前編
わたしはロコン。
このお屋敷でご主人と暮らしているの!
エーフィとルナトーンも一緒なんだよ!
ご主人は優しいんだよ。
捨てられていたわたしを助けてくれたんだ!
だからわたし、ご主人が大好きなの。
ご主人はよく昔の話をしてくれる。
エーフィたちと“でんどーいり”っていうのをしたこととか、いろいろね。
でも、今日のご主人はなんか変なんだ。
ご主人だけじゃない、エーフィもルナトーンも変なんだ。
エーフィはとても寂しそうだし、ルナトーンはいつも以上に無口だし…。
なんでだろう?
わたしはご主人をジィーッとみることにした。
「どうしたんだい、ロコン?」
ねえ、ご主人顔が真っ青だよ?
ねえどうしてつらそうなの?
その時
ドサッ
ご主人が倒れた。
ご主人は”びょーいん”っていうところにつれて行かれた。
『ねえ、エーフィ。ご主人いつ帰ってくるかな?』
『……。』
エーフィは何もこたえなかった。
でもエーフィの目からポタポタと涙が出ているのか分かった。
『エーフィ…?』
あ、そっか!
エーフィもご主人が帰ってこなくて寂しいんだ!
きっと、ご主人が帰って来たら元気になるよね!!
『ねぇ、ルナトーンご主人はいt『ゴ主人ハ帰ッテ来ナイ…。』…え?』
何を言ってるの?
帰ってくるよ!
だって…―
『ご主人は“びょーいん”に言ったんだよ!帰ってくるよ!』
『ロコン、あのねご主人はルナトーンの言った通り帰って来ないのよ。』
『エーフィも何言ってるの…?絶対帰ってくるよ!』
『…いい?私たちには寿命というものが存在するの。それは人間にもあるものなの。寿命が尽きれば人もポケモンも死んでしまうの。』
『しぬって何?』
『…遠く、帰って来れないところまで行ってしまうことよ。』
『どうしてそんなことがわかるの!?』
『私たちエスパータイプには未来予知の力があるの。それは“死”を見ることも出来るの。』
『うそでしょ?』
『…。』
わたしね知ってるんだよ。
エーフィがだまるときは本当のことを言ってるときだって。
『でもね、その人のことを忘れない人がいたらその人はまだ生きているのよ。』
『え?』
『心の中で生きてるのよ。だから、ロコン。ご主人のことを忘れないでね…。』
『うん。』
わすれないよ。
ぜったい。
『わすれない。』
その時流れ星が一つ流れた。