63話 話し合いと罠
「別に、大丈夫です。ルーア、ライドさん、それより、情報についての話は、
まだ終わっていません!!」
「そ、そうだよ!!」
ルーアとライドに謝れて、ヒカリは、謝れているだけじゃいけない、元となったことを
何とかした方がいいと思い、ルーアとライドに言った。ミュウも、そのことが気に
なっていたので、ヒカリの言葉に頷いた。
「そうね。兄さん!教えてください!!」
「いや、ダメだ!!」
ルーアは、ヒカリとミュウの言葉を聞いて、ライドに、また頼んだが、ライドは、
全然教えてくれる気は、ないらしく、すぐに、断った。
「......まったく、いい加減にしなさい!!!ライド!!!!」
「!?...姉さん!?」
ルイは、我慢できなくなり、ライドを叱った。ライドは、いきなり叱られたことに
驚き、目を見開きながら、ルイを見ていた。
「ライド!あなた、また喧嘩をする気なの!!本当に、頑固何だから!!!」
「姉さん。....だけど.....................」
「だけどじゃないでしょ!!ライドは、ルーアに対して、過保護過ぎよ!!!」
ルイは、ライドに向かって、強く言い、ライドは、反論しようとするが、ルイの言葉
で、黙った。だが、ライドは、まだ納得できず、反論できる言葉を、必死で考えた。
ヒカリとミュウは、今度は、ライドとルイで、喧嘩するんじゃないかなと思い、
ルーアを見たが、ルーアは、様子を見た方がいいと、ヒカリとミュウの前に
手を出して、ジェスチャーした。ヒカリとミュウは、そのジェスチャーが分かり、
ライドとルイを見た。
「今回の発展は、ライドのわがままよ!!ルーアは、いろいろなことをしたがっている
んだから、やらせてあげなさい!!!」
「だが、ルーアは..................」
「もう!だがじゃない!!ルーアのためだと言っていても、それは、ルーアのためじゃ
ない!!!ライド、自分のためでしょ!!!!」
ルイは、ライドに向かって、そのまま強く言い放った。ライドは、反論したいが、
ルイの言葉で、言えずにいた。ルイは、ライドの様子を気にせず、強く言い続けた。
「ち、違う!!!」
「素直に認めなさい!!ルーアのためなら、ルーアが必死に大丈夫だっていうことを
わかってほしいのに、わかっていないんだから、ルーアのためじゃないでしょ!!!
しっかり話も聞いていないでしょ!!!!ちゃんと、ルーア達の話を聞きなさい!!!!
でないと、私が、ルーア達に教えるわよ!!!!!」
ライドは、自分のためという言葉に、ルイと同じくらいの大きな声で叫んだ。ルーア達
は、驚いたが、ルイは、ライドの声に驚かず、ライドよりも、さらに大きい声で
言った。
「............わ、わかったよ、姉さん。......ルーア、今回は、本当に危険
なんだ。あんまり怪我をしてほしくないんだ。だから、あきらめて、おとなしく
していてくれないか?頼むよ。」
「...兄さん。たとえ、兄さんの頼みでも、私は、知りたい!私達に関係するなら、
なおさらよ!!私は、自分で、解決したい!!!」
ライドは、ルイの言葉に折れて、ルーアに向き直り、頼み込むように言った。それに
対して、ルーアは、ライドの言葉を聞いても、自分の考えをまげず、ライドをしっかり
見て、はっきり言った。
「.....だけどな、ルーア。これは.....................」
「...それは、私達も一緒です!!」
「そうだよ!!」
「「!?」」
ライドは、どうしても嫌らしく、ルーアにもう一度言おうとしたが、別の二人の声で、
遮られた。ライドとルーアは、その二人の声に驚きながらも、その二人の声がした方を
見た。そこには、ヒカリとミュウがいた。
「ヒカリ!ミュウ!」
「ヒカリも、ミュウも、本当に危険なんだよ!半端な覚悟でいくのは、ダメだ!!」
ルーアは、ヒカリとミュウを見て、呟いた。ライドは、ヒカリとミュウを見て、ルーア
も見ながら、言った。
「ライドさん!僕達の覚悟は、半端じゃありません!!」
「そうです!!私も、ミュウも、ルーアも、半端な覚悟では、ダメだということは、
分かります!!危険でも、承知のうえです!!私達が関係するのに、黙って見ている
