第三章 再会と遠征
21話 遠征への道のり 後編
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 沿岸の岩場の入口

 ヒカリ達は、ギルドから出て、目的の場所を目指して歩いていたが、

 「だから、左だよ!」

 「違うわよ!右よ!!」

 「はぁ......。」

 その途中で道が分かれていて、ヒルビは左だと言い、エメリは右だと言った。サロファ
 は、そんな2匹の様子を見て、ため息を吐き、タイガは、苦笑いを浮かべていた。

 「....いつまでそんなことしているんだ?」

 「だって、エメリが......」

 「だって、ヒルビが......」

 「まあまあ。」

 サロファがしびれを切らしてそう言うと、ヒルビとエメリが同じようなことを言い、
 また睨みあいになりそうなところをタイガが間に入った。

 「...ねえ、サロファ達はどうだと思っているの?」

 「そうよ!そもそもあんた達は、どうなのよ!」

 「さあな。」

 「波動でもよく分からないし...判断は少し難しいかな...?」

 ヒルビがサロファとタイガに聞き、エメリは、ヒルビの話に同意した。こういう時は
 揃うんだからと思いながら、サロファとタイガは、曖昧な返事をした。ヒルビとエメリ
 は、決まってないじゃないかという視線で、サロファとタイガを見た。

 「ヒカリとルーアはどう思う?」

 「えっ!?...えーと......何だか知らないけど、右のような気がするから...右で。」

 「私も右。ここは来たことがあるの。左の小さな横穴は、行ってもここに戻って
  来ちゃうの。右の沿岸の岩場は、そのまま先に進めるよ。」

 ヒルビがヒカリとルーアに聞き、ヒカリは、直感で感じたことを言い、ルーアは、この
 場所に来たこととこの場所について話し、ヒカリは、それで知っているのかと納得し、
 ヒルビは違ったことにがっかりし、エメリは、胸を張っていた。

 「...ほら、行くぞ!」

 サロファはそう言って右の方の道に進み、ヒカリ達も後を追いかけた。ヒルビは、
 タイガに慰めてもらいながら......。




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 沿岸の岩場

 「なんでぇぇ〜!?こんなところにヘビがああああああ!!?」

 「うるさいわね!」

 「ヒルビ!止まって!!」

 「落ち着け!ミニリュウだ!ヘビじゃない!竜だ!」

 ヒルビが叫びながら逃げようと走り出そうとしているところを、エメリとタイガと
 サロファが止めている。いったい、何が起きたのか、この状況を説明すると......

 「無理無理無理無理!!細長いんだよ!!細長くて...首がああああああああ!!?」

 つまり、ヒルビは、昔、細長い身体のポケモンに会って、そのポケモンがヒルビの首を
 絞めて、窒息死しそうになったことがあり(間一髪、タイガに助けられた)、
 それ以来、細長いポケモンがダメなのだ。ちなみに、そのミニリュウは、エメリと
 タイガとサロファがヒルビを押さえている間に、ヒカリとルーアが倒したのでした。
 その後、ヒカリ達は、ミニリュウなどの細長いポケモンが現れたら、ヒルビを押さえ
 つけ、その間に倒す、虫ポケモンが現れたら、エメリに見せないようにして、すぐに
 倒す、怖いものやゴーストポケモンが現れたら、タイガに見せないようにして、タイガ
 が気絶したら誰かが運ぶ、朝のサロファは、不機嫌にならないようにし、要注意すると
 いうことがルールになった。...このチームの中で特に苦手なことがないのは、ヒカリ
 とルーアだけだった。




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 ツノ山の入口

 「ふぅ〜!ぬ、抜けた!!」

 「でも、ベースキャンプまではまだまだだよ。不思議な地図を見て。今いる場所は、
  ここだよね。ベースキャンプはあそこだから、だいぶ近づいてきているけど、まだ
  少し距離があるみたい。」

