リクヒトリオ - 18歳
日課

今日もお母さんはご機嫌。
リクもご機嫌。

この家に来てから、そんな日を数えるようになった。
たぶん五年くらいかな。

僕の名はリオ。
リオルだから、リオらしい。
リクという人間に拾われてから、ここでずっと生活している。
本名はリクヒトと言うらしいけれど、大抵はリク。

拾ってくれた日のことは未だに忘れない。赤い夕焼け、映える黒雲、空を舞うヤミカラス。

でも

拾われる前のことは 分からない
辛うじて思い出せるのは、夕日、雨、そして薄暗い洞窟と、

何かの石。

いまでも朧にしか記憶にないけども、それでもリクの顔はしっかりと目に焼き付いている。

彼は僕の恩人。
その恩人に助けられて、その恩人の家に住み着いたってわけ。

ここの家族は元々4人らしかった。
リクの姉は旅に出かけて、父は未だにどこで何しているかが分からないそうだ。

ここで僕は、リクと共に働きながら、いろいろ学びながら、そして修行しながら過ごしている。

勿論、家の手伝いもきちんとしている。せめてもの恩返し。


と、朝食を終えたリクは席を立ち、部屋に向かう。

鏡のようなシンクへ皿を運び、僕も後を追う。


今日は"山"の日。

3日に一度はむかう、
家から少し離れた、
若葉寺の近くの、

そして、僕らが出会った

"ワカバタウン"のはずれ森に。



類似 ( 2014/01/28(火) 08:19 )