60話 兄妹ケンカ ルーアVSライド 後編
「さて、兄さん!そろそろ、本番にしましょう!!」
「ああ!!!」
ルーアとライドの言葉で、状況がさらに悪化したような気がした。
「いつになったら、終わるんだ!?」
「わからない。でも、ルーアとライドさんが、納得する結果じゃないと、ダメね。」
ヒカリとミュウは、早く、ルーアとライドの兄妹ケンカが終わることを祈った。
「シャドーボール。」
「かみなりパンチ。」
ルーアのシャドーボールを、ライドのかみなりパンチで弾き返し、ルーアの
シャドーボールは、学校の校門の看板のところに当たった。看板は、粉々に壊れた。
「「サイコキネシス。」」
ルーアとライドが、サイコキネシスで、看板の無くなった校門の支え棒が宙に
浮いた。一本は、ルーアの近くに浮き、もう一本は、ライドの近くに浮いた。
ルーアとライドが手を上げると、棒が動き、ぶつけあいして、剣道のような
ものになった。
「マジカルリーフ。」
「ほのおのパンチ。」
ルーアとライドは、サイコキネシスで、棒を動かしながら、技で攻撃しあった。
「ようせいのかぜ。」
「サイコキネシス。」
「こごえるかぜ。マジカルリーフ。」
ルーアのようせいのかぜを、ライドは、サイコキネシスで、テントの布を動かし、
盾代わりにした。しかし、その布も、こごえるかぜにより、凍り、マジカルリーフに
より、布が切れて、凍った布切れになった。
「サイコショック。」
「きあいパンチ。」
ライドは、きあいパンチを地面に向かって、叩きこみ、前の時に使った後の石に
なったり、細かくなったりしたものを上げて、サイコショックとぶつけた。ぶつけた
時に、ほんの僅かに、一瞬だけ遅くなった時、
「テレポート。」
「シャドーボール。」
ライドは、テレポートで、ルーアの後ろに立ったが、ルーアには、わかっていた
らしく、後ろに、シャドーボールを放った。
「かみなりパン......!?」
ライドが、ルーアに攻撃しようと、電気で包まれた状態の右手を引きながら、
ルーアに近づいた時、ライドは、かみなりパンチを解除し、後ろに下がった瞬間、
強烈な光が、ライドのさっきまでいたところに降ってきた。地面が焦げていた。
ライドは、それを見た後、笑みを浮かべた。
「みらいよち......か。危なかった。一瞬でも気づくのが遅かったら、当たって
いたな。」
「兄さんがわからないわけないからね。でも、もう少しだったのに。」
ルーアとライドは、そう話しながら、攻撃態勢になっていた。
「"氷精の風"」
「ほのおのパンチ。かみなりパンチ。」
ルーアの風を、ライドの2つのパンチで防いだ。
(遠距離の戦いとはいえ、兄さんに防がれてしまうからダメね。兄さんが近距離が
得意から、どこかで、近距離にもちこもうとしているわ。近づけないで、技を
当てる方法を............)
(近距離戦にもちこめないし、だんだん防ぐのも困難になってきた。中でも、
みらいよちは、一番厄介だぞ。)
ルーアとライドはそう思い、同時に止まって、考えた。ミュウは、なんで、止まって
いるんだろうと思い、ヒカリは、流石、兄妹ねと思った。
「ほのおのパンチ。」
「"こごえるリーフ"」
ライドは、両手に、ほのおのパンチで、ルーアに接近した。ルーアは、
"こごえるリーフ"という、マジカルリーフに、こごえるかぜで凍らせ、威力と
スピードが上がったもので、迎え撃った。ライドは、両手のほのおのパンチで、
何とか防いだが、少しダメージを受けた。
「今度は、"ようせいリーフ"」
「くっ、...ほのおのパンチ。」
ルーアの"ようせいリーフ"(マジカルリーフに、ようせいのかぜで、スピードと
勢いを上げたもの、簡単に言えば、"こごえるリーフ"のこごえるかぜが、ようせいの
かぜに変えたもの。)をライドは、両手のほのおのパンチで、また防いだが、また
少しダメージを受けた。しかし、全て防がれたと同時に、ライドの姿が消えた。
「どこに?............!?」
「きあいパンチ。」
ルーアが辺りを見渡した時、ルーアは、何かに気づき、後ろに下がった時、ライドが
いきなり現れ、きあいパンチを放ったが、ルーアが後ろに下がったことで、かすった
だけで済んだ。
「シャドーボール。」
「かみなりパンチ。」
「ぐううっ......。」
ルーアは、距離を取ろうと、シャドーボールを放ったが、ライドがまた消えて、
かわされ、ルーアの近くに現れ、かみなりパンチを喰らった。ルーアは、うめき声を
上げたが、立って、ライドを見ていたので、まだ大丈夫なようだ。ライドは、続けて
攻撃しようとしたが、ライドは、攻撃を止め、少し距離を取った時、ライドがさっき
までいたところに、強烈な光が降り、地面が焦げた。それは、みらいよちだった。
それを見て、ライドは、ルーアにまた近づいた時、ライドの上から、さっきと同じ、
強烈な光が二回降ってきた。ルーアは、みらいよちを、三回も放ったようだ。ライド
は、いきなりのことにかわせず、2発とも喰らった。
「ヒカリ。...どうやって、ライドさんは、消えて、現れたのか、分かる?テレポート
にしては、時間がかかり過ぎだし。」
「...おそらく、ライドさんは、ルーアの様子が見える、遠くの場所に、テレポート
したんだと思う。それで、隙を見て、テレポートして、ルーアのそばに来て、
きあいパンチを放ったんだと思う。」
「な、成る程。確かに、ライドさんが現れるまでに、時間がかかったんだ。」
ミュウは、ライドのやったことの謎を、ヒカリに聞き、ヒカリの答えに納得した。
「ルーアとライドさんの受けたダメージは、同じくらい。それに......。」
「それに?」
ヒカリの言葉に、ミュウが疑問符を浮かべていると、
バキッ!!!
