54話 運動会 リレー 前編
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「次は、リレーです。そして、これが、最後の競技です。」
そのアナウンスで、ヒカリ達は、リレーの隊形に列んだ。始まる直前に、ヒカリ達は、
円陣を組んだ。
「みんな、最後の競技のリレーだ!頑張ろう!!」
「「「「「「「「おおーーーーーーーーーーーーーーーー!!」」」」」」」」
ミュウの号令で、ヒカリ達は、叫んだ。一番始めに走る、ズガイドス達が、
スタート地点についた。
「位置について。よーい。ドン!」
アナウンスの声で、ズガイドス達は、同時に走った。わずかな差で、ズガイドスの
兄の方が、速い。
「兄貴なんかに、負けねえよお。」
ズガイドスは、必死で走ったが、なかなか追いつかない。だんだんゴールに近づいて
きた。ズガイドスからタテトプス、相手は、ズガイドス(兄)からアーケンに変わった
時、タテトプスは、アーケンを抜いた。タテトプスとアーケンの差は、2メートル
くらいあった。
「よし。この調子なら、作戦どおりいくよ。」
「そ、そうね。」
「ええ。……………………このままなら。」
ミュウ達は、嬉しそうにしていたが、ヒカリとルーアは、このまま…………、というわけ
には、あの双子学校の生徒達がいくわけがないと思いながら、返事した。その後、
ミュウ達は、タテトプスを見ていた。ヒカリとルーアは、アーケンを凝視していた。
その時、目がつけられないところで、アーケンから、何かが出てきた。
((何?))
「タテトプスが、戻ってきた。次は、アマルス。」
「うん。わかったわ。」
ヒカリとルーアが、そのことに関して、疑問符を浮かべていると、タテトプスが、
タテトプスとアマルスが変わるところに、近づいてきた。
「ア、アマルス!気をつけて……………………」
「わかっているわ。」
さっきのことを見ていたヒカリが、アマルスに言った。アマルスは、それに返事をし、
スタート地点に着いた。そして、タテトプスからアマルス、相手は、アーケンから、
今度は違うアーケンに変わった。その時、アーケンは、アマルスを抜かした。
アマルスは、必死で、アーケンを追いかけた。少し走ったところで、アマルスの
スピードが落ちた。アマルスは、何か少し辛そうな表情だった。
(何!?急に痛みが…………………………)
「タテトプスの時に走っていたアーケンが、仕掛けた場所とは、違う場所だよね。」
「ええ。もしかしたら、今、走っているアーケンが、何かしたのかもしれない。」
「へっ、引っかかった。」
「ざまあみろ。」
アマルスが、痛みで苦しんでいる時、ヒカリとルーアが相談していた。ミュウ達が
頑張れと応援している時、チゴラス達は、笑っていた。小声で言っていることを
ヒカリとルーアは、聞き逃さなかった。そうこうしているうちに、アマルスは、
必死に走っていたが、アマルスとアーケンの差は、5メートルくらいあった。
アーケンは、タテトプスの時走っていたアーケンが、何かをしたと思われるところを
かわすような感じで、通った。ヒカリとルーアは、何かあると確信した。アマルスは、
タテトプスの時走っていたアーケンが、何かしたと思われるところをそのまま走った。
すると、アマルスが、さらに苦しそうな表情になり、スピードがさらに落ちた。
(うっ、い、痛い。でも、もうすぐで、プロトーガに、交代する、から。)
アマルスは、痛みに耐えながら、走り続けた。この時、四分の三くらいの位置だった。
相手は、アーケンからチゴラスに、変わっていた。
「プロトーガ!準備をして!」
「わ、わかった。」
プロトーガは、慌てて準備をした。
「ヒカリ!私は、アマルスのことを見ているから、ヒカリは、プロトーガとチゴラス
のことを見ていて。」
「うん。わかった。」
ヒカリとルーアは、そう相談して、ヒカリは、チゴラスとプロトーガを、交互に凝視
し、ルーアは、アマルスを待った。
「からにこもる。」
プロトーガは、甲羅の中に入った。それを見たチゴラス達が、
「何やってんだ、ありゃ!」
「これから、走るってんのに、何閉じこもってるんだ!」
「怖さで、閉じこもっているんだよ。絶対。」
「情けねえ。ぎゃあははははははははははははははははは!?」
そう言い、笑った。その時、アマルスが近づいてきた。
(最後は、全力で、やらない、と。)
「たいあたり。」
アマルスは、最後の力を振り絞って、プロトーガに向かって、たいあたりをした。
すると、プロトーガが、すごいスピードで、チゴラスとの差をつめていく。
「こうそくスピン。」
プロトーガは、カーブのところもうまく曲がり、チゴラスに追いついていく。そして、
ついに、チゴラスを追い抜かした。
「プロトーガ!練習の成果、出ているよ。」
ミュウが、プロトーガに向かって、そう叫んだ。実は、プロトーガが、必死になって
練習していたのは、これだったのだ。
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「プロトーガとオムナイトのスピードを上げるには、やっぱり押してもらった方が
いいわね。」
「でも、長い時間、必要よね。」
ヒカリとルーアが、必死に考えていた。
「そういえば、こうそくスピン、ころがる、の技マシンがあったね。」
「そうよ。それを使えば、長い時間、速いよ。」
「で、でも、難しいんじゃない?カーブのところもあるから。」
ヒカリとルーアの会話に、アマルスが意見した。
「「練習、あるのみ。」」
「「そ、そんな………………。」」
ヒカリとルーアの言葉に、プロトーガとオムナイトは、大変な練習だと思い、言った。
それから、何度も練習した。
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こうそくスピン状態のプロトーガは、もう半分も過ぎた。ヒカリは、プロトーガと
チゴラスを凝視していた。一方、ルーアは、アマルスの足の傷を見ながら、
いやしのはどうを放っていた。
「ルーア!プロトーガは、何かを弾き飛ばしているよ。プロトーガは、気づいて
いないみたいよ。チゴラスは、何かをかわしているように、見える。」
「こっちは、アマルスの傷を見ると、とがった物にやられたみたい。ヒカリ!
プロトーガの次がオムナイトで、オムナイトの次は、私だから、私が走って
何かを見つけるから、見つけた物をヒカリに渡すから。」
「了解!!」
ヒカリとルーアが、相談していると、プロトーガが、近づいてきた。
「オムナイト!準備して!」
「う、うん。まるくなる。」
オムナイトは、スタート地点で、準備した。すると、プロトーガが近づいて、
オムナイトにぶつかった。オムナイトは、すごいスピードで、転がった。
「ころがる。」
オムナイトは、カーブのところも、そのまま転がった。リレーも、いよいよ後半に
突入した。
後編に、続きます。