2つの転機
和尚とソーナノ 2


「あっ、これって僕に挑戦して下さった時の写真ですか?」
「そうよ〜。チャンピオンに勝ったー!ってのが嬉しくて、まだ取ってあるのよね」

「母さん、ワタルさんに挑んだことあるの?」
「あるのよ〜、一度だけね」
「へぇ、勝ったの?」


「言ってなかったっけ?これ殿堂入りした時の写真だから、チャンピオンに勝ったっていう証拠なの〜。凄いでしょ!」
「当時のお母さんはとにかく真っ直ぐな方だったからね。戦い方にも如実にそれが出ていたよ。ねっ、アズミさん」
「いやねぇ、そんな昔の話しないでよ照れるじゃない…。それより皆、何か食べるかしら?」
「僕は二階に荷物置いてくるよ。饅頭無かったっけ?」
「うん、それ出すつもり。ワタルさんはそれでいいかしら?」「はい、ありがとうございます」
(ぼくも、よろしくです)

了解、と皆に一瞥をくれると、母は冷蔵庫に向かい、ワタルさんはマントを外して腰掛けた。

僕とリクは二階に上がり、部屋の戸を開け…

「ソオオォォォォナノッ!」

どすっ

「うっ!?」

急にリクの腹に、青い固まりが突撃してきた。んっ?…しかも部屋の中には誰かがいる。

「おりょ、リオくんか、久しぶりよのぉ…。随分逞しくなりおって。進化したのか、おめでとう」

あれ、ベッドに腰掛けているのは、ソーナンス顔の…

「リクヒトよの、ちと修行が足らんのじゃなかろうかぃ。かっかっかっ!」

「ってて、爺ちゃん、ここ俺の部屋ー(…顔、似なくて良かった)」


そう、彼がゼンギ和尚だ。



「ごめんなさいね、すっかり言うの忘れてたわ、お義父さんが来てるって」
「あーぁ、びっくりした。扉開けたら即ソーナノタックルだもん」
「お久しぶりです、和尚」
「なんじゃ、ワタルも来とったんかいな。わしに会いたくて寂しくなったんか?」
「ソーーーナノっ??」
「まぁ、そんな所です(笑)」

「さっきお寺に寄ったのに、爺ちゃん居なかったから。入れ違いだったのかな?」
「わしゃ知らんて。ここに来たのもついさっきじゃわい」
「やだ、お義父さん。もう長いこと経ってますよ。さっきってことは無いでしょう」
「和尚…」
「つまらん嘘を…」
「いやいや、そんな事ない。確かについ先程…なんじゃワタルその目は〜!」


類似 ( 2014/02/07(金) 18:33 )