73話 灯す光
いつもとは、まったく違うヒカリ達は、静かに、レックウザを見ていた。レックウザ
は、驚きながら、考えていた。
「.........い、いったい、何が!?............まさか、自分達の攻撃と、我
のはかいこうせんを受けた時に、吸収したのか!!?それで、回復したのか!!?」
レックウザは、必死で考えていた。ヒカリ達は、何も言わず、レックウザを見ていた。
だが、次の瞬間、
「!?」
レックウザの目の前から、ヒカリ達の姿が消えた。レックウザは、驚きながら、辺りを
見渡した。それと同時に、風が吹いた。その風は、だんだん強くなっていった。
「.........エレキボール。」
「......はどうだん。」
「!?」
突然、上からヒカリ、下からミュウが現れ、攻撃を放った。レックウザは、突然のこと
に反応できず、攻撃に当たり、すぐヒカリとミュウを見ようとすると、そこには、
ヒカリとミュウの姿は、なかった。レックウザは、動きたかったが、風がまとわり
つき、全く風が止む気配がなかった。
(......いったい、どうなっている?姿が見えない。見渡す限り、誰もいない。
動きたいが、この風がまとわりつくから邪魔.........ん?風、まさか!?)
「たつまき。」
レックウザは、考えながら、風を見ていると、何か思いつき、たつまきを放った。
たつまきは、風にぶつかり、消失していった。たつまきが、風とぶつかった瞬間、
少し風が弱まったが、すぐに風は、強さを取り戻し、元に戻った。レックウザは、
少し風が弱まった一瞬、3つの影が見えたことに、気がついた。
「............フッ、なるほど。やっと、分かった。お前達は、ヒカリの時の能力
を使い、別の場所に移動してから、今後は、ルーアの風で、我の動きを止め、
ダメージを与えつつ、風で隠れ、またヒカリの力で攻撃を仕掛けていたんだな。」
(だが、これだけの風を操っているのは、さすがに不自然だ。これほどの力を、先程
までは、なかった。それに、どう考えても、攻撃が当たる直前に、時を動かしている
ようにしか思えない。しかし、攻撃を放った瞬間で、時は動く。さらに、技の威力が
上がっている。確か、ミュウは、身体能力と攻撃力を上げられるが、他のやつには、
できないはず、だが、技の威力が上がっているのは、ミュウだけじゃなく、ヒカリと
ルーアもだ。あの姿と、急激に力が強くなっているのは、関係があるのか.....。)
レックウザは、3つの影が見えた方を見て、風の音で聞こえなくならないように、叫ん
だ。レックウザは、叫びながら、何が起きたのかは分かったが、いくつかでてきた疑問
について、考えた。
「...エレキボール。」
「はどうだん。」
「シャドーボール。」
「!?」
ヒカリ達の声で、考え続けていたレックウザは、我に返り、前を見ると、そこには、
いくつもの、三色の丸いものが浮いていた。それは、エレキボールとはどうだんと
シャドーボールだった。しかも、それらが複数もあり、ルーアは、それらが浮いている
のを確認すると、右手を、ゆっくり上げ、右に振った。すると、レックウザの動きを
止めている風とは別の風が吹き、その風が、エレキボールとはどうだんとシャドー
ボールを押し、すごいスピードで、レックウザに向かっていった。
「たつまき。」
レックウザは、すぐにたつまきを放つが、周りある風にぶつかり、消失してしまった
ため、レックウザは、そのまま攻撃を受けてしまった。
「......エレキボール。」
「はどうだん。」
「シャドーボール。」
ヒカリ達は、レックウザに、攻撃が全部当たるのを確認すると、すぐに、新しく攻撃を
放った。さっきと同じように、エレキボールとはどうだんとシャドーボールを、複数
浮かせて、ルーアが右手を上げ、右に振り、風でスピードを上げた。
「たつまき。りゅうせいぐん。」
レックウザは、それを見て、たつまきで、風を少し弱めた後、りゅうせいぐんを放っ
た。りゅうせいぐんは、エレキボールやはどうだんやシャドーボールにぶつかった。
何発かは、レックウザに当たったが、りゅうせいぐんも、ヒカリ達に向かって、降って
きたが、ルーアが手を前に出すと、風が、りゅうせいぐんとぶつかり、ヒカリ達は、
無傷だった。
「.........ルーア。」
「ヒカリ。」
しかし、レックウザに、少ししか、ダメージが与えられなくなったので、ヒカリは、
ルーアを見て、お互いに頷きあうと、ヒカリは、走り出した。ルーアは、それを見ると
同時に、左手を前に出し振ると、風が、ヒカリを押した。
「でんこうせっか。...............アイアンテール。」
ヒカリは、その勢いのまま、でんこうせっかで、レックウザに当たり、反撃される前
に、アイアンテールを放った。ヒカリのアイアンテールを合図に、ミュウとルーアも
動き出した。
「りゅうのはど.....................」
「"氷精の風"」
「"タイム-ロック"」
「れいとうパンチ。」
