3話 海岸のダンジョン
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海岸の洞窟
「........うう....取り返せるかな?」
「大丈夫だよ。」
「...どのみち、もう戻れないからな。」
「覚悟を決めなさいよ。」
取り返せるか不安なヒルビを、タイガが励まし、サロファとエメリは、覚悟を決めろと
言っている。ヒカリは、そんな4匹を見ていた。
「......そういえば、ヒカリは、戦えるの?」
「た、戦う?」
エメリは、急にヒカリに聞き、ヒカリは、いきなり話をふられ、戸惑いながら、戦える
と聞いたことに、疑問符を浮かべた。
「ここは、不思議のダンジョンという場所で、一回入るごとに、地形が変わるんだ。
しかも、不思議のダンジョンには、ポケモンが住んでいて、そのポケモン達は、
自我を失っていて、いきなり襲ってくるんだ。自我を失っているから、和解する
こともできないから、戦うしかないんだ。それに、ダンジョン内で倒れると、外に
出され、ポケは全部なくなり、道具は半分になるんだ。」
(ポケは、お金のことかな?)
「.........そうなんだ。あれ?あそこに落ちているの何?」
疑問符を浮かべているヒカリに、サロファは、なぜ戦えるか聞いたことと、ダンジョン
について、説明した。ヒカリは、サロファの説明で、納得し、前を見ると、青い何かが
落ちているのを見た。近づいて見ると、落ちていたのは、オレンのみだった。
「.....オレンのみだね。ダンジョン内では、毎回道具やポケが落ちているんだ。
ダンジョン内の落ちている道具やポケは、落とし主がいないから、拾うことができる
んだ。ちょうど、あっちにも、何か落ちている。...............10ポケだ。」
サロファと代わって、タイガが、ダンジョン内の落ちている道具について、話し、
ちょうど、ポケも落ちていたらしく、ポケを拾い、懐にしまった。ヒカリも、タイガの
様子を見て、ピンクリボンを緩めて、耳とリボンの間に、オレンのみを置き、耳と一緒
に、潰れないように結び、固定した。それと同時に、シェルダーとカラナクシが
現れた。
「あのポケモン達が、自我を失っているポケモンなんだ!ヒカリ!戦える?」
「.....え...戦い方、分かりません。」
「それなら、お手本、見せるよ。...................はっけい。」
シェルダーとカラナクシと戦うため、エメリは、ヒカリに戦えるか聞くと、ヒカリは、
戦い方が分からず、悩んでいると、タイガが一歩前に出て、次の瞬間、タイガは、
シェルダーの真横にいて、そこから、はっけいで、吹き飛ばした。
「......タイガは、あたし達の中で、一番強いの。相変わらず、容赦ないわね。」
「もう一回、はっけい。」
ヒカリは、タイガが、シェルダーを吹き飛ばしたことに、呆然としていると、エメリ
が、呆れたように言った。タイガは、吹き飛ばしたシェルダーの、吹き飛ぶ方向に
移動し、今度は、壁に向かって、吹き飛ばした。シェルダーは、壁にぶつかり、気絶
した。
「残ったのは、カラナクシ。ヒカリ!攻撃して!でんきショックは、効果抜群だから!」
「でんきショック?...えっと、どうすれば、いいの?」
ヒルビが、カラナクシを見た後、ヒカリに言ったが、ヒカリは、ヒルビの言葉に、
疑問符を浮かべていた。
「...攻撃には、二種類あって、体当たりするのと、技を使うのがあるんだ。
でんきショックというのは、ピカチュウが使える技の名前だ。でんきショックの
使い方は知らないが、頬に電気を貯めてみるといいかもな。ピカチュウは、頬に
電気を貯めるからな。」
(...なるほど。......でも、頬に電気を貯めるなんて、どうすれば...........)
サロファは、ヒルビがすまないと言いながら、攻撃について、説明し、でんきショック
の使い方について、アドバイスした。しかし、ヒカリは、サロファのアドバイスに納得
するが、頬に電気を貯める方法が分からず、考えていた。
『頬に電気を貯めるイメージをすれば、いいんじゃないかな。』
(誰!?............でも、イメージをする、か.................。)
ヒカリの脳裏に、誰かの声が聞こえ、ヒカリは、驚いたが、その声の言っていたことを
思い出し、やってみようと思い、頬に電気を貯めるイメージをした。すると、ヒカリの
頬から、パチパチと音をたて、電気が流れた。
『「ヒカリ!そのまま、頬に貯めた電気を放出するんだ!」』
「!...でんきショック。」
タイガは、ヒカリの様子を見て、でんきショックを放つように言った。それと同時に、
ヒカリの脳裏に、同じ声が、タイガと全く同じことを言ったのが聞こえ、ヒカリは、
でんきショックを放った。カラナクシは、ヒカリのでんきショックに直撃し、効果抜群
っていうことでもあったため、一撃で倒れ、気絶した。
(.........さっきの声、誰だったのかな?...............)
