61話 仲直りして、ルーアとライドの姉、登場
ルーアとライドの強力な技のぶつかりあいで、爆発し、煙が上がり、広い範囲に、
風圧が襲った。ヒカリとミュウは、その範囲にいて、風圧で吹き飛ばされた。
ガラガラガラ!!
地面や石などが、崩れる音がした。
「.........うん!?......ここは?」
ヒカリは、崩れる音で、目を覚ました。
「......確か、学校に来て、普通に授業を受けようとした時、ルーアとライドさんが
突然、学校に落ちてきて、そのままケンカして、机も、黒板も、校門も、全部
壊して、プロトーガとオムナイトも巻き込まれて、でも、私とミュウで助けて、
その後、ルーアとライドさんが強力な技を放つから、プロトーガ達を、
"テレポート玉"で、安全な場所に避難させて、ルーアとライドさんが、強力な技を
放って、ぶつかりあって、広範囲に、すごい風圧が襲って、私とミュウは、その
風圧に巻き込まれて、吹き飛ばされて、気絶した。......ということは、ミュウ
とルーアとライドさんは!?」
ヒカリは、思い出しながら、そう呟き、だんだん顔を真っ青にし、呟き終わると、
辺りを見渡した。左側を見ると、ミュウがいた。ミュウは、まだ気をうしなって
いるようだ。右側を見ると、ヒカリは、目を見開いた。そこには、巨大な穴が
できていた。
「......まさか、ルーアとライドさんの、あの技のぶつかりあった時に
できたんじゃ......」
ヒカリは、巨大な穴を、顔を真っ青にしながら、震えていた。この穴をどうしようと
思っていたが、少し時間が経つと、何かに気づいたように、巨大な穴の中を見て、
何かを探して始めた。
(もしかしたら、ルーアとライドさんが、この穴の中にいるのかもしれない。
これほどの巨大な穴だったら、ルーアとライドさんが地面が崩れて、落ちて
いても、おかしくない。いなかったら、私達と同じように、風圧で吹き飛ばされた
のかもしれない。............いた!!ルーアも、ライドさんも、無事。この
様子だと、私と同じ時間くらいに、気がついたのかな。)
ヒカリは、そう思いながら、巨大な穴の中を見て、ルーアとライドを探していると、
ルーアとライドが立ち上がっていた。実は、ヒカリと同じで、崩れる音で、ルーアも、
ライドも、気がついたのだ。ルーアとライドは、そのままの状態で、お互いを見て
いた。
「...兄さん!もう教えてくれても、いいと思いますよ。」
「ダメだ。絶対に教えない。」
ルーアとライドは、辺りの様子と事の重大さに気づいていないようで、また言い合い
をしていた。
「教えてくれてもいいじゃない!!!マジカルリーフ。」
「わっと。最後って言ってたじゃないか!!」
「だって、兄さんが教えてくれないから!!!」
ルーアがいきなりマジカルリーフを放ち、ライドは、慌ててかわして、ルーアに文句を
言った。ルーアは、ライドに向かって、強く言った。
(......まずい。このままだと、ルーアとライドさんが、また喧嘩が再開しちゃう!
これじゃ、同じことの繰り返しよ。何とかしないと。まずは、ミュウを起こさない
とね。)
「ミュウ!起きて!大変よ。」
ヒカリは、ルーアとライドの様子を見て、そう思い、慌ててミュウを起こそうと
ミュウの身体を揺らしながら、言った。
「.........ん!?うーん?あれ?どうして、..こうなったんだっけ?」
「ミュウは、起きたばかりだからね。記憶の整理をするために、簡単に説明するね。
時間があまりないから。」
ミュウは、目を覚まし、ヒカリは、ミュウに今までのことを簡単に説明した。
「ああ!!確かに、ルーアとライドさんの喧嘩で、いろいろあって、最後のあの攻撃で、
吹き飛ばされ、僕達、気絶したんだ!しかも、それで、こんな強大な穴ができたの!!
