71話 黒い竜の真の力
さっきとは、姿が変わったレックウザは、空からヒカリ達を見下ろしていた。
「ねえ、ルーア。あれって、まさか.........」
「プテラの時の........................」
「...............メガシンカ。」
ヒカリ達は、レックウザを見ながら、ヒカリとミュウは、プテラのことを思い出し、
ルーアに聞き、ルーアは、静かに言い、ゆっくり頷いた。
「.........どうする?」
「さすがに、メガシンカをするなんて............」
「でも、ここで、あきらめるわけには、いかない!!」
ヒカリ達は、少し話し合い、お互いを見て、頷き合うと、動き始めた。
「エレキボール。」
「はどうだん。」
「シャドーボール。」
「.........たつまき。」
ヒカリ達が、一斉に攻撃すると、レックウザは、余裕そうに笑い、静かに攻撃を
放った。レックウザのたつまきは、ヒカリ達の攻撃を弾き返し、ヒカリ達の方に
向かっていた。
「"氷精の風"」
ルーアは、すぐに"氷精の風"を放ち、たつまきを止めようとしたが、たつまきは、勢い
を落とさず、そのまま、ルーアの"氷精の風"を消し去り、ヒカリ達の方に、向かった。
ヒカリ達は、あまりの威力に驚きながらも、その場から離れ、ぎりぎりかわした。
「......なんていう威力。プテラの時も、一気に強くなったけど、レックウザの方
が、比べようにもならないくらい、強くなっている。」
「どうしよう?」
「それでも、ここで、負けたら..................!?」
ルーアが、プテラの時のことを思い出し、軽く分析をして、ヒカリは、必死に考えて
いた。ミュウは、あきらめずに、レックウザに攻撃しようと一歩前に出た瞬間、
強風が襲ってきた。
「うう。」
「こ、これって..................」
「.........たつまき!?」
レックウザは、広範囲にたつまきを放ち、ヒカリ達は、たつまきに吹き飛ばされない
ように、必死に耐えていた。
「"氷精の風"」
ルーアは、"氷精の風"を放ち、たつまきを止めようとしたが、たつまきの風の勢いは
弱まることなく、"氷精の風"を消し去った。その様子を見て、レックウザは、笑みを
浮かべ、ヒカリ達に向かって、口を開けた。
「............はかいこうせん。」
「たつまきに耐えながら、攻撃しよう。10万ボルト。」
「サイコキネシス。」
「"氷精リーフ"」
レックウザが、はかいこうせんを放ったのを見て、ヒカリ達は、たつまきに耐え
ながら、攻撃を放った。
「ルーア、もしかして、3つ同時に攻撃を...............」
「ええ。兄さんとの喧嘩の騒動で考えたの。"ようせいリーフ"と"こごえるリーフ"が
できたのなら、ようせいのかぜとこごえるかぜとマジカルリーフを混ぜた技ができる
んじゃないかなと思って、考えていて、成功するかどうか、分からなかったから、
ほとんどかけだったけど、うまくいって良かった。」
ヒカリは、ルーアの技を見て、10万ボルトを放ちながら、思わず聞いた。ルーアも、
"氷精リーフ"を放ちながら、答えた。ヒカリ達の攻撃とレックウザのはかいこうせん
は、ほぼ互角だった。だが、レックウザは、笑みを浮かべ、まるで、勝つことを確信
しているようだった。ヒカリ達は、何かを待っているんじゃないかと、レックウザを
警戒しながら、攻撃を放っていた。すると、ルーアの攻撃が、一瞬弱まり、レックウザ
のはかいこうせんが、一気に押し上げた。ヒカリとミュウは、すぐにかわせたが、
ルーアだけは、かわせずにいた。ルーアは、必死に身体を動かそうとしたが、少しずつ
しか動けず、はかいこうせんが当たってしまった。ルーアは、少しずつ動けたことに
より、直撃は免れたが、はかいこうせんとたつまきで、後ろに吹き飛んで、倒れて
しまった。
「「ルーア!!」」
ヒカリとミュウは、ルーアの名前を呼びながら、倒れているルーアに掛け寄った。
ルーアは、ヒカリとミュウの声に反応し、ヒカリとミュウを見た。
「ごめんなさい。少し注意が逸れて、気づかなかったみたい。それにしても.......」
ルーアは、ヒカリとミュウに謝ると、ヒカリとミュウの後ろにいるレックウザを見た。
「まさか、たつまきと同時に、りゅうのはどうを放っていたなんて......たつまきの
風で、全然気づかなかった。」
「ほう。察しが早い。」
ルーアは、レックウザに向かって、推測を言い、レックウザは、ルーアの推測を、
素直に誉めた。
「つまり、レックウザは、あのたつまきの時に、りゅうのはどうを放って、たつまき
で、りゅうのはどうを動かし、絶好のタイミングで、当てられるようにして、私達
が、はかいこうせんに、攻撃を当てている隙に、りゅうのはどうを、ルーアに当て
たのね。レックウザが、笑みを浮かべていたのは、そのため...............