ヒカリがレックウザから離れたタイミングで、レックウザが攻撃を放とうとした瞬間、
ルーアは、すぐに"氷精の風"を放ち、ダメージを与え、視界を見えないようにして、
ヒカリは、風の音で聞こえないくらいの声で、時間を止め、レックウザは、風から
なんとか抜け出し、ヒカリに再び攻撃しようとしたが、ヒカリが時間を止めた時、
ヒカリとミュウが入れ換わり、時間を動かしたので、ミュウは、れいとうパンチで、
レックウザを押し返し、レックウザは、ルーアの"氷精の風"で、再びダメージを
受けた。
「りゅうのはどう。たつまき。」
「かみなり。"タイム-バックウィリング"」
レックウザは、りゅうのはどうとたつまきを、滅茶苦茶に放ち、なんとか"氷精の風"
を消失させた時、ヒカリは、かみなりを放ち、"タイム-バックウィリング"で、同じ
ことを繰り返させた。レックウザは、かわそうとしたが、ルーアが、風を使って、
動けないようにした。6、7発くらい当たった瞬間、レックウザは、ダメージと事態が
悪くなっていくことと、疑問が解消できずにいた不満と怒りが爆発した。
「.........たつまキ。」
レックウザは、最後の方の言葉がおかしくなりながらも、たつまきを滅茶苦茶に放ち、
風を弱め、脱出した。レックウザは、レックウザがいなくなった後も降るかみなりを
見て、口を開けた。
「ハカイコウセン。」
レックウザのはかいこうせんによって、かみなりは、消失した。ヒカリ達は、様子が
おかしくなり、目が怪しく光っているレックウザを見た。
「モウ、容赦セヌ!!今後コソ、終ワリダ!!ハカイコウセン!!!」
レックウザは、さらに、目を怪しく光らせながら、口を開け、これまでより、力を
溜め始めた。ヒカリ達は、それに動揺することなく、静かにレックウザを見ながら、
両手に力を込めた。すると、ヒカリ達の目が輝きながら、光り出し、纏っているオーラ
も、光を放っていた。ヒカリ達は、少し距離をとり、息を吸った。風が変わって
いった。それと同時に、レックウザのはかいこうせんが放たれた。
「"100万ボルト"!!」
「"波動砲"!!」
「"全風の舞"!!」
ヒカリの10万ボルトとエレキボールとかみなりを合わせ、さらに電撃が上がった
"100万ボルト"、ミュウのはどうだんと、世界中の波動を力にして、放出した
"波動砲"、ルーアの"氷精の風"と世界中で吹いている風を使った"全風の舞"が、
レックウザのはかいこうせんがぶつかり、押し合いになった。ぶつかり合いは、互角
だった。レックウザは、それを見て苛立ち、威力を上げた。ヒカリ達は、少しだけ後ろ
に押された。レックウザは、それを見て、さらに威力を上げた。ヒカリ達は、必死に
踏ん張っていた。
「........負けない!!オーラが力を貸してくれている!!時の能力を強くして、攻撃を
放って、攻撃が当たる直前まで、時を止められるようにしてくれた!!」
「......波動を高めて、ヒカリとルーアの身体能力や攻撃力を上げられるようにして
くれた!!世界中の波動から力を貸してくれられるようにしてくれた!!」
「.........風の力を強くしてくれた!!世界中で吹いている風の力を貸してもらえる
力をくれている!!」
「!?」
ヒカリ達は、必死に、身体中に力を込め、言った。次第に、ヒカリ達の方が上回り、
ヒカリ達の方が押してきて、レックウザは、上へと押し上げられていった。
「.........終わらないよ!!!」
「世界中が、力を貸してくれている!!!」
「......だから!!!私達は、あきらめない!!!」
「「「レックウザを助ける!!!」」」
ヒカリ達の声と同時に、レックウザのはかいこうせんが消失し、ヒカリ達の攻撃が、
レックウザに当たり、レックウザは、上に押し上げられていった。レックウザは、
どんどん上に上がっていき、宇宙にまで行き、隕石にぶつかった。その隕石は、
レックウザが降らした隕石だった。隕石は、レックウザとヒカリ達の攻撃にぶつかり
合い、ヒビができ、それが広がっていき、隕石は、粉々に壊れていった。隕石が壊れた
とほぼ同時に、ヒカリ達の攻撃は消え、レックウザは、ヒカリ達の攻撃と隕石にぶつか
った衝撃で気絶し、下に、天空の塔に向かって、落ちていった。
「い、隕石が壊れた。」
「レックウザは、気絶しているみたいね。」
「良かった。これで、大丈夫ね。」
ヒカリ達は、天空の塔から隕石が壊れ、レックウザが気絶しているところを見て、
ほっとしていた。それと同時に、ほっとしたのでか、能力の使い過ぎと戦いの疲れ
が原因なのか、ヒカリ達は、オーラが消え、瞳が元に戻ると、その場に倒れた。
ヒカリ達は、倒れる寸前まで見ていた空は、とても青く、天空の塔は、とても白く、
そして、レックウザは、黒色が消えていき、緑色に戻っていった。
(((本当に、良かった。)))
ヒカリ達は、レックウザの様子を見て、心の中で喜び、笑顔になっていた。そのまま、
ヒカリ達は、意識が遠くなっていた。