今、ルーアとライドさんが目を覚まして、言い合いになって、再び喧嘩が再開した
ってこと!?」
「そう。」
「ええええ!?まずいよ、それ!!速くなんとかしないと!!」
ミュウは、ヒカリの説明で思い出し、自分が気絶している間に起きたことを、ヒカリに
再確認して、慌て始めた。
「そう。だから、ルーアとライドさんの喧嘩を止めないと......」
「そういえば、僕達を助けてくれたポケモン、どうしたの?さっきから見当たらない
から、気になっていたんだけど。」
「...えっ!?」
ヒカリの話の途中で、ミュウは、さっきから気になっていたことを、ヒカリに聞いた。
ヒカリは、そのことを聞いて、目を見開いて、驚いた。
「ミュウ!どういうこと?私、知らないよ。そのポケモンのことも、
助けてくれたことも。」
「えっ!?」
ヒカリは、吹き飛ばされたことを思い返しても、全然思い出せなかった。そもそも、
ヒカリは、吹き飛ばされた瞬間、意識を失ったため、覚えていないのだ。それを
聞いて、今度は、ミュウが驚いた。
「だ、だって、確かにいたんだよ。そのポケモンが。僕達が吹き飛ばされた時、
僕、吹き飛ばされた衝撃で、意識がぼんやりして、目を閉じていたんだけど、
いきなり身体が止まって、浮遊感が消えたと感覚でわかって、頑張って目を
開いたら、僕達のそばに、誰かいたんだけど、そのポケモン、僕が目を開いた
ことに気づいて、大丈夫?って、声をかけてくれたよ。はっきり見えていなかった
から、どんなポケモンかは、わからないけど、でも、頭が水色で、身体は黒い
だったよ。」
ミュウは、必死に思い出しながら、ヒカリに言った。
「そうだったの。でも、プロトーガ達は、安全な場所にテレポートさせたから、
学校の周辺には、誰もいないから...それに、身体が止まって、浮遊感が消えた
のなら、サイコキネシスを使ったんだと思うけど、サイコキネシスを使えるのは、
ルーアとライドさんだけ。ルーアとライドさんは、喧嘩に集中して、周りが
見えていないから、私達を助けることは無理、あの様子だと、周りに全然気づいて
いないから、確実ね。頭が水色で、身体は黒くないからね。そもそも、この村に、
頭が水色で、身体は黒いポケモンはいないから、ミュウが見たポケモンは、
いったい..................」
「うーん?」
ヒカリは、そう言い考えていた。ミュウも、ヒカリの話を聞いて、考え始めた。
「シャドーボール。連発。」
「きあいパンチ。」
「って、今、考えている場合じゃなかった!」
「そうね。確かに気になるけど、ルーアとライドさんの喧嘩を止める方が先!」
ルーアとライドの声で、ヒカリとミュウは、今の現状を思い出し、ルーアとライドの
方を見た。ルーアは、シャドーボールを連続で放ち、ライドは、ルーアのシャドー
ボールを、きあいパンチで跳ね返した。跳ね返ったシャドーボールが、1つ、ルーアに
当たりそうになったが、ルーアは、かわした。
「ルーアとライドさんの間に入るタイミングがあったら、一緒にルーアとライドさん
の間に入るよ。」
「了解!!」
ヒカリとミュウはそう話し、いつでも出られるように、すぐに走れる態勢になった。
「こごえるかぜ。」
「くっ。」
ヒカリとミュウが話している間も、ルーアは、シャドーボールを連続で放って、
ライドは、きあいパンチで、シャドーボールを跳ね返しながら、ルーアに近づいて
きていたが、ルーアとライドの距離が少し縮んだ時、ルーアが、シャドーボールを
連発するのを止めて、こごえるかぜを放った。ライドは、少し近づいたぐらいで、
攻撃を変えたので、慌てて後ろに下がったが、少しかすり、少し凍った。
「今よ!!」
ヒカリとミュウは、ライドが後ろに下がったのを見て、チャンスと思い、
ルーアとライドの間に入ろうと走り出した。しかし、......
「待って!!」
その声が聞こえたと同時に、ヒカリとミュウの身体が浮き、元の場所に戻された。
「えっ!?何!?」
「!!この声!ヒカリ!この声だよ!!僕達をサイコキネシスで、助けてくれて、大丈夫?
って、声をかけたポケモン!!!」
いきなり、身体が浮き、元の場所に戻されたことに、ヒカリは、驚いていたが、
ミュウは、少し考えてから、ヒカリに興奮しながら、言った。
「本当!ミュウ!」
「うん、間違いない。さっきの声、絶対に!」
ヒカリは、驚きながら、ミュウに確認した。ミュウは、自信を持って言った。
「あの。あなたは、私達を助けてくれたのですか?どうして、喧嘩を止めようとした
私達を止めたのですか?どうして、姿を隠しているのですか?お願いです。姿を
現して、教えてください!!」
ヒカリは、一歩、前に出て、周りを見ながら、隠れているポケモンに向かって、
言った。すると、.........
「ごめんなさい。勝手に、サイコキネシスで、止めてしまって。でも、あなた達が、
ルーアとライドの喧嘩が、ここまで被害がでた原因には、責任があると言った
ように、私にも、責任があるの。私は、自分で説得するからと言ったルーアに
任せて、ここまでほっといてしまった。それより、ライドの過保護をほっとき
過ぎた。どっちも、私の責任だから、あなた達に止めてもらうのは、悪いと思う
から、私が止めるわ。これは、私の責任。ルーアとライドを...............
妹と弟をほっといた、私の責任。」
ヒカリの声に答えるように、そのポケモンは、言った。
(!?妹と弟!?もしかして...........................)
「あ、あの。あなたは、もしかして、ルーアとライドさんの............」
ヒカリは、そう思い、そのポケモンに向かって、気が動転しながら、言った。
「ふふ。自己紹介が、まだだったわね。」
そのポケモンは、そう言い、ヒカリとミュウの前に、現れた。そのポケモンは、
サーナイトだった。しかし、普通のサーナイトと違って、頭のところが水色で、
身体が黒色の色違いのサーナイトだった。
「初めまして。私は、アルセウス様の使い、そして、ルーアとライドの姉、
ルイです。妹のルーアと弟のライドが、お世話になっています。」
ルーアとライドの姉、ルイは、笑顔で、ヒカリとミュウにそう言った。