起床
〜〜〜
「リクー、そろそろ起きなさい!」
んんん、眠たい。
母にまた起こされてしまった。
軽く布団を退かせて、手のひらで右目を擦る。どうも朝の寝覚めは良くない体質らしい。温もりが名残惜しくて、布団をまた引き寄せる。
窓の外からはすでに斜めがけに日が射し込み、すっきりと整然された赤と白の玉を淡く照らしている。今はまだ冬の抜けていない春手前である。
と、すぐ隣から小さな寝息が聞こえてくる。
彼は未だに母の呼びかけに全く動く気配を見せないようだ。いつもの事ながら気持ちよさそうに夢の中にいる。
そう
いつもと同じ朝の、いつもと同じ風景。
リクヒト これが僕の名前
そして彼は リオ
リオルだから リオ
昔学校でいろいろと習ったのだけども、未だに"ポケモン"とは何なのかが掴めない。
彼は家族同然の存在である。
それに、なぜか彼は喋るし。
「ふああぁぁぁぁ」
リオも目が覚めたようだ。そりゃそうだ、布団剥いだんだから寒いわな。
「おはよー」
(おはよう)
一日は、ここから始まる。