無理もないと思うよ。ここまで休まずに12の試練を受けていたんだから....。」
次の試練に転送されている間に、ヒルビが息を吐くようにそう言い、エメリがヒルビの
言葉を聞いて怒鳴り、つるのムチでヒルビを叩こうとした時、ヒカリが慌てて止めに
入って、弁解した。怒鳴ったエメリもここまでの試練で、かなり体力を消耗しているの
で、少しでも刺激すると、激怒していた。だが、ここでエメリが暴れると、時間が
かかり、体力もさらに消耗するため、ヒカリが止めに入って、エメリも気持ちを落ち着
かせることにした。
「だが、ここで休むわけには行かない。」
「頑張ろう、ヒルビ。」
「みんな、オレンのみが結構あるから、これを食べて、回復して。ピーピーマックス
も飲んで。」
サロファが微かに息切れしている状態でそう言い、タイガはヒルビを励ました。ルーア
が全員の状態を見た後、バッグからオレンのみとピーピーマックスを出し、全員に渡し
た。全員がそれを受け取り、オレンのみを口に入れ、ピーピーマックスで流し込むよう
にして食べた。これで、ヒカリ達は回復し、疲れは残っているが、さっきよりはよく
なった。
「ありがとう、ルーア。」
ヒカリがルーアにお礼を言い、ルーアが返事をしようとした時、次の試練に着いた。
着いた瞬間熱気が凄く、とても暑かった。
「あ、暑い...。」
「うん。ムシムシしているね.....。」
「何よこれ!暑すぎるわよ!」
「おそらく、これは炎の試練ね。"冷空間"」
ヒカリの言葉に、タイガが頷いていた。エメリはまた不機嫌になり、暴れそうだった
が、サロファに止められた。ルーアはその様子を見て、苦笑いしながら冷静に分析し、
"冷空間"を使い、辺りの温度を下げた。
「本当にありがとうね、ルーア。ルーアの体力の消耗を少しでも減らすために、早く
この試練をクリアしよう!」
「「うん。」」
「ああ。」
「ええ。」
「...まだまだ私は大丈夫だけど........どっちにしても、急がないといけない
から、いいかな....。」
ヒカリはルーアにお礼を言った後、体力を少しでも多く残せるようにと思い、ヒルビ達
にそう言った。ヒルビ達は頷き、ルーアは苦笑いしながらぶつぶつ呟き、一人納得して
いた。そのあと、ヒカリ達は走って、ダンジョンのポケモンもサロファを先頭に戦い、
あっという間に炎の試練をクリアした。
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『次の試練みたいだね...。』
『ちょっと!今度は寒いじゃない!』
『うん?なんか白いものが降ってきたよ?』
『これは、....雪だね...。』
『辺りが氷に覆われているな。間違いなくこの試練は、氷の試練だな。』
アンデュ達は、ヒカリ達の様子を映した映像を凝視していた。映像の中で、ヒカリ達が
氷の試練に転送され、着いてすぐヒカリが辺りを見渡し、エメリが震え出した。ヒルビ
とタイガは、空から降ってくる雪に手を伸ばしていて、サロファは、冷静に状況を把握
していた。
『エメリ、大丈夫?』
『ぜ、ぜ、全然...ヘックシュン!』
『エメリは草タイプだから、暑かったところから寒いところにすぐに転送されたし、
無理もないよ。.....このままだとまずいから、"熱空間"』
ヒカリがエメリの心配し、エメリは、ガタガタと震えながらくしゃみをし、ルーアも、
さすがにまずいと思い、"熱空間"ねっぷうを周りに放つ("冷空間"とほぼ同じもの)
を使い、辺りの温度を暖かくした。
『...はあ。暖まったわ。ありがとう。さあ!早くこんなところから抜け出すわよ!』
すると、エメリは暖かそうに息を吐き、ルーアにお礼を言った後、気合い充分にして
そう言った。
「プッ....プハハハハハハッ!これは驚いたな。まさか温度を上げたり下げたりできる
とはな。」
「笑い事ではない!その結果で負けているのよ!」
「仕方のないことだと思うぞ。この試練は、運にもよるからな。」
それを見て、ガラガラが笑い出し、アンデュが不満そうにやつあたり気味に言い、
アレッドは、そんなアンデュを見て、機嫌を直そうとしていた。アンデュがそう言うの
も無理はない。護衛のフーディン達は炎の試練を探検している最中で、一方、ヒカリ達
は炎の試練を終え、氷の試練の真っ最中だった。氷の試練なので、相性の良いヒルビと
タイガが中心で戦っていた。
「......この2つの試練も、護衛の奴らには効いたが、ヒルビとタイガ達には効かない
ようだぞ。」
「まだまだ、ここからが本当におもしろいところだ。残った4つの試練のうち、3つの
試練はな......。」
アレッドの言葉に、ガラガラは、おもしろそうに笑みを浮かべてそう言った。そんな
ことをしているうちに、ヒカリ達は、氷の試練をクリアし、次の試練の場所に転送され
ていた。
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「残り4つだね。みんな、頑張ろう。」
氷の試練を終え、転送されている最中、ヒルビがそう言った。疲れはあるが、ヒルビも
