68話 覚悟
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ヒカリとミュウは、マグマのちていから戻った後、ミュウは、アバゴーラに言って、
運命の塔に泊まり、ルーアと一緒に、学校に行った。学校は、プテラがいなくなり、
学校中が混乱していた。ヒカリ達は、学校に着いた後、プテラのことを話した。プテラ
がいた場所にあったカードから、プテラのはどうがしたことは、話さなかった。先生達
は、驚きながらも、プテラが、いつ先生になったことや、いつここにきたことなど、
分からないことばかりだったことを、よく考えると、あったらしい。おそらく、
分からないように、何かしていたのだろう。学校の授業が終わり、放課後、ヒカリ達が
帰っていると、
「大変、大変だ!!」
ヒカリ達は、その叫び声が聞こえた方を見ると、ポケモン達がいっぱい集まっていた。
何か話し合っていた。
「どうしたの?」
「大変よ、ヒカリ!ミュウ!ルーア!あそこの丘があるでしょう。」
ヒカリが、近くにいたアマルスに聞いてみると、アマルスは、慌てながら、上を見て、
少し離れたところにある丘を指した。
「あの丘は?」
「あの丘は、周りの景色が見れていい場所だよ。」
「それと、あの丘の上で、私が倒れていたの。私とミュウが出会ったのも、あの丘の上
なの。」
「そうなの。それで、あの丘が、どうしたの?」
行ったことのないルーアは、アマルスの指した丘について、ヒカリ達に聞いた。ミュウ
は、丘のことを楽しそうに言った。ヒカリは、アマルスに聞こえないように、小声で
言った。ヒカリとミュウの説明を聞いて、アマルスに、再び聞いた。
「あの丘が、ダンジョンになったらしいの!!!」
「「「えっ!?」」」
アマルスの言葉に、ヒカリ達は、驚いた。
「本当なの?アマルス。」
「本当よ。今、大人達が騒いでいるわ。近くで、ダンジョンができるなんて、今まで
なかったから。」
ヒカリは、もう一回アマルスに聞き、アマルスは、周りを見ながら、答えた。よく
聞いてみると、大人達の声が聞こえてきた。その内容は、あの丘が、ダンジョンに
なったことだった。
「.........どうする?」
「行く!!」
「.........まあ、いいと思う。」
ヒカリは、ミュウとルーアを見て言い、ミュウは、即答し、ルーアは、ミュウを見て、
少ししたら、頷きながら、言った。
「じゃあ、大人達に見つからないように、行こうか。」
「うん。」
「ええ。」
ヒカリ達は、話しながら、大人達に見つからないように、こっそり丘に向かった。丘に
着いたら、早速ダンジョンに入った。
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「ねえ、そういえば、ルーアは、どうして行こうと思ったの?」
ダンジョンに入ってから、何階も登った時、ヒカリは、ふと疑問に思ったことを言っ
た。ルーアは、首を傾けながら、少し考え、わかったという感じだった。
「私は、久しぶりに、行ってみたかったからで、ミュウは、多分、新しいダンジョンに
冒険したかったからだと思うけど、ルーアは?」
「正解!」
ヒカリは、自分の行きたい理由とミュウの行きたい予想理由を言い、ルーアに聞いた。
ミュウは、ヒカリの予想理由が、全く同じだったため、少し驚きながら、正解と言っ
た。ヒカリとルーアは、ミュウの様子を見て、笑った。
「そうね。私が行きたい理由は、新しいダンジョンに興味があったことと、ヒカリが
いた、ヒカリとミュウが出会った場所を見たかったからよ。」
ルーアは、後者の方を、当たり前という感じで言った。少し歩くと、奥の方が明るく
なってきた。
「あっ!出口だ!!速く行こう!!」
ミュウは、嬉しそうに言い、走った。ヒカリとルーアも、ミュウを追いかけ、走った。
すると、広いところに出て、そこから、村全体が見えて、とても綺麗だった。
