第一章 始まりの光
6話 明日から始まる
 「ここが、お前達の部屋だ♪これから、お前達には、住み込みで働いてもらう。
  明日から、忙しいぞ♪早起きしなきゃならないし、規則も厳しい。夜更かししない
  で、今日は、もう早めに寝るんだぞ♪じゃあな。」

 リコラは、ヒカリ達を部屋に案内し、言うことを言い終わると、部屋から出ていった。
 ヒカリ達の案内された部屋は、ベッドが5つ置いてあり、端の方に、台のようなものが
 あり、その台のようなものの上に、ベッドが2つ置いてあり、もう1つベッドが置ける
 くらい空いていて、ベッドを下ろせば、机として使えると思う。5匹で使うとしたら、
 少し大きい感じの部屋だった。

 「どこのベッドを、誰が使う?」

 「サロファは、奥の方の下のベッドのあそこで確定ね。」

 ヒカリが、どこのベッドを使うか聞くと、サロファが、即効に決まって、ヒカリは、
 どうしてなのか、分からなかったが、タイガに、明日になったら、分かると言われた
 ので、何も言わなかった。

 「上の方のベッドは、レディーファーストで、、あたしとヒカリが使うね。」

 「いいけど、サロファの隣は、嫌だな。」

 「......サロファの隣のベッドは、僕が使うよ。」

 その後、すぐに決まり、全員、決まったベッドに腰かけていた。

 「.........そういえば、ヒルビは、聞いたけど、タイガ達は、どうして探検隊に
  なろうと思ったの?」

 ヒカリは、腰かけた瞬間、ふと疑問に思ったことを尋ねてみた。

 「僕は、ヒルビの夢の応援とサポート。僕とヒルビは、義兄弟なんだ。僕は、家族が
  いなくて、ヒルビの家族に、お世話になっていたんだ。僕とヒルビは、同い年だった
  から、義兄弟というより、幼なじみみたいなものだったから、幼なじみだと思って
  いて、一緒にいたから、ヒルビのことが心配だったし、ヒルビの夢を叶える応援と
  手伝いをしたくなったんだ。」

 「ごめんね、聞いちゃって。」

 「いいよ。全然気にしていないし。」

 タイガは、ヒルビに聞かれると、色々言われそうだからと言って、ヒカリに小声で教え
 た。ヒカリは、タイガに両親のことを思い出させたことに謝り、タイガは、笑顔で
 言った。

 「あたしは、家出して、やることがなく、何かしたいという理由もなく、ここまで来た
  ら、ヒルビとタイガに出会って、探検隊になろうとしているって聞いて、親が探検隊
  だから、親よりも、もっとすごい探検隊になってやろうと思ってよ。」

 「俺も、家出して、強くなりたかったから、修行の旅に出て、偶然、ここの海岸まで
  来て、昼寝していた時、少しうるさくて、何事かと思い、声のする方を見ると、
  ヒルビとエメリが喧嘩して、タイガが必死に止めようとしていた。その時、寝起きで
  不機嫌だったから、ヒルビとエメリに攻撃したのが、出会いだったな。落ち着いて
  から、何故喧嘩していたのか聞いたら、探検隊になるための弟子入りのことで、
  もめていたと聞いて、探検隊に興味があったし、修行があるから、強くなることが
  できるんじゃないかと思って、せっかくの機会だからと一緒についてきた。あと、
  ヒルビとエメリの喧嘩で、タイガが大変だろうと思ったからな。」

 エメリとサロファも、タイガの話が終わってから話し始めた。エメリとサロファの話が
 終わった時、ヒカリは、凄く驚いた顔をしていた。

 「エメリとサロファ、家出したんだ......。」

 「ついでに、僕とタイガは、やりたいことがあるので、行ってきます。帰れるかどうか
  は、分かりませんという書き置きを置いてきたよ。」

 「.........つまり、ヒルビとタイガも、家出してきたということよ。」

 ヒカリの呟き声を聞いて、ヒルビは、胸をはったように言い、エメリは、そんなヒルビ
 を見て、ため息を吐きながら、呆れたように言った。ヒカリは、ヒルビ達全員、家出
 したことを知って、さらに驚いていた。

