50話 運動会 綱引き
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「次は、綱引き。」
アナウンスの声が聞こえ、ミュウ、オムナイト、プロトーガが出てきた。
「ミュウ、オムナイト、プロトーガ、頑張って!!」
ヒカリ達が、応援席で、応援している。
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side ミュウ
(いよいよ、本番が来た。)
僕は、少し緊張しながら、そう思った。でも、一番緊張しているのは、オムナイトだ。
オムナイトの新しい技を使うから、不安らしい。僕とプロトーガは、大丈夫だと言って
いる。双子学校は、今年も、リリーラ、チゴラス、ズガイドスの兄だ。僕達は、
オムナイト、プロトーガ、僕という順番だ。一番前にいるオムナイトとその次に前に
いるプロトーガを見て、ズガイドスの兄は、フッと笑った。
「お前たち2匹、遅いから、綱引きか。しかし、勝てるのかい?俺達に勝てるほどの
力ないだろう?」
ズガイドスの兄は、笑いながら、言った。
「相変わらず、嫌な奴だな。」
プロトーガは、ぼそっと呟いた。まったくだと、僕は、同感した。オムナイトは、
確かに、力はないと落ち込んでいた。
「大丈夫。ルーアの作戦を信じようよ。」
僕は、落ち込んでいるオムナイトに言った。プロトーガも、隣でうなづいている。
「それでは、始め!!」
そのアナウンスと共に、縄を引っ張った。縄は、真ん中から動かなかった。
「なかなかやるな。」
「僕達だって、しっかりパワーをつけたから。」
僕は、ちょっと自慢げに言った。
「なら、これはどうだ?いわなだれ。」
僕達の頭上から、岩が落ちてきた。
「オムナイト!!」
「ま、守る。」
プロトーガの声を聞き、オムナイトは、大きなバリアを頭上に張った。
「何!?」
「よし。うまくいった。」
ズガイドスの兄達が驚いている時、僕は、ルーアの作戦を思い出した。
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「攻撃での妨害は、守るを使えば、回避できる。正面から攻撃されたら、困るので、
オムナイトは、一番前。その間、ミュウとプロトーガは、縄を引っ張ってね。」
「わかった。」
ルーアの作戦に、ミュウは、返事した。
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(これなら、思いっきりできる。)
僕は、そう思いながら、力いっぱい、縄を引っ張った。
「攻撃が当たらないなら、りゅうのまい。」
「あたいも、つるぎのまい。」
「ここから、一気に行くぞ。つるぎのまい。」
すると、一気に、縄が引っ張られた。
(くっ、耐えられない。)
僕は、そう思っていたが、必死で、縄を引っ張った。
「今度は、当たるだろう。いわなだれ。」
「守る。」
「くっ。」
その隙をついて、チゴラス達が攻撃を仕掛けた。オムナイトが、咄嗟に守るをしたが、
攻撃力が上がり、岩の量が多くて、オムナイトの縄を引っ張る力が、緩まった。
僕達は、困難になった。
(このままだと。ヒカリ、ルーア、いい?)
僕は、ヒカリとルーアを見た。ヒカリとルーアは、うなづいた。
(よし。ふんぐ。)
僕は、両手に力を込めて、縄を引っ張った。すると、一気に、こっちに中心がきた。
「なんだと!?」
(さすがに、驚くよな。)
チゴラス達の反応を見て、僕は、そう思った。
「終了。」
その号令を聞いた瞬間、僕達は、縄を引っ張るのをやめた。勝ったのは、僕達だ。
僕達、全員、喜んだ。
「去年とは、全然違う。一体、何が……………」
双子学校の誰かがそう呟いた。