58話 兄妹げんか ルーアVSライド 前編
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「だから、ダメな物は、ダメ!!!」
「いいじゃないの!!教えてくれたって!!!」
ルーアとライドが言い合っていた。ルーアが教えてって言っても、ライドは、教えて
くれなかった。すると、誰かが来た。
「ルーア!もう時間よ!!学校の時間よ!!」
「そうだった。ありがとう。姉さん!!行ってきます!!!」
ルーアは、学校に向かった。
「ライド!!!ルーアは、もうすぐ13歳。いくら危険でも、大丈夫だと思うわ。」
「それでもだよ!!姉さん!!!さすがに…………………………………」
「でも、そのことは、ルーア達にとって、必要よ。アルセウス様も、言ってもいい
って、言っているじゃない。」
「……………………………………………………………………………」
ライドは、無言のまま去っていった。
「全く、弟は、妹を大切にし過ぎているわ。」
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「ヒカリ!ミュウ!ごめんね。待った?」
「ううん。大丈夫。」
「さあ、学校行こう!」
ルーアは、ヒカリとミュウと合流して、学校に向かった。
「ルーア!今日はどうしたの?いつもは私達より、速く来て、待っているのに。」
「きょ、今日は、兄さんと少し言い合いになったの。」
歩きながら、ヒカリが話し掛けてきた答えを、ルーアは、少し戸惑いながら、答えた。
「言い合いの原因は?」
「兄さん、何か隠しているの。兄さんだって、知られたくないことがあるからと
思って、黙ってていたけど、姉さんの話によると、任務に関してで、そのこと
を私に言ってもいいと、アルセウス様は、言ってくださっているのに、兄さんは、
何も言ってくれないから……………………………………………」
「それが、言い合いの原因ね。」
「ええ。そう。」
ルーアが答えた後、学校に着き、そのまま授業を受けた。
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放課後、ヒカリとミュウとルーアは、おかしな原っぱに冒険しに行った。ヒカリ達は、
ダンジョンのポケモン達を倒しながら、進んでいた。
「ねえ。ルーア!今朝の話、ライドさんは、どうして、ルーアに言わないのかな?」
ミュウは、いきなりルーアに言った。
「私が、あまり危険なことになってほしくないのよ。前に言ったでしょ、兄さんは、
過保護なの。だから、学校に行って、ヒカリとミュウと一緒にいる任務も、
思いっきり反対していたの。アルセウス様が頼んで、やっと、初めて、一人で
する任務ができたの。」
「「えっ!?」」
ルーアの話に、ヒカリとルーアが驚き、しばらく沈黙した。やがて、ヒカリが、
なんとか話すことができた。
「ルーア!一人でしたことなかったの?」
「ええ。いつも任務の時は、兄さんか、姉さんか、同じ仲間達としかやったことが
なかったの。兄さんが、毎回誰かと一緒にしか、やらせてくれなくて、今回は、
学校に通えるのは、私しかいなかったから、初めて、一人での任務なの。全く
兄さんは、みんなが、もう一人でできるっと言ってくれても、聞き入れてくれ
ないんだから。」
「「…………………………………………………………………」」
ルーアの話に、ヒカリとミュウは、少し考えた。
「それなら、一人でできるって、認めてもらえばいいんじゃない?」
「それで、簡単だったらね。」
ミュウの提案に、ルーアが否定した。
「兄さんは、もう私が、一人でできるっていうことは、分かっているの。でも……………」
「もう一回、ライドさんと話し合ってみたら、どうかな?」
「えっ!?」
ルーアの話を遮るように、ヒカリが提案した。
「認めてはくれているのに、ダメなら、ライドさんが教えてくれるまで、話し合う
のは、どうかな?何分でも、何時間でも、ルーアが思っていることを、素直に
話せばいいんじゃないかな?」
「……………………………………………………………………………………」
ヒカリの話に、ルーアは、少し考え込み、しばらくして、笑った。
「ふふ。それもそうね。私と兄さんは、根気強く話し合わないといけないわね。」
「「ルーア!」」
「ありがとう。ヒカリ!ミュウ!私、帰ったら、兄さんと、もう一度、話し合って
みる。もうすぐ、出口よ。速く行きましょう。」
ヒカリ達は、おかしな原っぱを抜けた後、家に帰ることにした。
「ルーア!頑張ってね。」
「頑張れ!!」
「ええ。」
ルーアは、ヒカリとミュウに応援しながら、帰った。それを見て、ヒカリとミュウも
家に帰った。この時、ヒカリ達は、知らなかった。明日は、学校での授業ができなく
なる事態になるなんて………………………………………………。
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次の朝、ヒカリとミュウは、いつも通り、家を出た。しかし、ルーアが来なくて、
ずっと待っていた。
「…………遅いね。ルーア。」
「きっと、根気強く話し合っているのよ。昨日、ルーアが言ってたから。」
「もうすぐ遅刻するし、先に行こうか。」
「そうね。」
ヒカリとミュウは、先に学校に来た。
「ヒカリ、ミュウ、おはよう。あれ?ルーアは?」
「まだ来てないよ。」
ヒカリとミュウは、アマルスの質問に答えながら、席に座った。
「ルーアが、遅刻なんてめずらしいですね。」
「えっと、ユレイドル先生、それは……………………………………………」
ドッカーーーーーン!!ドッカーーーーーーーーン!!!ドッカーーーーーーーーン!!!!!
ユレイドル先生の話に、ヒカリは、ルーアが遅れている理由を説明しようとした時、
突然、爆発した音が聞こえ、しかも、それは、こちらに近づいてくる。
「いきなり、何!?」
「こっちに近づいてくる。」
「皆さん、落ち着いてください!!」
全員がパニックになり、ユレイドル先生が、落ち着くように指示しました。ヒカリが
ふっと空を見ると、何かが降って来る。
「みんな!!何か、降ってくる、速くここから離れて!!!」
「えっ!?本当だ!!何か、降ってくる、逃げろ!!!!」
ヒカリの叫び声で、全員がそのことに気がつき、全員、その場から離れた。その後すぐ
に、何かが、2つ降って来た。辺りが砂ぼこりでよく見えない。
「何が降って来たの!!?」
「わからない。見てみよう。」
ヒカリとミュウは、何かが降って来たところに近づいた。その時、砂ぼこりが晴れて
きた。晴れてきて、ヒカリとミュウは、見ることができた。ヒカリとミュウは、すごく
驚いた。そこにいたのは、ルーアとライドだった。
「兄さん!!!!私は、もう、一人でも、大丈夫だから!!兄さんが心配しなくても大丈夫
だから!!教えてよ!!!!!」
「ダメだ!!!」
ルーアとライドは、言い合っていた。どうやら、全然解決になっていなかったらしい。
「兄さん!!!!どうしてよ!!!!!!シャドーボール。」
「だから!!ダメだって言ってるだろう!!!れいとうパンチ。」
ルーアとライドは、言い合いをしながら、互いに技を放ち、衝突させていた。
「……………………ミュウ、これ、絶対に言い合いから、けんかになっていない?」
「……………うん。絶対、これ、兄妹げんかだよ。」
ヒカリとミュウは、どうしてこうなったと思いながら、呆然とルーアとライドを
見ていた。