18歳
起床

〜〜〜



「リクー、そろそろ起きなさい!」


んんん、眠たい。

母にまた起こされてしまった。
軽く布団を退かせて、手のひらで右目を擦る。どうも朝の寝覚めは良くない体質らしい。温もりが名残惜しくて、布団をまた引き寄せる。

窓の外からはすでに斜めがけに日が射し込み、すっきりと整然された赤と白の玉を淡く照らしている。今はまだ冬の抜けていない春手前である。


と、すぐ隣から小さな寝息が聞こえてくる。
彼は未だに母の呼びかけに全く動く気配を見せないようだ。いつもの事ながら気持ちよさそうに夢の中にいる。

そう
いつもと同じ朝の、いつもと同じ風景。



リクヒト これが僕の名前
そして彼は リオ


リオルだから リオ

昔学校でいろいろと習ったのだけども、未だに"ポケモン"とは何なのかが掴めない。
彼は家族同然の存在である。

それに、なぜか彼は喋るし。

「ふああぁぁぁぁ」

リオも目が覚めたようだ。そりゃそうだ、布団剥いだんだから寒いわな。

「おはよー」
(おはよう)

一日は、ここから始まる。



類似 ( 2014/01/26(日) 22:52 )