何かが折れた音がした。ヒカリとミュウが音がした方向を見たら、ルーアとライドが
サイコキネシスで、剣道のように動かしていた棒が、2本とも折れたのだ。ルーアと
ライドも折れたのを見て、ルーアとライドは、サイコキネシスを解除した。折れた
2本の棒は、地面に落ちた。
「さて、兄さん。ダメージを受けているみたいね。教えてくれる気、あります?
サイコショック。」
「ないよ。ルーアもダメージを受けているじゃないか。サイコキネシス。」
ルーアのサイコショックを、ライドは、さっきまで、ルーアとライドがサイコキネシス
を使って、解除した折れた2本の棒で、再びサイコキネシスを使って、動かし、
サイコショックを弾いた。サイコショックを弾いたことにより、折れた2本の棒は、
8つに折れた。
「シャドーボール。そろそろ終わりにしましょう、兄さん。」
「ほのおのパンチ。ああ。」
ルーアのシャドーボールを、ライドがほのおのパンチで弾いて、地面に落ちたのが、
合図になり、ルーアとライドが全力を出せるように、身体中に力を込めた。
「まずい。このままだと、僕達も、プロトーガ達も巻き込まれる。」
「ひとまず、プロトーガ達を安全な場所に...」
「でも、どうやって?」
「ルーアに、運動会の後に作ってもらった"テレポート玉"があるから。これで、
プロトーガ達を安全な場所に、テレポートできる。」
ヒカリとミュウは、話しあい、ヒカリは、バックから、"テレポート玉"という
ルーアの作った不思議玉(ライドのテレポートを使って作ったらしい。)を出した。
「ヒカリは、プロトーガ達といっしょに、テレポートして、安全な場所に避難する?
それとも、ここに残って、攻撃が当たらない範囲外に移動する?」
「ここに残って、ルーアとライドさんの様子を見る。ルーアとライドさんを、
このままにしておけない。見ていない間に、ルーアとライドさんに、何かあったら
いけない。それに、ルーアに、あんなことを言ったのは、私だから......。」
「ヒカリ...。僕も残るよ。僕も、ルーアに言ったし、こんなに学校を壊した
ルーアとライドさんを、ほッといておけないよ。」
「ミュウ........」
ヒカリとミュウは、話しあいが終わると、頷きあい、プロトーガ達のところに行った。
「プロトーガ!みんな!ひとまず、安全な場所に避難して!安心して!テレポートで、
すぐにここから脱出できるから。」
「ちょ、ちょっと待って、ヒカ.........」
ヒカリは、プロトーガ達に言い、プロトーガが何か言い終わる前に、"テレポート玉"
を投げ、プロトーガ達をテレポートさせた。
「プロトーガ達は、安全な場所に避難させたから、私達も、離れて.........」
「兄さん!!一番強力な技で、いきましょう!!!」
「ああ!!!!」
ヒカリが、ミュウに言っている最中、それを遮るように、ルーアとライドの大声で
言った。
「ヒカリ。......逃げる時間、あるかな......?」
「.........できる限り、離れよう。もう走って、離れた方がいい。早くしないと、
いつ本気でくるのか、わからない。それに、どのくらいの範囲まで、攻撃や攻撃の
風圧などの影響が及ぶのか、わからないから。...ともかく、逃げよう。」
ヒカリとミュウは、その様子を少し見ながら、話して、ヒカリの言葉で、一緒に後ろを
向いて、走った。
「これで、決めるよ!!"氷精の風-舞"」
「ほのおのパンチ。かみなりパンチ。れいとうパンチ。きあいパンチ。」
ルーアは、今までより、強力な風を放ち、ライドは、ほのおのパンチ、
かみなりパンチ、れいとうパンチ、きあいパンチという順で、パンチを放った。
ドドドドーーーーーーーーーーーーーーーーーーン!!!!!!!!!!!!!
凄まじい音が、辺りに響いた。爆発し、煙を上げ、広い範囲にすごい風圧が襲った。
「わああああああああああああああ!!!!」
「きゃああああああああああああああ!!!!」
ヒカリとミュウは、その範囲にいたため、風圧に巻き込まれ、吹き飛ばされた。