57話 謎解きという答え合わせ
「まずは、障害物競争の時の、カブトが、障害物の網に足がからまったことです。」
「あれは、カブトが、自分でひっかかったんだろう!!」
ルーアが、言った言葉に反論するように、ズガイドス(兄)が言った。
「いえ、違います。カブトが、自分で障害物の網にひっかかったのなら、
一つの足にひっかかるのが普通。しかし、全ての足にひっかかるのは、
さすがに、自分でひっかかるのは、無理があります。誰かが、意図的に
仕組んだとしか思いません。」
「ぐっ!?」
ヒカリの話に、ズガイドス(兄)は、ぐっとしか言えない。
「しかし、どうやって、仕掛けるんだ?誰もカブトには、近づいていないからな。
できるはずねえだろ!!」
「それは、簡単です。メラルバの糸を使えばね。」
「「「「「「「「「「!?」」」」」」」」」」」
アーケンの質問に、ヒカリが答え、ルーアが、バックから長い糸を出した。そして、
長い糸を左手で持って、もう一本長い糸を出して、ヒカリに渡した。さらに、右手に
短い糸を持った。
「私が左手で持っている、この長い糸は、障害物競争の網で見つかった物です。
もう一本のヒカリが持っているこの長い糸は、100メートル走で、ヒカリについて
いた物です。ヒカリが持っているこの長い糸は、メラルバと繋がっていたので、
間違いなく、これは、メラルバの糸です。障害物競争の網で見つかった物と全く
同じです。ちなみに、私が右手で持っている、この短い糸は、リレーの物です。
これは、ヒカリのアイアンテールで切られ、短いですが、他の2つと全く同じ
です。つまり、100メートル走と障害物競争とリレーで、メラルバの糸を使った、
違いませんか?」
「「「「「「「「「「!?……………………………………………………………………」」」」」」」」」」
ルーアの推理に、ミュウとチゴラス達が驚き、しばらくの間、沈黙した。
「100メートル走とリレーの時に糸を使ったのは、認めるが、障害物競争の時は、
どうやる?俺は、最後で、お前とだった。カブトは、俺の前の順番だ!!
いくらなんでも、カブトを、ましては、ひっかかるようにすることは、できない!!」
「そ、そうだ!!どうやるんだ!!お前達の推理は、予想でしかない!!!」
メラルバの話で、我に返ったようにアーケンが言った。どうやら、相手は、
100メートル走とリレーで使ったことは、認めるが、障害物競争では、使ってなく、
同じ番ではないカブトを、網にひっかかるようにすることは、できないと言っている。
ヒカリとルーアは、それくらい知っているという感じで、お互いで、うなづいた。
「……………時間差です。メラルバの糸は、一番始めの番の時に、仕掛けていたのです。」
「「「「「「「「「!?」」」」」」」」」
「ど、どういうこと!?」
ヒカリの言葉に、チゴラス達は驚き、ミュウは、質問した。
「メラルバの糸は、アマルスの時に、すでに、仕掛けてあったということ。」
「で、でも、どうやって?」
「リリーラよ。リリーラが、網をくぐろうと触手を動かしてたでしょ。本当は、
網をくぐろうとしているフリをして、メラルバの糸を網に通して、ひっかかる
ように取り付けるために、リリーラは、触手を動かしていた。だから、リリーラは、
アマルスよりも遅かったの。」
ルーアの言った言葉に、ミュウが質問して、ルーアの代わりに、ヒカリが答えた。
「リリーラは、負けることを確定していたの。その代わり、カブトとルーアが、ワナに
引っ掛かって、負けるように。」
「でも、カブトは、引っ掛かったけど、ルーアは、引っ掛からなかったよ。」
「私は、私が通れるように、サイコキネシスで、道を作ったから、サイコキネシスで、
網が浮いた時に、リリーラのメラルバの糸の仕掛け方のせいか、カブトが
抜け出した時に、何かあったのか、メラルバの糸も、サイコキネシスで浮かび、
私が見つけて、それを取ったから、私は、引っ掛からなかったのよ。その時、
メラルバも、私が引っ掛からなかったから、遅かったのよ。私が引っ掛かると
思ったから。」
「「「「「「「「「「……………………………………………………………………………………」」」」」」」」」」
ヒカリの言った言葉に、ミュウが質問して、ヒカリの代わりに、ルーアが答えた。
