第二章 不思議な力と探検隊の日々
14話 滝壺の洞窟の中の探検
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 滝壺の洞窟

 「でんきショック。」

 「はっぱカッター。つるのムチ。」

 ここは、水タイプのポケモンが多く、ヒカリとエメリにとって、相性が良いので、
 ヒカリとエメリが、主に戦っていた。特に、エメリがはりきっていて、勢いがついて
 いた。ヒカリ達は、どんどん進んでいっていた。

 「.......エメリだけで、十分なんじゃないか。」

 「そうだね。でも、この調子でいくと、このダンジョンを、早目に抜けられると思う
  よ。このダンジョンを抜けた先は、いったい、どうなんだろう?」

 「僕も!僕も!そこが、すっごく楽しみ!!.......って、うわっ!?」

 「何、休んでいるの!!早く行くわよ!!」

 相性が良くなく、特性がちょすいのポケモンがいるため、あまり攻撃できないサロファ
 と、同じく相性が悪いヒルビと、エメリの勢いで、加勢する必要のないタイガが話して
 いた。タイガとヒルビの楽しそうに会話していることが気にくわなかったためか、
 エメリが攻撃し、怒鳴った。ヒカリは、その様子を見て、苦笑いした。

 「.......先に進む前に、さっきの攻撃で、ヒルビのレッドリボンが、水の中に落ちて
  いるよ。」

 「えっ!?本当だ!?」

 「僕が行くよ。ヒルビにとって、水は、弱点だから。」

 ヒカリが、リボンのことを教えると、ヒルビが慌てて拾いに行こうとすると、タイガが
 止め、ヒルビの代わりに拾いにいった。

 (......そういえば、タイガは、どうして、リーダーになることが、だめなんだろう
  か?ヒルビとエメリは、性格などで、サロファは、低血圧で、寝起きが悪すぎて、
  相手の攻撃で寝て、起こしても、誰だろうと攻撃してくるからで、タイガは、性格が
  少しヒルビに似ているところがあるけど、リーダーでも、大丈夫だと思うけど...)

 ヒカリがタイガを見て、リーダーを決める時のことを考えていると、タイガが、落ちて
 いるリボンを拾おうとすると、突然、リボンの下から手が出てきた。そして、リボンが
 持ち上がり、リボンの下から何か不気味なものが出てきた。

 「つばめがえし。」

 「でんきショック。」

 サロファが攻撃したと同時に、リボンを取り返し、ヒカリが、でんきショックで、
 不気味だったものを倒した。不気味だったものは、ベトベターだった。ベトベターの顔
 に、リボンが被さり、とても不気味に見えたのだった。

 「...あー、タイガ!おーい!」

 ヒルビが、タイガを呼んでいた。タイガは、何も言わず、無言だった。

 「?.....タイガ、どうし.........」

 ヒカリが疑問に思い、タイガのことを呼び、タイガの肩に触れると、タイガが、前に
 倒れた。

 「えっ!?タイガ!?」

 「.....これを言わなかったな。タイガは、極度のお化けと幽霊が苦手なんだ。」

 「あと、ゴーストタイプのポケモンも、苦手なのよ。ゴーストタイプのポケモンに会う
  と、こうなるのよ!」

 ヒカリが驚いていると、サロファとエメリが、ため息を吐きながら、説明した。ヒカリ
 は、それを聞いて、だから、タイガも、リーダーになることがだめなのねと納得して
 いた。

 「ねえ、タイガをどうする?」

 「.....うーん....タイガが起きるのを待つか、誰かがタイガを運ぶか.........」

 「それなら、いい方法があるよ。」

 ヒルビの質問に、サロファが考えながら、そう言うなか、ヒカリが、バッグから何か
 出そうとしながら、そう言った。

 「...えーと........あった。オレンのみとカゴのみといやしのタネ。エメリ、
  はっぱカッターで、オレンのみとカゴのみといやしのタネを細かく切ってほしいんだ
  けど。」

 「え、ええ。いいわよ。」

 ヒカリは、バッグからオレンのみとカゴのみといやしのタネを出し、エメリに頼んだ。
 エメリは、少し戸惑いながら頷き、はっぱカッターで、オレンのみとカゴのみといやし
 のタネを細かくした。

 「はい、これ。」

 「ありがとう。これをタイガに食べさせて、食べやすいように、水も飲ませて、少し
  時間が経ったら、目が覚めるかな?」

 エメリが、ヒカリに、オレンのみとカゴのみといやしのタネを細かくしたものを渡し、
 ヒカリは、それを受け取ると、タイガに食べさせ、水も飲ませた。タイガが、ゴクンと
 飲みこむ音がして、数秒後、タイガが、目を開けた。

 「.......ううっ。あれ?僕、いったい............」

 「タイガが起きた!」

 「ヒカリって、色々できるんだね。」

 「ううん。私じゃないの。こういうことを考えたのは...............」

 (.....あの子だから。........私が見た2つの影のうち、女の子のような声の方の
  子が教えてくれた。あの子の名前、何ていう名前だったけ?)

