69話 天空と竜
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次の日の朝早く、
「ヒカリ、ルーア、おはよう。」
「おはよう、ミュウ。いよいよね。」
「うん。いよいよだね。行こう!ヒカリ!ルーア!天空の塔へ!」
ヒカリ達は、昨日、準備をし、家に帰って、早めに寝た。しかし、ルーアは、運命の塔
では、忙しくなっているため、ヒカリの家に泊まった。ヒカリ達は、お互いに挨拶する
と、空を見上げた。
『準備は、できたか?これから、レックウザが住む天空の塔に送る。くれぐれも、気を
つけてな。』
「安心して、兄さん!必ず、レックウザを倒すから!!」
ライドは、ヒカリ達が空を見上げたと同時に話しかけ、ヒカリ達の身を心配した。
ルーアは、ライドに向かって、自信を持って言い、ルーアの言葉と同時に、ヒカリ達
は、光に包まれ、次の瞬間、ヒカリ達の姿が、その場から消えていた。
『本当に、気をつけろよ!』
ライドの声も、この言葉で、聞こえなくなった。
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天空の塔、
「あたた......。ここは、どこだろう?」
ミュウは、着地に失敗し、辺りを見渡しながら、言った。ヒカリは、少し着地に失敗
したが、ルーアは、綺麗に着地した。
「わっ!ヒカリ!ルーア!見て!凄い!ここ!雲の上だよ!」
「下もいいけど、上を見た方がいいよ。」
「えっ!?」
ミュウは、下を見ながら、興奮して、言った。ミュウは、下を見渡しながら歩いてい
た。ヒカリは、そんなミュウに、言った。ミュウは、ヒカリとルーアを見ると、ヒカリ
も、ルーアも、上を見上げていた。ミュウも、ヒカリとルーアと同じように、上を
見た。
「ああっ!」
ミュウは、思わず声を上げた。ヒカリ達が見たのは、雲が、竜巻のような感じの形を
したものだった。
「.........まるで、大きな雲の塔みたいね。」
「この一番高いところに......レックウザがいるんだね。」
ルーアが、率直に感想を言った。ヒカリは、塔の上のところを見ながら、言った。
「ヒカリ!ルーア!頑張っていこうね!」
「うん。」
「ええ。」
ミュウは、ヒカリとルーアを見て、元気良く言い、ヒカリとルーアは、ミュウの声で、
前を向き、ミュウに向かって、返事した。ヒカリ達は、天空の塔の中に入っていった。
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「雲が、ふわふわで、気持ち良さそうだね。」
「そうね。」
「まあ、確かに。」
ミュウは、周りにある雲を見ながら、言った。ヒカリとルーアも、分からなくないと
思いながら、頷いた。
「そこ、見晴らしが良さそうだけど、そこが、一番上かな?」
ミュウがそう言うと、一面、真っ白な雲だけの場所に出た。
「ここが......最上階なのかな?...」
「それらしいけど......。」
「レックウザがいない。」
ヒカリは、周りを見渡しながら、言った。ルーアも、周りを見渡し、警戒しながら、
言った。ミュウも、警戒し、いつでも攻撃できる態勢になっていた。
「......誰だ!?我が領空を侵すものは!?」
「今の声は.........もしかして、レックウザ?」
辺りが眩しく光ると、突然声が聞こえた。ヒカリ達は、辺りを見渡しながら、警戒して
いた。ヒカリは、聞こえるように、声の主に聞いた。
「いかにも。ここは、我が領空。すぐ、立ち去るが良い!」
「それが.......そうも言っていられないんですけど。」
声の主、レックウザは、返事をすると、帰らせようとした。ルーアは、声の主に聞こ
えるように、言った。
「ならん!!......ん!?お前達、プテラが言っていた、今まで、我の邪魔した者か。
お前達が、ここにいるということは、プテラも、操ったグラードンも、倒されたと
ということか。」
「!?」
レックウザは、叫ぶと同時に、何か考え、思い浮かび、言った。その言葉の後、上から
レックウザが降りてきた。ヒカリとミュウが攻撃態勢になっている中、ルーアは、何故
か凄く驚き、目を見開いていた。
「ルーア、どうしたの?」
「どうして.........レックウザが、こんなことする理由も、分からないけど、
それより、どうして、レックウザの身体は、緑色なのに、黒色になっているの!!」
「「!?」」
ヒカリは、ルーアの様子に気づき、ルーアに、声をかけたが、ルーアには、聞こえて
いないらしく、ルーアは、動揺しながら、言った。ヒカリとミュウも、ルーアの言葉に
驚き、レックウザを見た。目の前のレックウザは、全身が真っ黒で、緑色に見えなか
った。
「そんなこと、お前達には、関係ない!!邪魔をする者は、容赦せぬ!!覚悟しろっ!!」
レックウザの宣言と同時に、辺りが、また眩しく光った。
「行くぞ!たつまき。」
「...........ルーア!レックウザの身体が、元々は、緑色だったのは、本当なの?」
「本当よ。もしかしたら、身体が黒くなってしまったことと、レックウザが、こんな
ことをしたことは、関係があるかもしれない。」
レックウザのたつまきを、ヒカリ達は、ぎりぎりかわし、ヒカリは、レックウザのこと
を、ルーアに尋ねた。ルーアは、黒くなってしまったことと、今まで起こした理由と
関係があるのでは、という可能性を言った。
「ともかく、レックウザを倒した方がいいよね。サイコキネシス。」
「ようせいのかぜ。」
「10万ボルト。」
「たつまき。」
ミュウの言葉と同時に、ヒカリ達は、攻撃を放ち、レックウザは、たつまきを放った。
ヒカリ達の攻撃とレックウザのたつまきが、ぶつかりあった。
「やっぱり、伝説のポケモンは、強いね。」
「そうね。でも、隕石を止めるために、頑張らないと。エレキボール。」
「りゅうのはどう。」
ミュウは、レックウザのたつまきの威力を見て、二度目の伝説のポケモンの強さを
再確認した。ヒカリは、エレキボールを放つが、レックウザのりゅうのはどうで、
ぶつかりあった。
「かみなりパンチ。」
「こごえるかぜ。」
ヒカリのエレキボールとレックウザのりゅうのはどうが、ぶつかりあい、煙が上がった
瞬間、ミュウとルーアは動き、レックウザの左右にきて、攻撃を放った。
「たつまき。」
だが、ミュウとルーアの攻撃は、レックウザのたつまきによって、防御された。
「グラードンのようにいかない!」
「ええ。グラードンとは、違って、レックウザは、意識があるみたい。本当の意識なの
かは、分からないけど。」
ミュウは、悔しそうに、レックウザを見て、ルーアも、レックウザを見ながら、考えて
いた。
「確かに、そうね。10万ボルト。」
「"氷精の風"」
ヒカリは、頷きながら、攻撃した。ルーアも、ヒカリと同じように、攻撃し、ヒカリと
ルーアの攻撃は、広範囲に散らばり、レックウザに向かって、四方八方に別れた。
「効かぬ。たつまき。」
レックウザは、再びたつまきで、ヒカリとルーアの攻撃を防ぎ、防ぎ終わったことを
確認すると、たつまきを止めた時、
「はどうだん。」
ミュウが、レックウザの目の前で、はどうだんを放った。
「!?」
レックウザは、細長い身体を動かし、ぎりぎりかわした。
「思ったより、やるのお。」
レックウザは、ヒカリ達を見て、言った。