ヒカリとルーアが言った推理に、ミュウとチゴラス達は、沈黙していた。
「………………違いますか?」
「………………………………………ああ、そうだよ。」
ヒカリが質問した時、メラルバが答えた。
「しっかし、よく気づいたな。どこで、勘づいた?」
「メラルバの糸を見た時、ヒカリが、100メートル走の時についていた糸と似ていた
から、もしかしたら、と思って、メラルバが遅かったのを見て、確信したよ。」
メラルバの質問に、ルーアがしっかり答えた。その後、少し沈黙した。どうやら、
チゴラス達がやったということは、決定したらしい。
(………ヒカリとルーア、すごい!!僕、そこまで、見てなかったよ。)
ミュウは、思いっきり、ヒカリとルーアの推理に、関心していた。
「…………………………そろそろか。」
「まだよ!!まだ、リレーの時のアマルスのケガについてが終わっていないよ!!」
チゴラス達が始めようとした時、ルーアの言葉で止まった。
「…………………あれは、事故だ。俺達は、やってない。」
「いいえ。あれも、あなた達の仕業です。」
ズガイドス(兄)は、否定したが、ヒカリは、チゴラス達がやったと言っている。
「何も触れないで、どうやって、アマルスをケガさせる?」
「アーケンの技、ステルスロックを使ったのでしょ。バレないように、
目につかない2ヵ所で!!」
アーケンの言葉に、ルーアが答え、ルーアは、バックから、2つのとがった石を
出した。
「「「「「「「「「!?」」」」」」」」」」
チゴラス達は、驚愕な表情をした。
「全部、回収される前に、拾っておいたの。目につかない2ヵ所でね。」
「流れをいうと、まず、始めは、ワナを仕掛けなかった。ズガイドス達、兄弟で対決
したかったから。ズガイドス達が走り終わった後、アーケンが目につかない所で、
ステルスロックを使う。この時、タテトプスが前だったため、タテトプスは、
大丈夫だった。タテトプスからアマルスに変わった時、アマルスは、アーケンに
抜かされてしまった。そのアーケンも、ステルスロックを使う。そうすると、
アマルスは、ステルスロックで、ケガをして、スピードが遅くなる。しかも、
二回も受けて。チゴラス達は、ステルスロックが仕掛けている場所を知っている
から、チゴラス達は、避けることができる。ステルスロックは、浮いているミュウ
以外、ダメージを受ける。しかし、プロトーガが、こうそくスピンで、ステル
スロックを弾き飛ばしてしまった。これでは、チゴラス達も、ダメージを受けて
しまい、さらに、バレてしまう可能性が高いため、リリーラ達が回収することに
した。私がリリーラが拾っているところを、ルーアが、プロトーガが何かを
弾き飛ばしているところを。」
「こちらも、全部回収される前に、一個ずつ取っておく必要があったので、私が
走りながら、探して、サイコキネシスで、ヒカリに渡したの。証拠が必要だった
ので。その後は、メラルバが糸を張って、ヒカリがそれを切っていたということ
です。」
ルーアとヒカリが、交互に話し、推理を話した。
「なぜ、ステルスロックを使ったと思った?」
「技を使わないと思ったのと、アマルスのケガから、とがった物でやられたと見えた
ので、地面に放つことができて、とがった物が出る技は、アーケンが使える、
ステルスロックだけだから。」
チゴラスの質問に、ルーアが答えた。
「………………あーあ。負けたうえに、全部、バレたよ。」
「認めるのですね。」
「そうだ。」
チゴラス達は、カブトに引っ掛かるようにしたことと、とアマルスにケガをさせたこと
を認めた。ミュウは、ふっと、リレーの時のことを思い出した。
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「ミュウ!みんな!ヒカリが、メラルバの糸で妨害されているから、私は、ヒカリを
サポートするから、ミュウ達は、チゴラス達を見張っていて!!」
「ちょ、ちょっと待って、ルーア!!」
「マジカルリーフ。」
ルーアはそう言って、ヒカリの方を見て、マジカルリーフを放った。それを見て、
ミュウ達も、チゴラス達を見張った。
……………………………………………………………………………………
(ヒカリとルーア、全部、見抜いてたんだね。そういえば、僕、いる意味あったの
かな?)
