スズメから龍 2
「バオオォォォォ」
カッ!!
右から白色の光線が発され、オニドリルに直撃した。
羽の付け根の部分にしっかりと破壊光線を食らったオニドリルは、
「ガァァッ、カカカカカ」
と、ほんの一瞬耐える兆しを見せたが、左の木々へと背中からぶつかっていった。衝撃で木は倒れ、オニドリルをそのまま押し倒してしまった。
え、助かった?
今のは一体…
光線の発射された方を見やると、そこからは、一匹のカイリュウと男が1人。
「危ないところだったね、君のプリンかい?」
「えっ、あ、はい」
「弱っているね。急いで回復させた方が良いな。応急措置はしておくから、急いで近くのポケモンセンターに連れて行ってあげなさい」
「は、はい!」
彼は手早く傷薬を使い、オニドリルの元へ駆け寄っていく。幸い気を失っているみたいだ。
すると、
「あのう…」
短パンが振り返り、戻ってきた。
「あ、ワタルさんですよね…?チャンピオンの」
「あぁ、そうだよ」
彼は首を傾けてこちらを見た。
そうだ、
彼は、この地方のポケモントレーナーのチャンピオンであり、
祖父の弟子だった ワタルさんだ。