その言葉に頷くタイガ達も大丈夫そうだ。
「......うーん.........。」
「ルーア、どうしたの?」
そんな時、ルーアは何やら考えているようで、ヒカリは不思議に思い、聞いてみた。
「残り4つになったけど.....18の試練は、おそらくタイプなんだと思う。」
「タイプ?...確かに、1つのダンジョンに出てきたポケモン達は、同じタイプだった
ね。出てきたポケモンから考えると、1番始めがノーマル、次にかくとう、草、
水、電気、岩、地面、ひこう、はがね、エスパー、あく、フェアリー、そして、炎、
氷............あれ?......これって、つまり.........」
ルーアの話を聞き、ヒカリは、これまでのことを思い出しながら言っていると、何かに
気づき顔を真っ青にして、ルーアを見た。ルーアが静かに頷くと同時に、次の試練の
転送が完了された。
「よし!行こう!」
ヒルビがそう言い動き出したと同時に、ルーアがバッグの中から何かを出そうとして
いた。ヒカリもルーアの考えに気づき、サポートしようと思いながらヒルビ達を追い
かけていた。辺りが濃い霧に包まれ、不気味な感じがするダンジョンを、ヒカリ達は
走り抜けていた。その間、ダンジョンのポケモン達が襲って来なかったが、しばらく
して、何かのポケモンの影が近づいてきた。
「誰か来るよ!」
タイガが気がつき、全員に忠告した。ヒカリ達は身構え、そのポケモンと戦おうと
した時............
「んぐっ!」
突然、タイガの口の中に何かが入った。
「タイガ、大丈夫?」
「.....ん....ぐ.....ごくん。...ゲホッ......ゴホッ。」
ヒルビが今の状況を忘れてタイガの心配をし、タイガは入ってきたものを飲み込んだ。
無理に飲み込んだため、タイガは、少しの間咳き込んでいた。
「.......あれ?目が見えない!」
「えっ!?どういうこと!?」
「分からない。」
タイガの咳が少し落ち着き、辺りを見渡そうとした時、目が見えないことに気が
ついた。ヒルビは、タイガの目が見えなくなっていることに驚き、タイガは、何が原因
なのかと考えた。
「ヒルビ!タイガ!後ろ!」
「タイガ、目が見えないのなら、波動を使って!」
そうしている間に、ヒカリとルーアがどこか慌てた様子でそう言った。ヒルビは後ろを
向き、タイガは波動を使った。そこで気がついた。敵のポケモンがヒルビとタイガの
すぐ近くまで近づいていたことに......。
「うわっ!?」
「.........!?」
ヒルビが慌てて攻撃をかわし、タイガも波動で気配を探知して回避した。タイガは攻撃
を避けた後、すぐに態勢を整え、いつでも攻撃できるように身構えた。波動で相手の
位置が分かるので、攻撃するのは可能だ。
「タイガ、攻撃は待って!タイガの攻撃は、相手と相性がよくないの!」
「うん。分かった。」
タイガの様子で攻撃しようとしていることに気づき、ヒカリはタイガを止め、タイガ
はヒカリの言葉に頷き、後ろに下がった。
「.........まさか、目潰しのたねがここまで効果があるとはな...。」
ヒカリ達が前に出て、敵ポケモンと対峙した時、サロファがそう呟いた。実は、あの
時、タイガの口に入ったのは目潰しのたねなのだ。
「少々かけのようなところもあったけど、入ってよかったよ。」
「ただ、入れられた時に苦しそうにしていたけど、でも、見えているよりマシよね?」
サロファの呟き声に、ルーアも頷いて同意し、ヒカリも頷きながら敵ポケモンを見た。
敵ポケモンはゴース、つまりこの試練は、ゴーストの試練なのだ。ヒカリとルーア、
サロファも試練の内装でそのことに勘づいていたのだ。ルーアは、即バッグから目潰し
のたねを出し、いつでも投げれるようにし、ゴースが見えた瞬間、タイガの口に目潰し
のたねを入れた。見えているから怖いので、逆に見えないようにすればいいと考えた。
ちなみに、目潰しのたねは、昨日の買い出しの時に買った物なのだ。
「ああ。気絶されるよりマシだ。タイガ、いざという時はサポートを頼む。」
「了解。」
「私達は、目潰しのたねの効果があるうちに、ここを突破しないと......。」
サロファが頷き、後ろにいるタイガにそう言った。タイガは、相手がゴーストタイプの
ポケモンだと知らず、快く承諾した。タイガの様子を見て、ヒカリとルーアは、効果が
あるうちに階段を見つけようと決めた。その思い通り、ヒカリ達は目潰しのたねの効果
が切れる前に階段を見つけ、次のフロアに着いた瞬間、また目潰しのたねを食べさせる
ということになった。今度は苦しくならないように......。
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「............。」
アンデュ達は、無言で試練をクリアしていくヒカリ達を見ていた。ヒカリ達はゴースト
の試練を終え、虫の試練もクリアし、毒の試練に挑んでいた。ちなみに、虫の試練も