ミュウが呆然としながら、そう思った。
「はっ!!確かに、俺達がやったことを見抜いたのは、驚いたが、お前たちで、
俺達、全員に勝てるかな?ギャハハハ!!!」
チゴラス達は、大笑いしていた。
「ええ。そのつもりよ。」
ルーアはそう言い、構えた。ヒカリもだ。ミュウも、ヒカリとルーアの様子を見て、
慌てて構えた。
「ミュウ!私達が攻撃を放った後、はどうだんをお願い!!」
「えっ!?う、うん。わかった!!?」
ミュウは、ヒカリに、いきなり言われて、戸惑ったが、返事をした。
「いくぜ!!全員、一斉攻撃だ!!!」
「「「「「「「「おおーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!」」」」」」」」
チゴラスの叫び声で、アーケン達は、一斉に攻撃を放った。
「こっちもいくよ!!ヒカリ!!」
「うん!!ルーア!!」
「「"風雷"」」
ヒカリとルーアも、合体技"風雷"を放った。互いの技がぶつかったが、ヒカリとルーア
の合体技の方が威力があり、チゴラス達の技を押しきり、チゴラス達に当たった。
「もういいかな。はどうだん。」
それと同時に、ミュウがはどうだんを放った。はどうだんが当たる直前、
「ここにいたら、危ないから、ワープ玉。」
ルーアがワープ玉を使って、ヒカリ達は、その場所から少し離れたところにワープ
した。そのすぐあと、風雷と、はどうだんがぶつかったらしく、すごい音が聞こえた。
「「「「「「「「「ぎゃあああああああああああああああ!!!!!」」」」」」」」」」
おそらくチゴラス達の叫び声と、空に、きれいな花火のような物が打ち上がった。
その後、チゴラス達は、瀕死状態で発見され、チゴラス達がやったこともバレ、
チゴラス達は、怒られた。
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「ねえ。もしかして、僕、あの花火のために、呼んだの?」
「そうよ。ごめんね。」
「ごめんね。」
「って、ひどいよ!!!」
「まあまあ。ヒカリの家で、お泊り会なんだから、もうちょっと、楽しもうよ。」
ヒカリ達は、そんな会話をしていた。そう、ヒカリ達は、あの後、お泊り会をしよう
という話になって、ミュウは、アバゴーラ達にお願いをし、ルーアは、ライドにお願い
をし、お泊り会をしてもいいという許可をもらった。
「それに、私は、ワープ玉の改良がうまくいって良かった。」
「どんな改良をしたの?」
ヒカリは、嬉しそうに、ルーアが磨いているワープ玉を指して、質問した。
「好きなところにワープできるように、改良したの。」
「へえー。あっ!?」
「「!?」」
ルーアの説明を聞いて、ミュウが触れようとした時、ミュウの手がビンにぶつかり、
2つの液体が混ざった。
「ルーア!まずいよね?」
「ええ。とても。ヒカリ!!今すぐ、時間を戻して!!!」
「う、うん。"タイム-リワイド"」
ド……………………………………………………………………………
危機一髪、爆発は、止まった。
「ヒカリ、ありがとう。」
「どういたしまして。」
ヒカリ達は、思いっきり疲れた。
「もう、寝よっか?」
「うん。おやすみ。」
「おやすみ。」
ヒカリ達は、すぐに爆睡した。その後、ヒカリ達が寝た後、すごい地震がきた。ヒカリ
達は、爆睡していて、それを知らない。
……………………………………………………………………………………………………………
「フフフ。準備は順調か?」
「はい。すでに、グラードンは、我らの言うことを、なんでも聞きますよ。」
「そうか。そろそろ、動き出すぞ。邪魔者は、お前に任せよう。」
「了解です。」
……………………………………………………………………………………………………………
「ライド!奴等が動き出す!!」
「!!了解しました。」
ライドは、連絡を切り、木の上から、ルーア達のことを見ていた。
「大丈夫だ。必ず守るから。」
ライドは、そう自分に、言い聞かしていた。