いや、もしかしたら、あの笑みも、わざと私達の注意を引くため............。」
「!!!」
「ハハハ。そのとおりだ。」
ヒカリは、ルーアとレックウザの会話で、予測したことを言い、ミュウも、ヒカリの
予測で気づき、レックウザは、笑いながら認めた。それと同時に、たつまきも、
止まった。
「りゅうのはどう。」
レックウザは、笑うのを止めると、まるで、星のような数のりゅうのはどうを放ち、
ヒカリ達を襲った。
「きあいパンチ。」
「10万ボルト。.........ミュウ!レックウザに、今、攻撃したらダメよ!!しっかり
作戦を考えないと!!」
ミュウは、きあいパンチで、りゅうのはどうを防ぎながら、レックウザの方に、向か
った。ヒカリは、倒れているルーアを守りながら、10万ボルトで、りゅうのはどうを
防いでいた。ヒカリは、レックウザの方に向かうミュウを見て、ミュウを止めようと
言った。しかし、ミュウは止まらず、レックウザの方に向かった。ミュウは、ついに
レックウザの前にきて、りゅうのはどうを跳ね返してきたきあいパンチを、そのまま
振り下ろした。
「りゅうのはどう。」
レックウザは、そんなミュウを見て、笑みを浮かべながら、りゅうのはどうを放った。
きあいパンチとりゅうのはどうが、ぶつかっている時、レックウザは、笑みを浮かべて
眺めていた時、後ろからはどうだんがきて、レックウザに当たった。それを見て、
ミュウは、一気にりゅうのはどうを跳ね返して、後ろに下がった。
「僕だって、考えたんだ。りゅうのはどうを、きあいパンチで防ぎながらも、はどう
だんを放ったんだ。」
ミュウは、少し胸を張りながら、言った。
「ミュウ!油断しちゃダメ!!」
「...............当たったが、威力不足だな。たつまき。」
ヒカリが、そう言った瞬間、レックウザが、静かに言い、たつまきを放ち、ミュウを
吹き飛ばした。ミュウは、壁にぶつかり、挟まって、動けなかった。
「.....................効いていない!?」
ミュウは、レックウザが無傷だったことに驚いていた。見ていたヒカリも、少しは
ダメージがあると思っていたが、全く効いていないことに、内心驚いていた。
「りゅうの...............」
「エレキボール。」
レックウザは、壁に挟まっているミュウに、追撃しようとした時、ヒカリが、エレキ
ボールを放ち、レックウザの動きを止めた。降ってきたりゅうのはどうがなくなった
ため、ヒカリは、ルーアから離れた。
「りゅうのはどう。」
「エレキボール。」
レックウザは、標的を、ミュウからヒカリに変え、攻撃を放った。ヒカリは、エレキ
ボールを放ち、りゅうのはどうとぶつかり、ヒカリは、慎重に、レックウザに近づ
いた。
(ルーアは、倒れている。ミュウは、壁に挟まって、動けない。レックウザには、
ミュウのはどうも、全く効いていなかった。.........このままだと負ける。
けど、一撃がダメなら、何回も......................................
まず、ミュウとルーアに、攻撃が当たらないように、離れないと............)
ヒカリは、内心、ミュウとルーアが戦うことができないため、すごく焦っていた。
それでも、落ち着いて、考えようと言い聞かせ、考えていた。
「たつまき。」
「10万ボルト。」
レックウザの放ったたつまきを、ヒカリは、10万ボルトを放つために溜める電気で、
たつまきを防ぎ、10万ボルトを放った。レックウザは、10万ボルトを、簡単そうに
かわした。ヒカリは、レックウザが、ミュウとルーアから離れたことに、ほっとしなが
ら、レックウザを見た。
「"タイム-ロック"」
ヒカリは、時間を止めて、レックウザの後ろにきた。少し距離をとって、尻尾に力を
こめて、レックウザに近づいた。
「アイアンテール。エレキボール。」
ヒカリは、アイアンテールの状態のまま、エレキボールを放とうと、電気を帯びている
尻尾を、勢い良く振り下ろした。
「10万ボルト。」
ヒカリは、そのまま10万ボルトを放ち、少しすると、レックウザから離れた。
「たつまき。」
「10万ボルト。"タイム-ロック"」
レックウザは、ヒカリが離れると、すぐにたつまきを放ち、ヒカリは、10万ボルト
で防ぎ、時間を止め、かわし、またレックウザに近づいた。
「アイアンテール。10万ボルト。」
ヒカリは、再びアイアンテールで、今後は、背中の辺りに当て、そのまま10万ボルト
を放った。しかし、レックウザを中心に、強風が吹き、ヒカリは、レックウザから
離れた。
「これは、......まさか...たつまき!?」
「そのとおり。......惜しかったな。はかいこうせん。」
ヒカリは、レックウザを中心とした強風の正体に気づき、レックウザは、それを肯定
しながら、はかいこうせんを放った。ヒカリは、はかいこうせんに直撃し、吹き飛ば
され、ミュウが挟まっている壁とは違う、別の壁にぶつかり、倒れた。
「ヒカリ!!......ヒカリとルーアを!!!」
ミュウは、何とか壁から出られ、ヒカリを見て、レックウザに向かって、走った。
「れいとうパンチ。」
ミュウは、れいとうパンチを放ち、レックウザに当てるか、りゅうのはどうを跳ね返
そうという勢いで、真っ直ぐに突っ込んできた。しかし、今のミュウは、無防備すぎ
だった。
「たつまき。」
レックウザは、ミュウに向かって、たつまきを放ち、ミュウのバランスを崩し、ミュウ
の後ろに回った。
「はかいこうせん。」
ミュウは、そのまま、はかいこうせんに直撃し、地面に叩きつけられ、倒れた。
レックウザは、ミュウが倒れるのを見ると、さらに、上に行き、ヒカリ達の様子を
眺めた。ヒカリ達は、ボロボロの状態で、それぞれ違うところに倒れていた。