53話 運動会 障害物競争
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「次は、障害物競争です。」
「次は、ルーアとカブトとアマルスだね。」
「頑張って。」
「ええ。」
アナウンスの声で、集合場所に向かうルーアを、ヒカリとミュウは、応援した。
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sideルーア
いよいよ、本番ね。気を引き締めないと。
私は、とてもやる気満々。待っている間、障害物競争のコースを思い出して
おこうかな。確か、まず、ネットの下をくぐって、次に、跳び箱を跳んで、その次に、
平均台を渡って、最後に、ドラム缶のような物の中を通って、真っ直ぐに進む。これで
いいかな。
「それでは、準備してください。」
私が確認し終わった時、アナウンスの声が聞こえた。一番始めは、アマルスだったね。
相手は、リリーラね。
「それでは、位置について、よーい、ドン!」
アマルスとリリーラは、同時にスタートした。アマルスは、四足歩行なので、
ネットの下を楽にくぐって、リリーラは、ネットを上に上げようと、必死で触手を
伸ばしていました。跳び箱を普通に跳び、平均台で、アマルスが落ちかけていた。
リリーラは、全然平気でした。リリーラって、落ちること、ないんじゃない。と、
私とヒカリは、そう思っていました。その後も、普通に進み、ぎりぎりアマルスの
勝ちでした。次は、カブトとアーケン。
「それでは、位置について、よーい、ドン!」
カブトとアーケンは、同時にスタートした。アーケンは、普通にネットの下を
くぐったが、カブトは、なかなか進まなかった。ネットに、足がからまったらしい。
でも、おかしい。1つならともかく、全部、ネットにからまっていた。助けてあげたい
けど、障害物競争なので、助けることができず、カブトが、なんとか抜け出した時、
アーケンは、すでにゴールしていた。カブトも、アーケンがゴールしたが、そのまま
走り、跳び箱を跳び、平均台を渡って、ドラム缶のような物を通り、走って、ゴール
した。なんか罠を仕掛けたはず。私とヒカリは、そう思った。そして、最後は、
私とメラルバ。
「それでは、位置について、よーい、ドン!」
私とメラルバは、同時にスタートした。私は、サイコキネシスで、私のところの
ネットを上げた。少し姿勢を低くして、進んでいると、途中で、何かあった。
何なの、これは!?
私は、ネットの下をくぐりながら、調べた。しばらくすると、ネットから出るので、
私は、それを、かばんに入れた。私は、普通に跳び箱を跳び、平均台を走った。
平均台の幅が、私にとって、広かったので、走ることができた。その後、ドラム缶
のような物の中を通り、そのまま走った。結果は、私の勝ち。しかし、気になるところ
がある。それは、メラルバとの差。すごい差があり過ぎて、まるで、私が罠に
引っかからなかったみたいに。あと、途中で、拾った、これ。
「ヒカリ、ちょっと。」
私は、戻ってきてすぐ、ヒカリに話しかけた。
「ルーア、何かあったの?」
「ええ。…………これを見て。」
私は、拾った物を、ヒカリに見せた。
「…………………これは!?ということは、そういうことね。」
「ええ。でも、問題は、リレーでも、やるかもしれないということ。」
私とヒカリは、今は、元気になったカブトと、双子学校の生徒達。
「最後は、リレーか。どうやる?」
そんな声が、双子学校の生徒達の方から、聞こえた。