「ミュウの言っていたとおり、いい景色ね。」
「うん。だから、ここ、好きなんだ。」
ヒカリ達は、会話しながら、丘の上に座った。座ると同時に、話すのを止め、静かに
なった。風が、優しく吹いていた。
「................ごめんね。ヒカリ。ルーア。」
突然、ミュウが話し出した。ヒカリとルーアは、いきなり謝られたことに、内心、
少し驚きながらも、黙って聞いていた。
「僕が、プテラと戦いたくないって、勝手に言って。」
「仕方ないよ。私達より、ミュウの方が、プテラといる時間は、長いから。それに、
結果、プテラと戦ったでしょう。」
「あれは、周りを走って、逃げるような感じだったから、それに、戦うだったら、
ヒカリとルーアに頼まれても、やらなかったと思う。」
ミュウの話に、ヒカリは、大丈夫だと言ったが、ミュウは、ますます落ち込んでいた。
「親しかったポケモンが、敵になった時、戦いたくないと思うのは、普通だと思う。」
ヒカリは、そう言いながら、空を見上げていた。
「私は、ミュウが、その時したことを、正しくないと思っているのは、いいと思う。」
「私は、相手と周りを見て、正しいと思うこと、正しくないと思うことを判断して、
行動すれば、あの時の行動が良かったと思えるんじゃないかな。」
「だから、次は、間違ったと思わず、正しかったと思えることをできると思う。落ち着
いていれば、きっと............」
ルーアも、ヒカリと同じように、空を見上げた。ヒカリとルーアは、ミュウに向かっ
て、次しようと思えることのアドバイスをした。ミュウは、そんなヒカリとルーアを
見て、ミュウも、ヒカリとルーアと同じように、空を見上げた。ヒカリ達が、静かに
空を見上げている中、風が優しく吹いていた。
「............ヒカリ。ルーア。僕、決めた。今度は、例え、親しかったポケモン
でも、落ち着いて、周りを見て、正しいこと、正しくないことを判断して、決める
よ。迷わず、間違えず..............」
ミュウは、少し考えると、立ち上がり、ヒカリとルーアを見て、言った。ヒカリと
ルーアは、ミュウの方を見つめていた。
「...ミュウ。.........そうね。じゃあ、私は、今まで、兄さんに認めてほしいと
思って、必死に頑張っていたけど、今度は、ヒカリ、ミュウ、姉さん、兄さん、
たくさんのポケモン達のために、守るために、一生懸命頑張りたいと思う。」
ルーアは、ミュウと同じように、立ち上がり、ヒカリとミュウを見て、言った。
「......うん。私は、みんなを、みんなのいる場所を守りたい。例え、何かが起
こっても、みんなを守るために............そのために、私は、もっと強くなっ
て、自分の持てる全て力を使い、負けないようにしたい。」
ヒカリも、ミュウとルーアと同じように、立ち上がり、胸に手をあてながら、ミュウと
ルーアを見つめて、言った。ヒカリ達は、しばらく互いを見つめ合った。
「...............ねえ、ここで、誓い合うのは、どうかな?」
「いいと思う。」
「ええ。」
ミュウの提案に、ヒカリとルーアは、頷いた。
「まずは、僕から。僕は、誓います。例え、どんなことがあっても、落ち着いて、
周りを見て、正しいと思う行動をします。」
「次は、私ね。私は、誓います。私は、たくさんのポケモン達のために、自分のできる
ことをして、守ることができるように、精いっぱい頑張ります。」
「最後は、私ね。私は、誓います。私は、強くなり、自分の持てる全ての力を使い、
負けないように、努力します。負けそうになっても、倒れてしまっても、意識を
失っていない限り、最後まであきらめません。」
ヒカリ達は、ミュウ、ルーア、ヒカリという順番で、言葉を選びながら、それぞれ
言った。
「ねえ、このダンジョン、私達が、初めて攻略したから、ダンジョン名を決めない?