なんて、したくありません!!」
ヒカリとミュウは、ライドを見て、はっきり言った。
「ライド!これは、ライドの負けよ。大丈夫よ。ルーアは、ライドとの喧嘩でも、
互角に戦えたじゃない。ヒカリとミュウも、ルーアとライドの喧嘩で、危なく
なった学校のポケモン達を守っていたわ。ライドも、調査が行き詰まってきた
し、いいじゃない。」
「......................わかった。話そう。」
「「「やったーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!」」」
ルイの言葉で、ライドも、ついに折れて、ルイを見て、そのあと、ヒカリ達を
見て、覚悟を決め、話すことにした。ヒカリ達は、すごく喜んで
いた。
「......ショックだと思うが、しっかり聞いてくれ。」
「「「はい!!」」」
ライドは、ヒカリ達の喜ぶ様子を見ながら、その様子が修まるまで、少し待ち、真剣な
様子で言った。ヒカリ達も、それに気づき、はっきり返事した。
「実は、学校の先生達の中に、ブラックホール団の仲間がいるんだ。そいつが、
ルーア達の情報をもらしているんだ。」
「えっ!?そ、そんな............」
ライドの言葉に、ミュウは驚き、信じられないらしく、ひどく動揺していた。ヒカリ
とルーアは、目を見開き、お互いを見つめていた。
「いったい、誰がそんなことを..................」
「それは、分からないのよ。」
ミュウは、ライドを見ながら尋ね、ライドの代わりに、ルイが答えた。
「分からない?」
「ええ。調べていたんだけど、誰なのかは、判明しなかったわ。なかなか敵も、情報
を調べさせては、くれないみたい。私も、ライドも、お手上げに近いわ。」
ルイの言葉に、ヒカリは聞き返し、ルイは、悔しそうに言った。聞いているライドも、
悔しそうだった。
「先生達の中に、そんな................」
「兄さん!私、誰がブラックホール団の仲間か、わかったよ。ヒカリもね。」
「うん。」
「「「えっ!?」」」
ミュウは、悲しげに顔を下に向けていたが、ルーアの言葉とヒカリの返事に驚き、
顔を上げ、驚いた。ライドとルイも、予想外の言葉に、ミュウと同時に驚いた。
「ルーア!ヒカリ!わかったって、本当?」
「ええ、姉さん。わかったから、何とかして、止めたい!!姉さん!兄さん!ヒカリ!
ミュウ!作戦があるの!!手伝ってくれますか?」
「うん、いいよ。私も、止めたいから。」
「「「は、はい。」」」
ルイは、ルーアに聞き返し、ルーアは、ルイの言葉に返事をし、大きな声で言い、
ヒカリ達を呼び、また大きな声で言った。。ヒカリは、笑顔で返事をし、ミュウ達は、
少し戸惑ったが、返事をした。
................................
次の日、学校は、ルーア達が責任をとり、ルーアとライドの喧嘩でできた巨大な穴の
中に、木材で作った机と椅子と黒板を置き、登り降りできるように、ハシゴを付け、
巨大な穴ができた後、ルーアとライドが、再び喧嘩してできたへこみやクレーターなど
に、テントを設置したことにより、再開した。このことを知っているのは、ヒカリと
ミュウとルーアとライドとルイとルーア達の仲間とアルセウスだけで、学校の先生や
生徒達は、知らない。ちなみに、喧嘩が終わった後、ルーアとライドは、アルセウス
や仲間達に、すごく叱られたらしい。いつも通り、授業が終わり、放課後、
「今日は、どこに行く?」
「そうね。マグマのちていは、どう?最近、近くの森とかが多かったから、結構遠い
ところに行って、難易度が高いダンジョンを冒険しない?」
「いいね。」
ヒカリ達は、楽しそうに会話をして、歩いていた。話が終わり、ヒカリ達は走って、
目的地に向かった。ヒカリ達が走っていったところを、一匹のポケモンが見ていた。
「...マグマのちてい、か...........まずいな。....あそこには、あいつがいる
っていうのに。このままだと、バレるな。仕方ない、行くか。」
そのポケモンはそう言い、ヒカリ達を追いかけた。
...........................
