二小節目 プクリンギルド
「おはよーっ!テナッ!アルトッ!」
「おはよう、アリア。」
「うるさい。アリア。」
各々がアリアに返事をする。
「テナったら冷たい!アルトはちゃんと返事してくれたよ?おはようくらい言おうよぉー!」
「はいはい、おはよう。」
「わあっ!?何その心の無いおはよう!?もっと感情こめてっ!」
「オハヨウ」
「なっ!?」
朝から元気なアチャモはアリア。そしてクールなのがツタージャのテナ。
昨日、海辺で倒れていた所を助けてもらった。
尚、僕は記憶喪失である。
覚えていることは、名前。そして、僕は人間だった、ということ。
「どうした?アルト。顔が曇ってるぞ?」
「あ。本トだー」
「ん?あぁ、ごめんね。…で、ギルドに弟子入りするんだっけ?早く行こうよ…って
…どうしたの?」
「あぁ、アルト。まぁ、ギルドの前に行ってみてくれ。」
「え?あぁ、うん。」
なんだか、二人が渋っているので。
とりあえずギルドの前に行き、立ってみる。
すると!
「来客だぁっ!」
「誰の足形?誰の足形?」
「うーんー…。」
「うーんー…。」
下から声が聞こえてくる。
そうか。足形で入る人とかを識別してるんだなー。
なかなかかんがえられたものだ。
「どうしたぁっ!?早くしろぉぉぉぉ!」
「えぇっ!?あ、はいぃぃっ!誰の足形っ!?」
遠くから聞こえた声に急いで確認している。
頑張れ。僕はリオルだ。
にしても、リオルって珍しいのか?
「ええと…。多分リオル!多分リオル!」
「多分って何だ!?まぁ、いい。俺が行く」
えっ!だれか来んの!?
あの二人、どうしよう?とりあえず、連れてこよっか。
「アリア!テナ!行けたよー!誰か来るみたいだから、早くして!」
「えっ!?アルト、あれ行けたの!?」
「だから、あれは普通に出来るんだよ、誰でも。お前がビビりなだけなんだよ。全く。」
「もうっ、テナもビビりビビり言わないで!わ、私も頑張って…るんだから…っうぐっ」
「あぁっ!もう泣くなって…。」
テナが泣きそうなアリアの手を引いて覗き穴の近くまで寄ってきた。
そこへー。
「お前が?さっきそこに立ったのは。何用だ?」
「ええと、ギルドに弟子入りしに来ました。この二人と共に。」
「ほぉ、そうか。なら、ついてこい。」
青くて、耳みたいなのがメガホンのような構造になっているポケモンに連れられて、地下2階までやってきた。
「ここが親方さまの部屋だ。ホルト、後は頼んだぞ」
ホルトと呼ばれたポケモンはペラップというポケモン。
おしゃべりが得意だとかなんとか。
「ええと。お前たち、弟子入りに来たんだって?面白い奴等だな。では、早速親方様に挨拶に行こう。」
意外にあっさり行けた。
「親方様。弟子入り志願のポケモンが三匹来ました。入りますよ…」
「「「失礼します」」」
「…」
親方様から返事は無い。
まぁ、進もう。
「親方様?…。親方様ぁー。…。ハァ…。プリル様っ!」
「うるっさいぁ!ホルト。少しは黙れないのかい?」
先程まで置物の様に動かなかったオヤカタサマは俊敏に動くようになっていた。
「話は大体聞いたよー。僕はプリル。このプクリンギルドの長だよー。さて、君たちは?」
「僕はアルトです。このアチャモがアリアでツタージャがテナです。」
「へぇ。アルトにアリア、それからテナだね♪よろしく!
でねでねー。君達チームなら、チーム名決めなきゃ。何か案あるー?」
「それならね。私、ポケモンズが良いと思うんだ。シンプル、だし。ね?」
「良いじゃないか!」という声が僕とテナから上がったので即決。
「よしっ!じゃあチーム名はポケモンズ…と。よしっ登録完了。さて、次々ー!」
プリルは次々と色々な物を出してくる。
「じゃあ、順に説明してくね〜♪まず、探検隊バッグだっけか?まぁいーや。これには色んな物が入る優れものバッグなんだぁ〜♪君たちの働きによって大きくなったりする不思議なバッグなんだよぉ〜♪で、このリボンとスカーフは君たちに、贈り物だよ♪青いリボンはアリアね。朱色のスカーフはアルト。若草色のスカーフはテナだよ〜♪…うんうん!よく似合ってるよ♪」
それぞれ首に結んだりする。
アリアのリボンも可愛い。
テナのスカーフもよく似合っている。
「じゃあ、後はホルト、頼んだよ。空いてる弟子部屋をこの子達の部屋にすればいい。じゃあ、よろしく頼んだよ〜♪」
「ゴホン。では、ポケモンズの諸君。ついてきたまえ。」
ということで、僕たちはホルトについていった。
「ここだ。」
少し歩くと大きめの部屋に出た。大きめと言っても3つの藁のベッドがある、シンプルな部屋だ。
ごめんなさい。大きめじゃないです、ハイ。
「ここで寝泊まりしてもらう。ここは自由に使ってくれ。明日から活動を開始するから、今日は体を休めるといい。」
「うんっ♪ありがとね、ホルト」
「馴れ馴れし過ぎるぞ、アリア。」
「ごめんなさいって、ホルト。」
ちょっとからかうようにテナもホルトと呼び捨てにする。
「あぁ、もううるさぁい!黙ってろ、お前たち。くれぐれも迷惑を掛けるなよ、じゃあなっ!」
ホルトが怒った様子で退室。
これはやり過ぎじゃあないか?
ま、いっか。
ホルトが退室して、すぐに僕は振り返った。
後ろを見れば、ふかふかの藁。
これはダイブせねば…!
ーダーイブッ!ー
あぁ、子供っぽい動きだ。
でも、やらずにはいられないのだよ…!
ふかふかした藁に意識を向けていると、次第に微睡んでしまい。
いつの間にか僕は爆睡していたー。
僕は夢を見た。
でっかいポケモンが、自分に襲い掛かってくる、そんな恐ろしい夢。
そのポケモンは…。何故か記憶がある。
これは、確かー!
時を司りしポケモンー。
名はディアルガー。