ここで、私達は、誓い合ったから、このダンジョンは、誓いの丘っていうのは、
どうかな?そのままだけど。」
「いいと思うよ。」
「うん。」
「そう?良かった。」
ルーアの提案にも、ヒカリとミュウは、賛成し、ヒカリ達は、笑い合った。
「あと、これを拾ったんだけど、何か使えるかな?」
ミュウは、そう言いながら、紙くらいのサイズの板を出した。
「.........そうだ。」
ヒカリは、ミュウの持つ板を見て、少し考え、何か思いつき、ミュウから板をもらい、
ミュウとルーアに言い、板に何かを書き始めた。ミュウとルーアも、ヒカリに、何か
言いながら、一緒に書いていた。書き終わると、その板を、丘の上に立てた。
「そろそろ帰る?」
「そうね。」
「もう、おなかすいた。」
「じゃあ、帰ろう。」
ヒカリが聞くと、ルーアも、ミュウも、帰ると言い、ヒカリ達は、帰っていった。
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ヒカリ達は、道を歩き、帰っていた。その時、ルーアが歩くのを止め、止まった。
「.....兄さん!何かわかったの?」
どうやら、ライドから連絡がきたらしい。ルーアは、真剣に言った。
「...えっ!?レックウザ!!?..........そう。......えっ!?ヒカリとミュウにも!?
.........ええ。わかったわ。」
ヒカリとミュウは、後で色々知りたいが、今、自分の名前が出てきたことに驚いて
いた。
「ヒカリとミュウにも、話があるみたい。話を聞いて!」
ルーアは、ヒカリとミュウを見て言い、ヒカリとミュウにも、聞こえるようにした。
『ルーアには、さっき話したが、今回のことは、レックウザが原因らしい。』
「レックウザ?」
「レックウザは、てんくうポケモンと言って、はるか天空に住む伝説のポケモンよ。」
ライドの話に出てきたレックウザに、ヒカリとミュウが疑問に思っていると、ルーアが
説明した。
『話を続ける。いつのまにか、レックウザに、何かが起き、レックウザが起こした
らしい。プテラの造り出したのも、プテラを使って、ポケモンを操ったのも。』
「えっ!?」
「あの。どうして、レックウザは、こんなことを?」
ライドは、ルーアの説明が終わると、話を続け、ミュウは、驚いたままになり、ヒカリ
は、驚きながらも、レックウザのことを聞いた。
『それが.....分からないんだ。』
「分からない?」
ライドは、静かに言い、ヒカリは、分からないということに、疑問を浮かべていた。
「レックウザは、とても心が優しく、こういうことをしなかった。天空にいるから、
大地に暮らす私達、ポケモン達を見守ってくれていたから。」
『あと、ここからが本番だ。レックウザが隕石を落としてきた。今、現在、ものすごく
大きな隕石が、複数接近している。』
「「「えっ!?」」」
ルーアは、前のレックウザのことを言い、ライドは、今までより、低い声で言った。
ヒカリ達は、同時に驚いた。
「兄さん!それ、本当なの!!そんなことしたら、この星は............。」
『ああ。本当だ。』
「そんな......。」
ルーアは、もう一度ライドに聞いたが、ライドは、静かに答えた。ヒカリは、少し
ショックを受けていた。
『なんとかしたいが、隕石を壊しても、また新しい隕石を降らすから、きりがない。』
「何か手はないんですか?」
ライドは、そのまま話し続け、ヒカリは、質問した。
『一つだけ方法がある。レックウザを倒すことだ。』
「レックウザを倒す?」
『ああ。レックウザが倒れれば、隕石が増えることもなくなり、隕石を壊すことが
できる。ただ、問題がある。』
「問題?」
ライドは、真剣に話を続け、ヒカリ達も、真剣に聞き、もう一度聞き返していた。
『アルセウス様も、姉さん達も、隕石のことで、動くことができない。だから、動く
ことができるのは、ルーア達だけなんだ。ヒカリ!ミュウ!ルーア!レックウザを
倒しに行ってこい!!』
「「「!?」」」
ライドは、真剣に言い、ヒカリ達の名を言った。ヒカリ達は、驚いていた。特に、
ルーアが驚いていた。
「兄さんに、そんなこと言われる日がくるなんて、思わなかった。」
『同じだよ。言う日がくるなんて思わなかった。だが、ルーア達は、グラードンを
倒したから、大丈夫だ。明日の朝早く、ヒカリの家に集まり、テレポートで、
レックウザが住む天空の塔に送る。準備があるなら、今すぐだ。』
ルーアは、率直に思ったことを言い、ライドも、率直に言い、予定を言った後、すぐに
通信を切った。
「.........さてと、すぐに、準備しないとね。」
「「うん。」」
ルーアの言葉に、ヒカリとミュウは頷き、ヒカリ達は、準備を始めた。ヒカリ達を
照らすように、夕日は、輝いていた。