67話 プテラと事実
「行くぞ!はかいこうせん。」
「みんな、避けて!!」
プテラは、言葉とともに、はかいこうせんが放たれ、すごいスピードで、ヒカリ達の方
に、向かっていった。ヒカリは、はかいこうせんのスピードに驚いていたが、すぐに、
我に返り、かわそうとしたが、ヒカリと同じように、はかいこうせんのスピードに驚い
ているミュウと、メガシンカができることを知り、驚きと疑問について考えている
ルーアとライドとルイが、動かないでいたので、ヒカリは、ミュウ達に向けて言い、
ミュウ達は、ヒカリの声で、我に返り、慌ててヒカリと一緒にかわした。ヒカリ達が
さっきまでいた場所は、はかいこうせんで、クレーターができ、焦げていた。
「くくくっ。この威力、最近使っていなかったが、衰えてはいないようだ。意識
があっても、この威力、だが、圧倒的な攻撃ではない。やはり、意識をなくした
方が良さそうだ。」
「意識?...!!まさか....................!?」
プテラは、面白そうに、クレーターができ、焦げている地面を見て、独り言のように
言った。ヒカリは、プテラの言葉に、疑問に思って、少し考えていると、分かり、
目を見開きながら、プテラを見た。ルーアも、ライドも、ルイも、プテラの言葉で
気づき、ヒカリと同じように、プテラを見ていた。次の瞬間、プテラは、ゆっくり
目を閉じ、プテラの身体が揺れた。プテラの揺れが修まると、プテラは、目を開けた。
プテラの目は、光っていた。
「ギャアアアアアアアーーーーーーーー!!!」
プテラは、大声で、声にもならない、咆哮のように、叫んだ。
「まさか、本当に暴走するなんて。」
「くっ、厄介なことになった。」
ルーアとライドは、事態が悪化していくことに、苦しそうな顔をした。
「ギャオオオオオオオオオオーーーーーーーー!!!」
「危ない!!」
「!?」
プテラの咆哮とともに、放たれたはかいこうせんが、ミュウに向かっていった。ヒカリ
は、はかいこうせんが、ミュウに向かっているのに気づき、言った。ミュウは、はかい
こうせんの威力と、プテラの変わり様に驚き、唖然としていたが、ヒカリの言葉で、
我に返り、慌ててかわした。ミュウは、かすったが、ぎりぎりかわせた。
「ヒカリ、ありがとう!」
「どういたしまして。それにしても..................」
「ギャオオオオオオオオオーーーーーーーー!!!」
ミュウは、ヒカリを言い、ヒカリは、ミュウに返事をしながら、プテラを見た。その
瞬間、プテラが、はかいこうせんを放った。
「ギャアアアアアアアーーーーーーーー!!!」
「くっ。」
「兄さん!!」
プテラは、はかいこうせんを放った後、翼を使い、近くにいたライドをたたきつけた。
ルーアは、慌ててライドに近づいた時、プテラが、ルーアの後ろにいて、はかいこう
せんを放とうと、力を溜めていた。
「ルーア!後ろ!!」
「!?」
「ムーンフォース。」
ヒカリは、そのことに気づき、ルーアに言い、ルーアは、ヒカリの声で気づいたが、
遅かった。その瞬間、プテラが、はかいこうせんを放った。かわすことができそうに
ないため、ルーアと近くにいたライドが覚悟を決めた時、はかいこうせんは、別の攻撃
のムーンフォースとぶつかりあっていた。ルーアとライドは、無事だった。
「「姉さん!!」」
「平気よ。ルーアとライドは、大丈夫?」
「大丈夫よ。でも、......!?姉さん!!」
ルーアとライドが、前を見ると、目の前に、ルイがいた。ルーアとライドは、驚きなが
らも、ルイを呼んだ。ルイは、はかいこうせんを、ムーンフォースで、くい止めている
ため、つらそうにしながらも、ルーアとライドのことを心配した。話したことにより、
ルイが押されていき、ルーアは、ルイに返事をしながら、ルイの様子を見て、慌てて
いた。
「このままじゃ...........!?よし!"氷精のかぜ"」
「テレポート。」
ルーアは、慌てながらも、必死に考え、思いつくと、"氷精のかぜ"を放ち、ルイの
ムーンフォースを押し、はかいこうせんを押し返した。その様子を見て、ライドは、
テレポートをして、ルーアとルイとともに、げんしのちからでできた岩影に隠れた。
「ルーア!ライドさん!ルイさん!大丈夫ですか?」
「大丈夫よ。それより、あのはかいこうせん、威力が強過ぎる。押し返すだけで、
精一杯よ。」
