緊急ソーナンス
〜〜〜
ザッ、ザッ、ザッ、
くそっ、ふざけんなよ
あのオニドリルはオレが捕まえてやるつもりだったのに!
おいっ!
おまえがもたもたしてるからだぞ!
ったく、親父のバクフーンの子だってのに…、
あー、ムシャクシャする!
おぃ、ヒノアラシ!
火の粉まき散らせ!
心配すんなよ、山火事なんて起きねーから
ヒ…ヒノーッッ!
はぁ、ちょっとすっきりした
行くぞ、ヒノアラシ!
パチパチパチ… ボオッ!!
………!!!?
ソーーーーーナンスッッ!!
〜〜〜
夜
「ほぅ、ロケット団がまた不穏な動きを見せておるのか。最近めっきり姿を見せとらんかったが…」
「はい、ですが今のところ、どの街にもそれらしい影は見あたらりません。コガネのラジオ塔にもチョウジにも足を運びましたが、それらしい形跡は全く…」
「その情報はどこから…?」
「カリンと、従妹のイブキです」
「そうか、ならば確かな話じゃろうて…」
「このあたりにはジムもありませんし、もしもの事があれば僕もハヤトも駆けつけるのは難しいでしょう。ですから、和尚にご一報を差し上げて、警戒して頂きたいと考えて…」
爺ちゃんは深いため息をついて、不服そうに唸った。
「じゃが、わしはもう年じゃからのぅ。おぬしにとて到底かなわんわぃ」
「何を言うんですか和尚、そこを何とか!」
「いや、ワシには荷が重い」
「爺ちゃん!僕からもお願い」「いやいや、リクがもっと強くなって、守ってくれればええんじゃわ」
(和尚!)
「うーん、リオくんの頼みとて…」
「お義父さん…」
「いや、やっぱり駄目じゃ…」
「…そうですか、それでは他を当たり…」
「分かった!そこまで言うなら引き受けようぞ!」
「」
「かっかっかっ、冗談じゃ。初めから引き受ける気じゃよ。お前にもまだまだ負けとられんしのぅ」
「良かった、ありがとうございます!」
ロケット団…。
久しぶりに聞いたな、その言葉。
修行を始めた頃は、たまにテレビで"ロケット団、××に現る!"とか言って騒がれてたけれども、今はめっきり聞かない。
ワタルさんが帰ってきたのも、それを爺ちゃんに伝える為だったのか。
「とりあえず、そんな急にはあやつらも目立った動きは見せんじゃろうて。ご苦労じゃな、ワタル」