42話 休日
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ヒカリたちが帰ってきて、村中大騒ぎだった。その後、ヒカリたちは、村のみんなに
旅の話をしたり、おみやげを渡したりした。学校は、もう夏休みが終わり、始まって
いた。先生たちが、旅から帰ったばかりだから、一日休んでいいと言われて、お休み
になった。
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次の日、ヒカリたちは、ちいさな森で木の実拾いと軽い運動をした。その後、
ヒカリの家で休んでいた。
「ねえ。ルーアって今、何歳?」
「12歳、もうすぐ13歳になってもいいって言われる。」
ルーアは、何かをしながらそう言った。
「「言われる?」」
「ええ、私達使いは、アルセウス様が歳を取ることを許可されれば、歳を取ることが
できる。」
「そうなんだ。ルーア、さっきから何しているの?」
ミュウは、何かしているルーアに質問した。どうやら、ひまだから質問ばかり
しているようだ。
「試してみる?」
ルーアはそう言い、ミュウに何かを渡した。モモンの実だった。
「何で?まあいっか。僕、モモンの実、甘くて好きだから。……はむ。…辛いーーーー。
水、水。」
「フフフ。」
口から炎を出して、慌てるミュウを見て、ルーアは笑った。ルーアは笑いながら、
ヒカリに何か渡した。
「これは…ただの種。」
「そうよ。食べてみて。」
ヒカリは、恐る恐る食べてみた。
「!!甘い。この甘み、モモンの実と同じ。」
「モモンの実の甘みをただの種に移す実験をしていたの。さっきの辛さは、いたずら
でちょっと。」
「ちょっとじゃない。」
いたずらっぽい笑いをするルーアに、ミュウは少し怒った。
「それじゃ、そこのばくれつの種も。」
「ええ。ばくれつの種の火力を上げたの。移すために使ったばくれつの種は、
何も起こらないただの種。」
「へー。どれどれ。」
ミュウは、試しに食べてみた。
「本当だ。何も起こらない。」
ミュウは、次々種を食べた。しかし、ある一つの種を食べようとした時、
ルーアは慌てた。
「ミュウ、それはダメ!!」
「え、今、なんて?」
遅かった。ミュウは、その種を食べた。
ドッカーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン!!
ヒカリの家は破壊され、ヒカリたちは、真っ黒になった。
「ヒカリ、時間を巻き戻して。」
「うん。"タイム-リワイド"」
すると、時間が巻き戻り、家が元に戻った。種も。
「この種は、ばくれつの種の火力が高すぎるから、家一つ破壊するの。後で、
種の威力を落とそうと思ったのに。」
ルーアが少しふくれていた。
「ご、ごめん。」
「いいの。さてと、回復するために、これを飲む?」
ルーアは、飲み物が入っているビンを、ヒカリとミュウに渡した。
「これは?」
「オレンの実とリンゴを混ぜたジュースに、ピーピーマックスといやしの種の効力
移した飲み物。さあ、飲んでみて。」
ヒカリたちは、その飲み物を飲んでみた。ヒカリたちは、元気になった。
「あ、もう夕方。ヒカリ、ミュウ、先帰るね。」
「「うん。明日。」」
ルーアは、帰っていった。この時、ヒカリたちは知らなかった。普通の学校生活と
同時に、自分たちを襲う影のことを…………。