ヒカリとミュウは、ルーア達のところにきて、お互いの無事を確認した。
「でも、押し返すだけでは、体力が減るだけ。何か手があれば、いいんだけど。」
「プテラに、相性がいい、でんきとこおりでも、ダメージを大きく与えられるけど、
でも、近づいて攻撃しても、遠くから攻撃しても、はかいこうせんで、うまく
攻撃できない。」
ヒカリとルーアは、話し合い、必死で考えていた。すると、ヒカリが何かを思いついた
ように、顔を上げた。
「ルーア、ちょっと..................」
「..............!!それなら..................」
ヒカリは、ルーアに、小声で何かを言い、ルーアは、ヒカリの言葉で、何か思いつき、
ヒカリに言った。
「ミュウ!れいとうパンチで、プテラの周りを動いて!!」
「攻撃を当てなくていいから!!」
「えっ!?なんで?」
話し終わると、ヒカリとルーアは、ミュウに言った。ミュウは、わけが分からず、
ヒカリとルーアに、理由を聞いた。
「説明している時間は後!」
「ミュウ!お願い!!」
「わ、わかった。れいとうパンチ。」
ヒカリとルーアに急がされ、ミュウは、れいとうパンチの状態のまま、プテラの周りを
動いていた。プテラは、そんなミュウを見て、はかいこうせんを放った。ミュウは、
必死に攻撃をかわした。しかし、しばらくすると、ミュウのスピードが遅くなって
きた。ダンジョンのポケモン達との戦い、グラードンとの戦いで、体力が限界に
なってきた。力を使いたかったが、使った後、立っていられるか、分からないため、
使わず、かわしていた。
「はあはあ。......行き止まり!?」
だが、とうとう追いつめられ、ミュウは、慌てて、はかいこうせんを向かえ返そうと
構える。一方、プテラは、ミュウに近づきながら、はかいこうせんを放とうと力を
溜めていた。これまでより、強力なはかいこうせんを放とうとしていた。
「ま、まずい。」
「ギャオオオオオオオオオーーーーーーーー!!!」
ミュウがそのことに気づいた時、プテラは、咆哮のように叫び、はかいこうせんを
放とうとした。その時、
「ミュウ!ほのおのパンチで、自分の身を守って!!」
「えっ!?えっ!?えっと。ほのおのパンチ。」
「"氷精のかぜ"」
ヒカリの声が聞こえ、ミュウは、慌てて、ほのおのパンチで、自分の身を守った瞬間、
ルーアの"氷精のかぜ"が吹き、プテラの翼が凍り、はかいこうせんは、不発で
終わった。
「かみなり。」
ヒカリは、わずかにできた、とても小さな雲から、かみなりを落とし、プテラに
当てた。
「"タイム-バックウィリング"」
ヒカリがそう言った瞬間、落ちたかみなりが戻り、またプテラに当たり、上に戻り、
また落ちて、またまたプテラに当たり、また戻り、またまたまたプテラに当たり.....
それを繰り返していた。
「ヒカリ!ルーア!そろそろ説明。」
「あ、そうだったね。プテラに、攻撃を当てるためには、近づくことも、遠くから
攻撃することもできない。」
ミュウは、ヒカリとルーアに説明を求め、ヒカリは、思い出したように、ミュウに
説明した。
「でも、プテラは、暴走している。誰かが、プテラの前にいたら、プテラは、そっち
に向かって、攻撃するじゃないかと思ったの。」
「つまり、囮っていうこと!!」
「ごめんね。それと、このことは、2番目の理由よ。」
ヒカリの続きをルーアが言い、ルーアの説明に、ミュウは、怒ったように言った。
ルーアは、ミュウに謝りながら、言った。ヒカリも、ルーアと一緒に、謝っていた。
「続きを言うよ。囮にしても、プテラを攻撃して、今度は、攻撃した方に攻撃すると、
グラードンと同じだが、グラードンと同じようになるとは、思えない。その時に、
倒さないといけない。一撃で、プテラを倒せる技をもっていない。」
「ヒカリが、グラードンを倒した時、新しい技、かみなりを覚えたの。でも、覚えたて
の技のかみなりだと、プテラを一撃で倒せない。それに、覚えたてだから、当たる
ことも、難しい。そこで、ヒカリの新しい能力の"タイム-バックウィリング"と
雲を使ったの。」
「そういえば、ヒカリ。さっき使っていた"タイム-バックウィリング"って、何?」
ヒカリとルーアは、続きを言い、ミュウは、ヒカリに、ヒカリの今まで使ったことの
ない能力について聞いた。
「"タイム-バックウィリング"は、その攻撃や物やポケモンなどを、連続で進まし