 ヒルビが腕を上げて背伸びしながらそう言い、ヒカリは、不思議な地図を出して広げ、
 指を差しながら言った。

 「あとひといきだね。この山を越えれば、ベースキャンプに行けるよ。」

 「だが、今、ここを越えようとすると、真夜中になるかもしれないな。どうするのか?
  ここを越えるか、ここで野宿するか。」

 タイガの話に、サロファが反論してそう聞くと、ヒカリ達は悩み始めた。正確に言う
 と、ヒカリとタイガとルーアとサロファが。

 「僕は野宿に賛成!楽しそう!」

 「あたしは嫌よ!野宿なんてしたくない!!」

 ヒルビが嬉しそうに言い、エメリは嫌そうに反論した。また真逆の意見だった。

 「そんなに急がなくてもいいじゃん!」

 「絶対に嫌よ!何が出てくるか分からないじゃない!あんたは、ヘビが出てきても平気
  なの!!」

 「うぐっ!?......そんなの嫌だ!早く行こう!」

 今回の言い合いは、すぐに終わり、ヒカリ達はほっとした。

 「今回は、短かったね。」

 「今から出て、少しペースを速めれば、真夜中ではなく、夜になるくらいに着く
  かも......」

 「ああ。何かが出てくるかなんて分からないのにな。」

 「ツノ山を通れば行けるのですが、でも、ツノ山って、虫ポケモンが結構多いですよ。」

 「「「えっ!?」」」

 ヒカリ達が穏やかな空気で会話しているなか、苦笑いして言ったルーアの話で、一気に
 凍った。ヒカリ達は驚き、ルーアを凝視した。

 「......それ、本当?」

 「ええ。ツノ山には、アリアドス、パラセクト、アゲハント、マユルド、クヌギダマ、
  モルフォンといった虫ポケモンが多くいます。」

 「「「...............。」」」

 ヒカリがおそるおそる聞き、ルーアは、苦笑いしながらそう答えた。ヒカリ達は、何も
 言えず、血の気が引いていった。

 「.....エメリや俺達を殺すためのダンジョンだな...。」

 「...でも、今回は分かっているから、対策が練られるよ。今から対策を練よう。」

 「そうだね。ひょっとしたら、ここで野宿しない方がいいかもしれないね。ルーア、
  ありがとう。おかげで、入った瞬間、エメリが暴走することを防げるよ...。」

 「私もリンゴの森の時のことを見ていたから、これはまずいなと思って........。」

 ヒカリ達はそんな会話をしながら対策を練っていた。

 「また分かれ道だ。今度こそ左だよ!」

 「違うわよ!次も右よ!」

 一方、ヒルビとエメリは、また道が分かれていて、また真逆の意見を言い、言い合いに
 なっていた。ヒルビとエメリの言い合いは、ヒカリ達が対策を練り終えるまで止まら
 ず、ヒカリとルーアが右だと言って、言い合いは終わった。ヒルビは、また外れたこと
 に落ちこみ、タイガに慰められた。ツノ山は、対策を練ったことにより、エメリに気づ
 かれることなく、虫ポケモン達を倒すことができ、エメリを暴走させずに進むことが
 できた。




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 ベースキャンプ場

 「や、やった〜!ツノ山を越えて、やっとベースキャンプまで到着した〜!」

 「静かにしろ!もう日が暮れている!さっさと行くぞ!」

 ヒカリ達はツノ山を越え、日が暮れた頃にベースキャンプに到着した。ヒルビはその
 ことに喜んでいたが、サロファは、疲れで不機嫌になっていて、そう言って怒り、
 ヒルビは、少し落ちこんだ。

 「....あれがテントだよね...。」

 「.....うん。分かりやすいね...。」

 「....そうね...。」

 「分かりやすいじゃなくて、悪趣味なんじゃないの?」

 ヒカリとタイガとルーアは、ベースキャンプのテントを見てそう言い、エメリは、
 率直に感想を言った。まあ、悪趣味な感じだというのは、全員同じ気持ちだ。

 「...お!『ジュエル』か?早かったな、一番乗りだ♪」

 ヒカリ達がそんなこと思っていると、リコラがヒカリ達に気づき、話しかけてきた。

 「今日はもう遅いから、テントに入って寝ていいぞ♪」

 リコラはそう言ってテントに入り、疲れていたサロファとエメリもテントに入り、
 ヒルビも続いて入った。

 「ん?ヒカリ、どうしたの?」

 タイガもテントに入ろうとした時、ヒカリの様子がおかしいことに気づいた。ルーア
 も、そのことに気がついている。

 (.........なんだろう。この感覚.........何故そう感じるのかは分からないんだ
  けど、私は、この場所を知っている!アルセウスの使いでここに来たことがあるの
  かな?....それとも、他で........もしかして、記憶を失う前、人間だった時の
  私と関係があるのかな......?)

 「ヒカリ!」

 ヒカリがそう考えていると、タイガが大きな声でヒカリを呼んだ。

 「...えっ?何?」

 「ヒカリ、もう遅いから、テントに入って早く寝ましょう。」

 「あ、うん。そうね。」

 ヒカリは、呼ばれたことを疑問に思っていると、ルーアの話で気づき、ヒカリもテント
 に入り、タイガとルーアもテントに入った。ヒカリ達全員、疲れていたため、すぐに
 寝息が聞こえてきた。







グラシデア ( 2020/03/08(日) 22:59 )