 「ていうか、サロファ。あの時は、ひどかったよ。起こしたのは悪かったけど、いくら
  何でも、初対面の僕達に攻撃しなくてもいいじゃん。エメリと出会った時も、初対面
  だったのに、色々言っていたし。」

 「サロファが、初対面のあたし達に攻撃したことは、あんたと同意見だけれど、あの時
  は、あんたが周りを見ないで走っているからじゃないの!!」

 ヒルビは、サロファの話を聞いて、そのことを思い出し、サロファに、あの時言いたか
 ったことを言い、言っている最中に、エメリの時のことも思い出し、エメリにも、あの
 時のことを思い出して、言いたかったことを言った。エメリは、ヒルビが、サロファに
 言ったことには、賛成しているが、自分に対して言ったことは、納得いかず、ヒルビの
 方がわるいと言った。ヒカリは、あまりよく分からず、タイガが説明してくれた。
 タイガの話によると、ヒルビとタイガが、ここに来た時、周りの景色を見ながら、
 ヒルビが、早くギルドに行こうと言って、走った瞬間、近くにいたポケモン、エメリに
 ぶつかって、その後、言い合いになったみたいで、タイガが、2匹の間に入って、2匹を
 何とか宥めて、少し話して、ギルドに弟子入りして、探検隊になりたいということを、
 エメリに話すと、エメリも入りたいから、一緒に行くと言って、タイガは良かったが、
 ヒルビが嫌そうな顔をしたため、また言い合いになってしまい、タイガは、周りに迷惑
 をかけないようにするため、海岸に移動して、喧嘩を止めようとしていたら、昼寝して
 いたサロファを起こしてしまい、サロファが、ヒルビとエメリを攻撃して、ヒルビと
 エメリが気絶して、サロファが落ち着き、気絶していたヒルビとエメリが起きると、
 サロファに、喧嘩の原因を説明すると、サロファも、一緒に入りたいと言い、ヒルビと
 エメリとサロファで、また言い合いが始まりそうだったが、海岸の夕日と海と泡の景色
 がとてもきれいで、見ているうちに修まり、それから、一緒にいるらしい。

 「そもそも、お前達2匹ともわるい!お前達は、そう周りを見ていないから、周りの
  ポケモンにも、迷惑がかかるんだ!お前達を落ち着かそうとするタイガが、凄い苦労
  しているんだ!!」

 「まあ、サロファのおかげで、ヒルビとエメリの喧嘩が、初めて出会った時より、短縮
  されたけど。」

 「「はい。.....ごめんなさい。」」

 サロファは、ヒルビとエメリの話を聞いて、あの時のことを思い出して、説教をした。
 タイガも、サロファの話を聞いて、あの時のことと今を比べて、思ったことを言った。
 ヒルビとエメリは、サロファの説教とタイガにも言われたことで、さすがに反省して、
 謝った。その後、部屋中が、気まずい空気で充満していた。

 (......ど、どうしよう。聞いて良かったのか、聞かないのが良かったのか分から
  ないけど、どうして探検隊になりたいと思ったのかなと思って、聞いてみたのに、
  ヒルビ達の出会いの話になって、ヒルビとエメリの言い合いに発展して、サロファが
  説教して、ヒルビとエメリが謝って、その後、気まずくなっちゃった。この気まずい
  空気を何とかしない...............。)