たり、戻したりできる能力よ。私が解除するまで、止まらないの。でも、位置を
変えたり、方向を変えたりすることは、できないけど。それに、体力を、すごく
消耗するのよね。」
「だから、一回しかできない。プテラの動きを止めるか、かみなりの命中率を上げるか
のどちらかだけど、プテラの動きは、私が、こごえるかぜで、プテラの翼を凍らせ
ば、プテラは、動くのが困難になって、当たりやすくなる。あとは、かみなりの命中
率を上げるには、雲が必要。だけど、あめ玉とか、天候を変える玉を持っていない。
あとで、天候の玉を作ろうと思う。雲は、水蒸気でできている。そこで、水蒸気を
作ったの。」
「えっ!?どうやって?」
ヒカリは、能力について説明し、ルーアは、ヒカリの能力の説明が終わると、話を
続け、ミュウは、ルーアの話に驚き、質問した。
「兄さん達は、ここで待っているため、水をいっぱい持っていたの。だから、残った
水をマグマにかけて、水蒸気を作ったの。」
「その水蒸気を、ルーアが、こごえるかぜで、大気中に上げ、冷やしたの。それで、
わずかな小さな雲ができたの。ミュウのれいとうパンチも、少しでも、大気中を冷や
すために、動き回っている必要があったの。」
「そういうことだったんだ。」
ヒカリとルーアの説明が終わり、ミュウも、納得した。その時、
「ギャアアアアアアアーーーーーーーー!!!!」
「ヒカリ!一回、解除しろ!!プテラの様子がおかしい!!」
「「「!?」」」
プテラの叫び声のような声とライドの言葉で、ヒカリ達は、慌てて前を見た。そこ
には、ヒカリの"タイム-バックウィリング"の状態のかみなり(ヒカリとルーアが、
ミュウに説明している時も、発動していた。)が当たりながら、身体中から光を放って
いるプテラがいた。
「な、なんで!?」
「ヒカリのかみなりで、帯電して、光っているわけではないみたい。それより、
ヒカリ!速く解除して!!」
「う、うん。"解除"」
ミュウは、プテラが光っていることに驚き、ルーアは、プテラの様子を見ながら、
ヒカリに声をかけ、ヒカリは、"タイム-バックウィリング"を解除した。ヒカリの放っ
たかみなりは、プテラに当たるのを止めたが、プテラは、まだ光っていた。むしろ、
プテラの光は、どんどん強まってきた。
「解除したのに、なんで?」
「おそらく、原因が違うのよ。」
ヒカリは、何もしていないのに、プテラに変化が起こることに、困惑していた。ルーア
も、何で起こるか分からないので、困惑はしているが、ヒカリに言った。その瞬間、
プテラの放つ光が、さらに強まり、辺りが、眩しくて見えないようになった。光が
修まり、プテラのいた場所には、1枚のカードがあった。
「何?このカード?」
ヒカリは、そのカードを拾うと、カードには、岩と羽の模様が書いてあった。ミュウと
ルーアも、覗いていたので、見せた。
「どういうこと!?プテラは、いなくなっていて、代わりに、不思議なカードがある
なんて.......」
「...!?借りるよ!.........間違いない!このカードからプテラのはどうがする!!」
ルーアがカードを見て、呟きながら考え、ミュウは、ヒカリからカードを借り、カード
に手をかざすと、驚きながら、顔を上げて、言った。ミュウが言った瞬間、ヒカリ達も
驚愕していた。
「本当なの、ミュウ!!」
「うん。これは、間違いなく............」
ヒカリに聞かれ、ミュウは、カードを見ながら、言った。
「ひとまず、このカードは、アルセウス様に渡しておくわ。ヒカリとミュウは、もう
遅いから、運命の塔に泊まっておいた方がいいわ。」
「運命の塔?」
「運命の塔は、ダンジョンなの。でも、ダンジョンになっていないところもあって、
そこに、アルセウス様と私達、アルセウス様の使いが住んでいるの。」
ルイは、手を叩きながら言い、ミュウからカードを受け取った。ヒカリは、ルイの話の
中で出てきた運命の塔について、ルーアに聞き、ルーアは、ヒカリとミュウに、簡単に
説明した。
「泊まる!!」
「近くにダンジョンがある場所に泊まるのも、いい経験になると思う。」
「じゃあ、決まりね。テレポート。」
ヒカリとミュウは、泊まると即答し、ルイは、楽しそうに笑うと、テレポートをし、
運命の塔に向かった。その場には、誰もいなくなり、ヒカリとミュウは、運命の塔で、
ルーアと一緒に楽しみながら、泊まった。