07 謙虚なナイトとわたひつじ
ゲッコウガがアワレにも倒されたことでアギルダーは冷静さを失ったらしい
「勝ったと思うなよ・・・」ときたが既に詰んでいることをわかってないらしかった
「もう勝負ついてるから」と俺が言うのも聞かずに
トリックルームの効果が消え去ったタイミングを見計らい苦しそうにしているエルフーンを引きずり起こした
「今度はトリックルームなど使わせんぞ…少しでも動けばこいつの口に直に毒を流し込んでやる
さあニョロトノ 不死への鍵が目の前に転がっているのだ シュバルゴからそれを奪って私のもとへ持ってこい
…何をしている早くしろ!」とか必死に叫んでいた
「往生際が悪すぎだよ 不死を求める奴らはろくでもない連中ばかりだ
自分の事しか頭にないらしい 言っておくけどお前の毒で私は殺せな……うぐっ…」
冷ややかな目でエルフーンに言われた台詞にアギルダーは逆上した
「黙れ……黙れ黙れだまれ! そんなに溶解液を流し込まれたいのか
薬の調合に成功すれば私は寿命という制限から解き放たれた存在になれる
…ニョロトノ 何をして…」
俺はあまりにも見苦しくなってきたんでさっさと引き裂いて終わらせようと思ったんだが
目を覚ましたばかりのニョロトノが身体を震わせながら
「こんな恐ろしいい敵を作りたくないので僕はあやまりますごめんなさい
他の人も早く謝るべき死にたくないなら謝るべき
ごめんなさい瀕死になりたくないんです」とか言ってきたので気が変わった
「ほうお前はなかなか解っている様だな俺を強いと感じてしまってるやつは本能的に長寿タイプ
命は助けてやる俺は優しいからなアギルダーにも伝えてやるべき」
「hai!!アギルダーさんも早く謝ってください!
まだ僕は死にたくないんです!!瀕死が怖いんです!
僕の頑張った時間を奪わないで下さい!ここで謝らなかったらアギルダーさん本当にやられてしまいますよ」
ニョロトノががんばって上司を説得しようとしてたがアギルダーにはまるで届いていないようだった
「…黙れこの忌々しい役立たずめ もういいお前は用済みだ
貴様らに要求を無視するとどうなるかわからせてやる」
「早く謝ってください!シュバルゴさんには人質きかない!
僕は絶望的な戦いはしたくないです
必死に逃げてもとんずらされて後ろから切られたくないです!はやくあやまっテ!!」
どす黒い液体が口に注がれエルフーンの体はジュウジュウという音と共に焼け焦げていったが
次の瞬間に軽い破裂音と共にエルフーンの姿は消えてしまった
いくら素早さがあってももうどこにも逃げられない
それがエルフーンの身代わりと気づかないまま綿胞子の網で拘束されている始末
アギルダーの敗北は随分と前から確定していた