マグマのちてい
「ここが、...マグマのちてい....。」
「なんか、所々に溶岩が流れているし...この感じだと、ダンジョンの中も、暑そう
だね。」
「大丈夫よ。"冷空間"を使えば、いいから。"冷空間"」
ヒカリ達は、会話をしながら、ルーアは、"冷空間"を使い、ダンジョンの中に入った。
ダンジョンの中に入ったと同時に、サンドとニドクインが襲いかかってきた。
「れいとうパンチ。」
「マジカルリーフ。」
ミュウとルーアが攻撃をし、サンドとニドクインは、倒れた。
「このダンジョンは、私には不利だから、ミュウとルーアのサポートするね。」
「わかった。」
「よろしくね。」
ヒカリは、周りを見渡しながら、カバンからいつでも出せるようにして、ミュウと
ルーアに言った。ミュウとルーアは、ヒカリの方を見て、返事をした。
..............................
マグマのちてい地中
「23階まで降りて、疲れた。溶岩がいっぱい流れてて、暑そう。」
「本当ね。ルーアの"冷空間"には、感謝しないと。」
「私も。今回、"冷空間"がなかったらと思うと.....。」
ヒカリ達は、B23階まで降りてきて、疲れてきたので、少し休むことにした。
「あと、どのくらいかな?」
「たしか、もう少しのはずよ。」
「そうなのね。そろそろ行こうよ!奥に近づいていくにつれて、ダンジョンの
ポケモン達も強くなるけど、速くダンジョンを抜けよう!!」
ヒカリ達は、少し話をして、ヒカリの言葉で動き出し、ダンジョンの最下層に入った。
...........................
マグマのちてい 最下層B2階
「......えーと.............。...........ここは、どのあたりかな?だいぶ
深いところまで、来たはずだけど...............。」
ミュウがそう言い、周りを見渡していた時、突然、地面が大きく揺れた。
「わわっ!じ、地震だ!!」
ミュウは、突然の地震に驚きながら、辺りを見渡した。ヒカリとルーアは、ミュウと
違って、宙に浮くことができないので、倒れないように、足で踏ん張り、倒れない
ように、身体を支えた。地震が収まると同時に、ミュウと同じように、辺りを
見渡した。
「何なんだろう?」
「この先に行けば、分かるかもしれない。」
「行こう!」
ヒカリ達は、話しながら、前を向き、歩いていった。その姿を、また後ろから見ている
一匹のポケモンがいた。
(あいつめ!暴れ足りなくて、暴れやがった!!このまま行けば、確実にあいつに出くわ
すな。よし!ここにするか!悪く思うなよ。散々邪魔したうえに、ここまで、来ちまっ
たんだからな!!)
そのポケモンはそう思い、前を向いて歩くヒカリ達に向かって、攻撃した。その
ポケモンは、当たったと思い、笑ったが、ヒカリ達は、その場にいなかった。
(何!?ど、どこに行きやがった!!)
そのポケモンはそう思いながら、辺りを見渡したが、ヒカリ達の姿を見つけられな
かった。
「10万ボルト。」
「サイコキネシス。」
「こごえるかぜ。」
突然、頭上から攻撃がきて、そのポケモンは、慌ててかわした。そのポケモンがいた
場所を見ると、そこには、ヒカリとミュウとルーアがいた。
「あなたが攻撃が当たる直前に、ジャンプして、かわしました。」
ルーアは、そのポケモンに向かって、悲しそうな顔で、言った。ヒカリも、ミュウも、
ルーアと同じような悲しそうな顔だった。ヒカリは、一歩前に出た。
「残念です。先生が、ブラックホール団の仲間だったなんて.........。本当に、
残念ですよ!..............................
プテラ教頭先生!!」
ヒカリは、そのポケモン...プテラ教頭先生を見て、強く言った。プテラ教頭先生は、
悪そうな笑みを浮かべていた。