「ヒカリ!すごい!」
「バトルセンスは、あるみたいね。効果抜群とはいえ、カラナクシを一撃で倒せた
んだから。」
「あ、ありがとう。」
ヒカリは、カラナクシの様子を見て、襲って来ないことを確認すると、突然聞こえた、
脳裏の誰か声のことについて考えたが、ヒルビとエメリに褒められ、考えるのを止め、
戸惑いながら、お礼を言った。
「ダンジョンに関しての詳しいことは、進みながら、説明する。とりあえず、先に進む
からな。」
「あ、待ってよ。」
「置いて行くなんて、ひどいわよ。」
サロファは、ヒカリに声をかけ、先に進むと、ヒルビとエメリは、後を追いかけ、
ヒカリは、苦笑いをしながら、サロファ達を追いかけた。ヒカリは、サロファと時々
タイガの説明を聞き、ヒルビ達の戦い方を見て、ダンジョンに関して、分かってきた。
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ヒカリ達は、ダンジョンのポケモン達を、次々と倒していった。
「はっけい。」
「でんこうせっか。」
「ひっかく。」
「つるのムチ。」
階段を見つけたが、前方に4匹、後方に1匹のポケモンがきたため、前方は、ヒルビ達、
後方は、ヒカリが戦っていた。ヒルビ達の攻撃で、4匹全員を倒した。
「こっちは、終わったけど、ヒカリの方は、.................ヒカリ!?」
エメリが、後ろを見て、ヒカリに、状況を聞こうとした時、エメリは、驚いた。ヒカリ
は、始めにいたカラナクシを倒したが、そのあと、新たに、カラナクシ、シェルダー、
カブトがいた。しかし、エメリ達は、加勢しなかった。なぜなら、エメリが後ろを見た
時、新たに現れたカラナクシが、ヒカリのでんきショックで、倒れたからだ。ヒカリ
は、カラナクシが倒れてすぐ、シェルダーとカブトに近づいた。
「でんきショック。」
ヒカリは、至近距離から攻撃を当てた後、シェルダーとカブトが怯んだ瞬間、カブトの
横に移動し、体当たりした。カブトは、シェルダーとぶつかり、カブトとシェルダー
は、気絶した。
「ヒカリ!強いね!」
「.........ヒカリって、本当に、強いね。」
「......うん。すごい強いね。タイガといい勝負じゃないかな?」
「......その可能性は、あるな。」
タイガは、うれしそうに言い、ヒルビ達は、呆然としていた。階段を登り、洞窟を抜け
た。洞窟を抜けたところで、2匹のポケモン、ツァイトとクンスがいた。
「いた!あそこだ。」
ヒカリ達は、ツァイトとクンスに近づいた。
「ほら、ヒルビ!」
「いたいよ、エメリ。」
エメリが、つるのムチで、ヒルビを叩き、前に出した。ヒルビは、そんなエメリに、
怒っていた。
「おやおや、誰かと思えば、弱虫くんじゃないか!」
「うっ.........ぬ...盗んだ物を......盗んだ物を返してよ!あれは、僕にとって、
とても大事な宝物なんだ!」
クンスの言葉に、少し怯みながらも、ヒルビは、ツァイトとクンスに向かって言った。
「ほう、宝物?やっぱり、あれは、お宝なんだな。」
「思ったより、値打ちがあるかもしれないな。なら、返すつもりはないな。」
「ええ〜〜〜〜〜〜〜!!」
しかし、ヒルビが、勇気を出して言った言葉に、ツァイトとクンスは、怪しい笑みを
浮かべて言った。ヒルビは驚き、大声で叫んでしまった。
「返してほしかったら、力づくで奪ってみろ!」
「望むところよ!!はっぱカッター。」
クンスの言葉に、エメリは、やる気満々に言い、はっぱカッターを放った。ツァイトと
クンスは、余裕の表情でかわした。これが、合図となった。