 タイガが起きたことに、エメリが驚き、ヒルビが、ヒカリに言った。ヒカリは、首を
 横に振って、反論し、何か言おうとするが、口で言うのを止め、心の中で言った。


 『炎を持って、水の中に入る時は、こういうふうにするの。でも、空気も入れないと、
  消えちゃうからね。』

 『ヒカリ、気絶から目を覚まさせるには、こうした方がいいのよ。』


 (...あなたの........名前は......?)

 ヒカリの耳に、少女のような声が聞こえた。ヒカリは、その声に向かって、心の中で
 尋ねた。しかし、返事はなかった。ヒカリは、大切だと思っていて、一緒だったその子
 の名前を覚えていないことを悔やんでいた。

 「.....ヒカリ?どうしたの?早く行こうよ!」

 「...あっ!?う、うん。」

 ヒルビの声で、ヒカリは、現実に戻った。ヒカリが悩んでいる間に、階段を見つけた
 らしく、ヒルビ達は、一歩も進んでいないヒカリを待っていた。ヒカリは、返事を
 して、ヒルビ達のところまで、慌てて走った。





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 「わあ〜!見てよ!」

 ヒカリ達は、ダンジョンを進んでいった。すると、奥から光が見え、ヒルビがかけて
 いって、すぐヒルビが呼ぶ声が聞こえた。ヒカリ達も、そこに着くと、そこは、辺りに
 色とりどりの宝石があった。

 「宝石がきらきら光っているよ!」

 「見れば分かるわよ!うるさいわね!」

 ヒルビが目を輝かせながら言い、エメリは、怒鳴っているが、エメリも、この
 色とりどり宝石に、落ち着かない様子だった。ちなみに、タイガは、ヒルビと同様に、
 目を輝かせて、宝石を見ていて、サロファは、ここまでのことで、疲れた様子だった。
 ヒカリは、ヒルビ達とサロファの空気の違いに苦笑いしたり、色とりどりの宝石に、
 目をうばれていたりした様子であった。

 (きれい。いくつか、落ちているから、持って帰ろうかな?)


 『きれい。』

 『いくつか持って帰ろう。』


 ヒカリがそう思い、バッグに、宝石の欠片を6つ入れた瞬間、自分にそっくりな声と
 少女のような声が、楽しそうに、きらきらと光るものを拾っている光景が見えた。
 最後に、笑いあっている声が聞こえ、その声には、少年のような声も聞こえた。

 (....私、前に...同じようなことをしていた......。)

 「あっ!あそこに大きな宝石がある!」

 ヒカリがそう考えていると、ヒルビが、大きな声を上げた。ヒルビが指差したところ
 には、大きなピンク色の宝石が、岩に挟まっていた。

 「すごい!こんな大きな宝石、見たことがない!ものすごいお宝だよ!これを持って帰っ
  たら、みんな、ビックリするよね!」

 「うん!とってもビックリすると思うよ!」

 興奮した様子のヒルビの言葉に、タイガも興奮した様子で頷いた。

 「うーーーーん!うーーーーーーーん!!うーーーーーーーーーーーーーーん!!!」

 「.....代わるよ。.....ぬ、抜けない.....くうっ............。」

 ヒルビが宝石を引き抜こうとするが、びくともしなかった。タイガが、ヒルビと代わる
 が、タイガも、引き抜くことができないようだ。

 「はあはあ.....。だ、だめだ。全然、抜けないや........。ほんと、固いよ。
  これ。ヒカリも、試してみる?」

 「...う、うん。試してみた方がいいと思うから......。」

 ヒルビが息を切らしながら言い、ヒカリは、迷いながらも、頷いた。ヒカリは、タイガ
 と交代して、宝石を引き抜こうとした。

 (.........確かに、固い。全然、動かない。)

 やはり、ヒカリも、引き抜くことができなかった。

 「.....ヒカリもだめかあ。いや、あきらめちゃダメだ。頑張れば、なんとかなるよ!
  僕、もう一回やってみる!」

 「僕も手伝うよ。」

 ヒカリが宝石から離れ、今度は、ヒルビとタイガが一緒に引き抜こうとした。しかし、
 宝石は、一向に動く気配がしなかった。エメリが根性で引き抜きなさいと言い、なにが
 なんでもという感じだ。サロファが、もうあきらめろという目線を送るが、ヒルビ達
 は、全く気づかないようだ。

 (...しかし、本当に、びくともしない。............!?これは。また、あの。)

 ヒカリは、苦笑いしながら、宝石のことを考えていると、また、あの眩暈がした。
 辺りが真っ暗になり、そのすぐあと、一筋の閃光が通った。すると、滝の時と同じ
 ポケモンが、この洞窟にきた。

 (........やっぱり.......あのポケモンって.................)

 ヒカリがそう思っていると、そのポケモンは、宝石に近づき、引き抜こうとしたが、
 抜けず、そのあと、何かに気づき、宝石を押した。すると、カチッというがし、ゴゴゴ
 という音が聞こえ、地鳴りがした。そのポケモンが辺りを見渡している間に、水が勢い
 よく流れ、そのポケモンが気づき、慌てたが、そのポケモンは、あっという間に流され
 てしまった。

 (えっ!?)

