33話 ヒカリの特訓
「ヒカリ、意識が途切れていたということは、一度、時に関係すること、たとえば、
未来を見たことあるか?」
「未来.......。あ、あの時!!」
ヒカリの頭の中には、ダーテングの戦いの時に見た、未来のようなものが浮かんでいた。
「こころあたりがあるようだな。一度未来を見たことがあったから、意識がかすかに
あったのだ。ヒカリには、しっかりちからをコントロールでき、意識があるように
しなくてはならない。」
「わかりました。」
「では、まず、時間を止めることから始めよう。時間が止まれと強く思えばいい。
普通、時間を止めて、一回攻撃すれば解けるが、コントロールせずに、意識が
途切れていたから、連続で使っていたんだ。」
ヒカリは、キュウコンの説明を聞き、時間が止まるように思ったが、
何も起こらなかった。何度も思ったが、結果は同じだった。
「思いの強さが足りないんだ。思いを強くして、ちからを使う時のわざ名を
決めた方がいい。」
「わざ名、うーん。」
ヒカリは、しばらく考えた。
「決めた。」
「よし、これから、私が、かえんほうしゃをうつから、時間を止めるようにする
こと、時間を動かす時は、動くように思うこと、わかった?」
「はい。」
「行くぞ。かえんほうしゃ。」
キュウコンのかえんほうしゃが、ヒカリにむかってくる。
「"タイム-ロック"」
ヒカリは、強く思いながら言った。すると、かえんほうしゃも雪もキュウコンも
止まっていた。
(これ、前と同じ。時間を止めること、できた。とにかく、かえんほうしゃから
離れなきゃ。)
ヒカリは、かえんほうしゃから離れ、キュウコンの隣にきた。
「解除。」
ヒカリがそう言った瞬間、かえんほうしゃが動き、雪が降り、キュウコンが動いた。
「成功しました。」
ヒカリが喜びながら、キュウコンに報告した。
「ああ。ヒカリ、このちからは、使えば、体力が消耗する。体力をつけることと、
あまり使わないこと。ヒカリ、疲れてないか?」
「はい。大丈夫です。」
「そうか。これから、私は、ミュウのところに行く。ヒカリは、その間、
体力をつけるか、わざの特訓か、時間を止める練習をしといてくれ。
時間を止める練習は、あまりするな。」
「はい。」
キュウコンは、ヒカリの返事を聞くと、ミュウのいる滝の方にむかった。
「まずは、でんこうせっかを使って、走り回って、ランニング。次に、
10万ボルト、ほうでんなどの電気わざの特訓、その次に、時間を止める練習。」
ヒカリはそう決めると、でんこうせっかを使い、走り回った、ランニングをした。
体力づくりとでんこうせっかの特訓を同時にした。