森にて 3
今日もそんな調子で座禅を組んでい…、
「わーっ!! わっー!!! わっー!!!」
おっと、向こうの木の裏手から短パンに赤キャップの少年がかけてくる。
2人は、…失笑
この辺りに人がやってくるのは珍しいのだが、それでも興味本位の研究者やレンジャーくらいだ。
短パン小僧。
なぜ そんなに騒いでいる。
2人は更にあることに目が釘付けになった。
の、ノースリーブ……。
この山中で、
短パン一丁で、
ノースリーブ…
2人が文字通り"絶句"していると、その小僧は涙目でリクヒトに助けを求めてきた。
「やっ、ヤバいよ!お前も早く逃げないと」
「えっ、何かありましたか」
「何か じゃねーよ!はやくしねーと」
「カァァァオァ!!」
「??」
「まっ、まずい」
(彼は……)
小僧の後を追ってきたのは、リクヒトの背丈を優に越した、
鋭い眼光の、オニドリルだった