51話 運動会 100メートル走
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「次は、100メートル走。」
アナウンスがそう言った。
「ヒカリ、タテトプス、ズガイドス、出番よ。」
「頑張れ!」
ミュウとルーアは、そう応援していた。
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sideヒカリ
(始まった。ミュウは勝ったから、私も頑張って、勝たなくっちゃ。とりあえず、
作戦通りにやろう。えっと、私は、最後だから、相手は、メラルバね。)
私は、そう思っていた。タテトプスの出番。
「位置について。よーい。ドン!!」
そのアナウンスの声で、タテトプスとアーケンが走り出した。
「でんこうせっか。」
「とっしん。」
タテトプスとアーケンは、同時に技を出し、同じくらいの速さだった。結果は、
くちばしの長さで、アーケンの勝ち。次は、ズガイドスとチゴラス。
「位置について。よーい。ドン!!ピピッ!」
アナウンスの声の後、笛が鳴った。ズガイドスが、気合いを入れ過ぎたらしく、
フライングをしたみたい。
「ズガイドス、落ち着いて。」
「深呼吸。」
「気合い、そこそこしておいて。」
私とミュウとルーアが、ズガイドスに言った。
「わ、わかった。スー、ハー。」
ズガイドスが返事をして、深呼吸をした。
「位置について。よーい。ドン!!」
アナウンスの声と同時に、ズガイドスとチゴラスは、走った。
「たいあたり。」
「ずつき。」
ズガイドスとチゴラスは、同時に技を出した。しかし、ズガイドスの方が速く、
勝ったのは、ズガイドス。ちなみに、そのまま、突っ込んでしまい、大騒ぎになり
ました。それは、言うまでもなかったかな。最後は、私とメラルバの出番。
「位置について。よーい。ドン!!」
「ニトロチャージ。」
「でんこうせっか。」
アナウンスの声と同時に、私とメラルバは、技を出した。メラルバは、ニトロチャージ
で、スピードが速くなっている。
「こうそくいどう。」
私は、2倍速になった。
「こうそくいどう。こうそくいどう。」
私は、3倍速、4倍速になった。
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「タテトプスとズガイドスは、技を使って、できるだけ速く走れるように。」
「ヒカリは、でんこうせっかのまま、こうそくいどうを使って、思いっきり速く。」
「わかった。」
ヒカリとルーアが作戦について、相談していた。
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私が一位で、今、独走しているが、メラルバが、だんだんと追いついてくる。ゴールも
近い。しかし、追いつかれそう。
(一瞬、ほんの一瞬。)
「"タイム-ロック"。」
私は、そう思いながら、小声で言った。次の瞬間、メラルバが止まった。時間が
止まった。
「解除。」
私はそう言い、その次の瞬間、メラルバが動き、時間が動き出した。その後、私は、
ゴールした。私が時間操作した時、ミュウとルーアの方を見ると、ミュウとルーアが
気づいた様子だった。あとから聞いてみたら、ミュウとルーアは、流れが変化している
感じを感じ取ったらしい。
「ヒカリ、何かついているぞ。」
「えっ!?」
私は、よく見てみると、糸が、私についていて、その先にいるのが、メラルバだった。
どうやら、メラルバは、私に糸をつけて、追いついてきたらしい。道理で、走りづらい
はずだよねと、私は、思った。100メートル走、結果、2勝1敗で、私達の勝ち。