 「......と、とりあえず、寝ない?」

 「あ!そういえば、リコラが、早起きしないといけないから、早く寝るように言って
  いたね。」

 「そうね。おやすみ。」

 ヒカリは、気まずくなってしまったことに、責任を感じて、どうすればいいかと考え、
 一回、寝た方がいいんじゃないかなと思い言ってみると、タイガが、ヒカリの言葉で、
 リコラの言っていたことを思い出し、ヒルビ達も思い出し、ヒカリ達は、ベッドに寝転
 がった。気まずい空気はなくなり、静かになった。少し時間が経つと、

 「.........ねえ、みんな。まだ起きている?起きていても、返事しなくていいよ。」

 ヒルビは、沈黙を破った。ヒカリは、起きていて、返事をしようか悩んだが、ヒルビに
 言われて、黙って聞くことにした。ヒカリは、ヒルビに言われたことで、どうして分か
 ったのと思い、ビクッと身体を動かしたが、誰も気づかなかった。

 「僕は、今日はもう、ずっとドキドキだったけど、でも、思いきって、ここにきて、
  良かったよ。モルガも、もっと怖いのかと思ったけど、案外、優しそうだったし
  さ。明日から、またいろんなことがありそうだけど、でも、僕、そんなに怖くない。
  逆に、これから、どんな冒険があるんだろうって、ワクワクしているんだよ。....
  ギルドに入る時だって、迷惑かけたし、これからも、みんなに迷惑をかけると思う
  けど、探検隊の修行をしているうちに、少しずつでもいいから、変わっていければ、
  いいな。......そして、いつか、僕の夢を叶えたい。......遺跡の欠片の謎を解き
  明かすことができるように、なりたいな。.......これから、よろしくね。......
  少し眠たくなってきちゃった.......。明日から頑張ろうね。じゃあね。........
  おやすみなさい......................。」

 ヒルビは、そう言うと、すぐに寝息が聞こえ、寝たことが分かった。

 (...............何か、あっという間にギルドに入門しちゃったね....。探検隊
  のことは、詳しくは知らないけど、確かに、探検隊をやるのは、ワクワクするし、
  探検隊のことで、多少の不安もあるけど、ヒルビ達と一緒にいるのも、楽しそうなん
  だけど、ヒルビ達の両親が、家出したヒルビ達を見つけて、何か嵐のようなことが
  起きそうな予感がして、心配があるけど、でも......それより......私は、
  いったい、何者なのかな.........。大体、どうして、私は、ポケモンになって
  しまったのかな......。どうして、私は、あの浜辺で、倒れていたのかな....。
  どうして、私は、記憶がないのかな.........。そして、あの時、海岸の洞窟で、
  攻撃のやり方が分からなくて、困っていた時に、助言してくれたあの声.......。
  あの声は、いったい、誰なのかな.........?あの声を聞いた時、私は、親しく感じ
  た。あの声と私は、知り合い...?友達......?いや、家族......?ううん。家族っ
  ていう感じではない。友達だったのかな...........?そういえば、私、家族は、
  いるのかな...........?友達も、もっといるのかな.........?私は、記憶を失う
  まで、何をしていたのかな............こっちも、眠くなってきちゃったよ...。
  まあ、今、考えても、仕方ないし、とりあえず、ギルドの仕事を頑張らないと...。
  そうすれば........きっと見えてくると思う......。真実も......自分のことも
  ......家族のことも......友達のことも.........あの声のことも...........
  そのうち..........分かる気がする.........思い出せる気がする...........
  ...きっと........................。)

 ヒカリは、今日のことを思い出し、そう思うと、考えるのを止め、意識を手放した。






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 夢を見ていた。夢の中で、3匹のポケモンがいた。3匹のポケモンが、丘の上で景色を
 見て、笑いあっていた。3匹のポケモンのうち1匹は、身体が黄色く、耳があり、尻尾が
 あり、そして、その尻尾には、ピンク色のリボンをつけていた。




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 明日から、探検隊の修行が始まる。この始まりの日は、これからのヒカリ達の成長と
 これから起こる、壮大な冒険の始まりでもあった。









グラシデア ( 2019/11/24(日) 21:36 )