聞こえてくるんだ
「どうして助けてくれたんですか?」
取り敢えず一番の疑問を問い出す。そもそもこんな森になんで人が?
「これですよ。」
彼の見せてくれた携帯には、きめ細やかに出来事が綴られていた。まるで……
「君も持っていますよね?」
そう。自分の手帳と同じだ。
「僕の携帯は『行動予知』が付いています。行き先で起こる事をきめ細やかに予知する携帯。さて……行きましょうか?」
そう言うと森の中を突き進んでいく。自分はそれに着いてった。
そこで見たのは血まみれの死体の数々。中にはまだ息をしている人もいる様だが手帳を見ると�……
2:00 見知らぬポケモン死亡確認
この世界の生命体はポケモンと言うらしい。分かったことはこの時代は戦争らしい物が巻き起こっている事、そしてここで何らかの争いがあった事。の二つだ。
「さぁ、着きましたよ。」
多少大きい一軒家だ。彼に招きられ、家に入ると……
「おい!アラン!俺様の昼ごはん盗んだだろ!」
「あー?そうかも知れません。」
「まじぶっ壊すぞ!」
2:15 アランとゾロアが口喧嘩
……ゾロア?この子狐の事かな?まぁまぁ可愛らしい事。
ガチャ
「ただいまー。ってあれ?誰だ?」
「お帰りなさい。ロン」
ロンと言われた男性は「ただいま」ともう一度言う。手帳で確認すると『エモンガ』という種族らしい。
因みにゾロアの名前はカム。十歳らしい。他にもまだ同居人が居るらしく、その人達の分もアランさんと料理を作ることになった。
ただ、その調理法がカオスだった。
「何作りましょう」
「……ハヤシライスにしましょう!」
そういった瞬間、具材を鍋に適当に放り投げた。そしてそのまま火を付けた。
え?水入れてませんよね?そもそも具材切ってませんよね?
しかし、できたのはとても美味しそうなハヤシライスだった。解せぬ。アランさんによると
『聞こえてくるんだ……野菜たちがどう調理して欲しいかってね……』
もう一度言おう。解せぬ