 ヒカリがその光景を見て、驚いていた瞬間、ヒカリの目に、ヒルビ達が見えた。ヒルビ
 とタイガは、宝石から離れ、エメリが、つるのムチを使い、宝石を引き抜こうとして
 いた。サロファは、呆れているような目線を送っていた。

 (...い、今のは........宝石を押すと、激流が流れる!?...早くみんなに伝えない
  と............)

 「みんな、その宝石..............」

 「エメリ、頑張れ!!」

 ヒカリがそう思い、宝石のことを伝えようとしたが、ヒルビの声で聞こえなかった。
 ヒルビは、ヒカリが何か言おうとしたことに気づかず、エメリを応援し、エメリのツタ
 を引っ張った。

 「ちょっと!勝手に引っ張らないで!!」

 「えっ!?うぎゃっ!?」

 エメリは、ヒルビが何も言わず、自分のツタを引っ張ったことを怒り、宝石を引っ張る
 のを止め、つるのムチで、ヒルビを引っ張っ叩いた。ヒルビは、痛そうな声を上げ、
 宝石にぶつかった。その瞬間、カチッという音が聞こえた。

 「あっ、それは!?」

 ヒカリがそう叫んだ時、もう遅かった。夢の時と同じように、ゴゴゴという音が聞こえ
 始め、地鳴りがしている。

 「おや?どうしたんだろう.........?」

 ヒルビとエメリは、疑問符を浮かべていたが、タイガとサロファは、何か起きたのだと
 気づき、警戒していた。

 「みんな!逃げて!!」

 ヒカリがそう叫ぶが、その時には、激流が近くにきていて、その様子が目視できる
 ところまで、近づいていた。

 「うわあーーーー!水だぁーーーーーーーーーーーーーーーー!!」

 ヒルビとエメリも、激流を見て、状況に気づき、ヒルビが叫び、ヒカリ達は、逃げよう
 とするが、あっという間に、ヒカリ達は、激流にのみこまれ、流されていった。

 「うわああああああああああーーーーー!!」

 ヒルビの大きな叫び声を聞きながら、ヒカリは、ヒルビの尻尾につけたランプのことを
 思い出し、ランプをつけたままにしておいて、良かったと思った。その後、山の上で、
 まるで噴水のように吹き出した水と一緒に、ヒカリ達は、山から出て、空中に放り投げ
 られた。激流に流されていないが、ヒカリ達は、誰一人、空を飛べないため、落下して
 いるので、助かっていなかった。おまけに、流され、空中に放り投げられ、そして、
 地面が近くに見えてきたことにより、ヒカリ以外、全員が気絶した。

 (地面にぶつかる!!)

 ヒカリがそう思い、目をつぶった。その時、いきなり浮遊感が消えた。

 (えっ!?)

 ヒカリが驚いて、目を開けると、体が宙に浮いていた。

 (どういうこと!?いったい、何が..........でも、何か懐かしい感じがする。これ
  って............)

 ヒカリは、いきなり宙に浮いていることに驚いているのと同時に、懐かしさを感じ、
 戸惑っていた。そうしている間に、どこかに下ろされた。水に浸かる感覚がした。

 (えっ!?......?温かい。)

 ヒカリは、いきなり水に浸かったことに驚き、また流されることを覚悟したが、流され
 ることがないうえに、その水は、温かかった。

 「温泉?」

 そこは、温泉だった。ヒカリは、周りを見渡すと、ヒルビ達も、気絶したままだが、
 温泉に浸かっているようだ。ちなみに、ヒルビは、尻尾をあまり浸からないように、
 下ろされたみたいだ。ヒカリ達の他にも、ポケモン達がいた。

 「.....誰かが助けてくれた.....?」

 ヒカリは、小さく呟き、その呟きは、誰にも聞こえなかった。




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 その頃、滝や温泉と離れた一本の木の枝に、一匹のポケモンが座っていた。

 「.........大丈夫そうね。」

 木の枝に座っている少女のようなポケモンは、温泉の方を見て、そう呟いた。

 「確認はしたか?まさか、こんなに早く見つかるなんて思わないからな。」

 「ええ。私もそう思ったけど、間違いないみたい。今は、探検隊バッチをつけている
  から、探検隊をやっているらしい。新しい仲間もいるみたいよ。」

 木の根元にいる男性のようなポケモンが聞くと、少女のようなポケモンは、笑っている
 様子で言った。

 「そうか。それなら..........いいのか?」

 「ええ。まずは、報告しないと。新しい仲間と探検隊になっていることの判断に関して
  も、話し合いしないとね。」

 男性のようなポケモンは、少女のようなポケモンに聞くと、少女のようなポケモンは、
 そう答えた。

 「...そろそろ報告しにいくか。」

 「そうね、行きましょう。」

 男性ようなポケモンの言葉に、少女のようなポケモンは、返事をし、木の枝から
 降りた。それと同時に、風が突然吹き、風が修まると、木の枝にも、木の根元にも、
 二匹のポケモンの姿はなかった。




グラシデア ( 2020/01/19(日) 22:55 )