光に照らされ 2
「破壊光線!」
「バォォァァァァァ…!」
やはり!
僕はとっさにリオに叫んだ!
「リオっ!電光石火で懐に潜り込めっ!!」
「ガアァァァァッッ!!」
予想通り…!
眩く太い光の帯はリオの真上をかすめ、リオはそのままカイリュウの足下へ!
「そのまま波動弾!!」
(ッラァァァ!!)
リオ放った光の球は、カイリュウの胸の真ん中に直撃している!
…勢いは死んでない、ならば
「そのまま押し込めぇぇ!」
「甘いっ!」
「バウガッッ!」
(くっっ!)
自分の体を大振りに動かして、カイリュウは波動弾を振りはなった。同時に尾がリオに直撃し、リオの体が宙に浮く!
「しまっ…!」
「ガァァァァ!」
空中で逃げる術のないリオに、カイリュウの破壊光線が直撃してしまった!
(あああああぁぁぁぁ!!)
…砂埃は収まってきたが、
強力な破壊光線を腹に食らったリオはふき飛ばされ、轟音と共に土煙を舞わせて見えなくなった。
「あっ…、リ、リオっ!?」
「だからいつも言っていただろう。どれだけベストなポジションで技をぶつけたとしても、相性が悪ければ意味が無いんだと」
リオは…無事なのか?
砂埃の中に駆け出すが、その小さい体は見当たらない。
「まして、俺のカイリュウとのレベルの違いは十分にわかっていると思っていたが、どうしてかくとうわz…」
やかましい
やっと見つけたリオは、巨木の間に横たわっていた。目は開かない。 …どうしよう。
勿論、分かっていた。
リオの技は、その半分が格闘の攻撃技だ。電光石火で立ち向かう以外は、飛行ドラゴンの相手にはどうしても半減してしまうというのも承知の上だ。
でも、それでも頭のどこかには、もしかしたら…、という思いがあった。
リオを抱きかかえようとするが、悔しさで手が震え、上手くできない。ワタルさんはまだ説教をたれているが、微かに声が聞こえるだけ。
これは僕の落ち度だ。高をくくっていたからだ。
確かにリオ相手に相変わらずゴリゴリのカイリュウなんぞ出して、破壊光線かましてくるのもどうか、だが。 いや、
完全に、僕のせ…、
(…違う)