18歳
スズメから龍

いや、あり得んでしょ。
よりによってこの森に、こんな強面の奴が紛れ込んでくるなんて。
目の前の状況がまだ把握しきれていない。確か短パンのノースリーブが走ってきて…、

そうか、妙にオニスズメが沢山飛んでいると思ったら、こいつが居たからか。
どっから来た、コイツ。

「おいっ、ヤバいよどうする!?」
「とりあえず、追い払うしかないでしょ」
「あ、あぁ、そうか。それしかないな。よし、いけっ!プリン!」
「プリルリルリィッ」

???
あぁ、そうか
追い払うと言ったらポケモン勝負だもんな。
どうしようか。
こんな状況、今までにないけど。

リオ いけるか?
僕は目線で合図を送る。

リオも頷く。

僕らは基本、人前では話さない。こう言うときは目線で全て示し合わせることができる。

とにかく今は、この突然の来訪者からこの場所を守らないと。

「プリン! 歌うだ!」
「リオ!波動弾!」

「クカクァァァァ」

小僧のプリンの歌声は、オニドリルの雄叫びにかき消されてしまい、

「プリッッ!」
「あっ!プリン!」

リオの放った波動弾は、オニドリルの手前できびすを返して真っ直ぐプリンに当たってしまった。

「鸚鵡返しか!!?」
「なっ、何やってんだよ!」
「ご、ごめん」

予備知識が役に立ったのは幸いと言うべきか。いや、
プリンはそのまま倒れて、オニドリルは間髪入れずリオに向かって突っ込んできた!

「ドリルくちばし…!リオっ、電光石火でかわすんだ!」

リオは必死に避けようとするが、相手の方が素早く、逃げられない。

「やめろっ!!」

そう叫んだ 次の瞬間。



類似 ( 2014/01/30(木) 11:05 )