和尚とソーナノ
家に帰ってきた。
お母さんは洗濯物の事で僕に文句を言うつもりだったみたいだけど、先程と違う僕の姿を見て、そのインパクトに押され忘れてしまったみたいだ。
ガチャッ
「リオちゃん!あなた洗濯物の事すっかり忘……れれ?」
(只今帰りました、お母さん)
「えっ!?あなた進化しちゃったの!? そんな突然あたし、もう驚いたじゃないの。あーびっく…っっって!ワタルさんじゃない!ちょ、ま、何でまた突然!? やだちょっと家片付けてないのに!」
「ちょ、母さんはしゃぎ過ぎ…」
「すみません、突然お邪魔してしまって」
「いやいやいやいやい〜のよ!こんな狭苦しい家で良かったらあがってちょうだいな」
「狭苦しいて…母さん」
あり、僕への絡み終了?
…まぁ、いいや。
母さんワタルさんをえらくお気に入りだったもんね。
「狭苦しいなんてとんでもない。あがらせていただきます。」「はい、どうぞどうぞ!リクもリオちゃんも、ほら、早くあがりなさいな!」
「へーい」
(はーい)
先程の勝負がどうなったかというと、 勿論僕らの負けだった。
確かに進化したとは言っても、ヘトヘトの状態でカイリュウさんに勝てる筈がなかった。
火炎放射一撃で気を失い、気づけばカイリュウさんの腕の中で帰路の途中、ってわけ。
でも、得られたものもある。
相性や特性をきちんと生かした戦いをしなければ、いくらタクティクスが秀でていたって勝つことはやはり難しい。それを分かったからか、丁度新しい技を手に入れることが出来たみたいだ。
手を宙で握ると、骨型の固まりがうっすら出現するのが何よりの証拠。
後は…身長が伸びた事かな?
前はリクの腰にも満たなかった目線が、今はへその辺りくらいにまで。
でも、中身は変わっていないから、それ以外は今まで通り"リオ"のままだ。リクもしっかり分かってくれているみたいで嬉しい。