ゴーストの試練同様に、エメリを目潰しのたねで見えなくして、その状態で戦った。
エメリは波動が使えないが、タイガとサロファが位置とかを教えていたので、問題は
なかった。ただ何も見えないため、エメリが不機嫌になり、技の威力が上がっていた
が、暴走されるよりマシだということにした。(ヒカリとルーアとタイガとサロファ
が...)勝負とは別に、もう一つ急がないといけない理由ができ、突破するスピードも
速くなった。毒の試練では、途中までは問題なかったが、アーボやアーボックなどが
いることに気づき、ヒルビに目潰しのたねを食べさせていた。目潰しのたねが少なく
なったのか、ヒカリ達は、さらにスピードを上げ、もうすぐで毒の試練を終えるところ
だった。
「ヒルビとタイガの弱点、それと、あのエメリという子の弱点をあのような方法で防ぐ
とは.......。」
「目潰しのたねを用意していることから見て、ゴーストタイプのポケモンや身体の
細長いポケモン、虫タイプのポケモンが来てもいいように、対策を練っていたという
ことね......。」
アレッドは、予想に反してすぐにゴーストの試練をクリアしたことに驚き、アンデュ
は冷静に分析し、その対策を練ったヒカリとルーアに内心感心していた。
「...このチームは、しっかりとしたチームだ。」
無言だったガラガラが口を開いた。
「バランスがしっかりしていて、実力もそれなりにあり、知識も身につけ、連携もとれ
ているうえに、サポートや助け合うことができ、仲間の弱点もカバーできる......
数ヶ月前に組んだチームとは思えねえ、まだまだ成長できる、いいチームだと思う
ぜ。....一流の護衛でも、探検隊ととしては、このチームの方が上だ。」
ガラガラはヒカリ達の様子を見て、そう言ってヒカリ達を賞賛し、断言した。ちなみ
に、この時、護衛のポケモン達は、虫の試練にいた。
「.........毒の試練の次は、ドラゴンの試練だったわよね...。」
「ああ。強力なドラゴンタイプ達を相手に突破できるか、つまり実力を試す試練だが、
こいつらなら簡単に突破できそうだ。」
ヒカリ達が毒の試練をクリアし、次の試練に転送される様子を見て、アンデュがそう
言った。アンデュの言葉に、ガラガラは頷き、ヒカリ達が簡単に勝てると言った。
事実、この言葉通り、ヒカリ達は、ドラゴンの試練をかなりのスピードで突破した。
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「......はあはあ。」
「オレンのみとピーピーマックス...。試練のダンジョンを全員クリアしたけど、
まだ最後に、バトルが残っているから........。」
最後の試練に転送されている間、ヒカリ達は少し休み、ルーアはオレンのみとピーピー
マックスを渡していた。連続で18つの試練を受け、ヒカリ達全員に疲れが見えていた。
受け取った瞬間、ヒカリ達は、オレンのみとピーピーマックスを食べた。ルーアも、
配り終えた後、オレンのみとピーピーマックスを食べた。
「.....次で....いよいよ最後だよ...。」
「ああ。これで、この対決も終わりだ....。」
「さあ。もうひと暴れしましょう...。。」
「う、うん......。」
ヒルビ達は疲れてはいるが、覇気はまだある。それは、ヒカリもルーアも同じである。
その瞬間、ヒカリ達は、最後の試練の場所に転送された。
「.........。」
ヒカリ達が来た瞬間、周りがヒカリ達を見ている気がした。これは、全員感じた。
「18の試練のダンジョンは全てクリアしました。ですから、出てきてください!」
ヒカリが一歩前に出てそう言うと、隠れていたポケモン達が出てきた。それを見て、
いち早く動いたポケモンがいた。
「ん?あれ?何も見えない......。」
「僕もだよ...。」
「ちょっと!どういうこと!?」
次の瞬間、ヒルビ達がそう言い出した。そう、あの時、いち早く動いたのは、ルーア
だった。ルーアは、隠れていたポケモン達の姿を見た後、すぐに目潰しのたねを、
ヒルビとタイガとエメリに投げた。ルーアは、一瞬でどんなポケモンがいるのか見えて
いたのだ。そのため、すぐに行動できた。
「......13匹....だけど、タイプは18種類全部揃っているね...。」
「予め予想していたけど、ヒルビの苦手なポケモンまでいるなんてね......。」
ヒカリとルーアは、そう呟きながら出てきたポケモン達を見た。出てきたポケモンは、
カビゴン、ブーバーン、キングドラ、ユキノオー、ライボルト、ビークイン、
バンギラス、ボスゴドラ、ブーピッグ、エビワラー、ハブネーク、ムウマージ、
ピクシーの13匹だった。
「目潰しのたねは、さっきので最後よ。」
「なら、効果が切れる前に終わらせるぞ。特に、ビークインとハブネークとムウマージ
を.........。」
ルーアの言葉に、サロファはそう言い、早く終わらせようと心に決め、身構えた。
ヒカリとルーアも覚悟を決めた。
「みんな!行くよ!」
ヒカリのその言葉で、最後の試練が始まった。