ツインアタック
グラエナ戦から2日後・・・なぜか最近隊員が仕事に行ったっきり帰って来なくなると言う事が多発していたらしい。しかし依頼主からはお礼の手紙などが来ているため依頼は達成されている見たいだ。
しかも今日僕たちは依頼主に頼まれ盗賊退治に向かっている。
「・・・あまりにも簡単すぎる」
相手の盗賊も本当に盗賊なのか?と思う程あっけなく逃げて行った。問題はここからだ。今まで消えた隊員は依頼は達成している。何かあるとしたこれからだ。
「おかげで助かりました。ギルドの皆さんには本当に感謝しております」
依頼主のニャオニクス♀は微笑みながらお礼を言った。
「では僕達はギルドに帰ります」
しかしもう隊員が消えるような事はもう起りそうにない・・・
「ねえリア、今日の依頼は何かおかしくなかった?」
「う〜ん、ただ盗賊が大した相手じゃなかっただけかもね」
「そうなのかな・・・・きゃあっ!」
突然ブイの動きが止まった。
「体が・・・・しびれ・・・ううっ」
「なんで急に・・・クラボの実をさがしてくるね・・・いっ!?ぎゃあっ!」
突然リアの体が宙に浮いたかと思うと勢いよく地面に叩き付けられた。
「くっ・・・一体何がどうなってるんだ?」
「サイコキネシスを受けて立ち上がれるなんてね、少し驚いたわ」
謎の攻撃はすべて依頼主のニャオニクス♀によるものだった。リアとブイは驚きが隠せないようだった。
「なんであなたが?・・・まさか他の隊員もあなたが」
「ふふ、これから消えるあなたが知る必要はないわ」
「そんな簡単に消えてたまるか、でんこうせっか!」
リアは物凄いスピードでニャオニクス♀に迫った。しかしニャオニクス♀は避けるそぶりすら見せなかった。
「な・・・何が!?」
リアの攻撃は当たることはなく、何か固い壁のような物にぶつかった。
「リフレクターのお味はいかがかな?」
先程ぶつかった壁は隠れていたニャオニクス♂のリフレクターだったようだ。
「私達もペアで戦うの、だからあなたに勝ち目はないわ、そこのイーブイはでんじはで動く事すらできないし・・・サイコキネシス」
再びリアの体が宙に浮きかなり高くまで持ち上げられた。
「さて、この高さから地面に叩き付けるとあなたはどうなるか楽しみ」
再びリアは地面に叩き付けられた。今度はかなりのダメージをうけたようで足がふらついていた。
「リア!…誰か、誰でもいいです、リアを助けて」
「無駄よ、あなた達の仲間は来ないわ」
しかしこの戦いの場にこの四匹以外にある乱入者が居た。
(くっ!なんだあいつらは!?あのリアが一方的にやられやがる)
この乱入者はあの時リアにやられたグラエナ、名前はグランと言う。リアの隙をついて攻撃を仕掛けようとして後をつけていたらこの状況になってしまっていた。
(どうする?リアを助けるか?しかしあいつと俺は敵同士だ)
「さてこれで決めてあげる。サイコキネシス!」
リアは先程よりも高く持ち上げられた。おそらくこれを食らってはもう立ち上がれないだろう。
(あんなの食らったら死んじまう。くっ!しょうがねえっ!)
「お前らこのグラン様が叩きのめしてやる!」
「なっ!仲間がいたのか!くっ!」
グランはニャオニクス♀にだましうちを当てた。次の瞬間リアを持ち上げていたサイコキネシスの力が消えリアは落下し始めた。
「やばい!間に合えっ!」
グランは間一髪の所でリアを背中で受け止めた。
「リア、特別に協力してやるよ。感謝しな!」
「・・・お前本当に悪い奴なのか?まあいいや、いくぞ!」
そうはいったもののリアはすでに限界が近かった。
「グラエナか・・・面倒な奴だな。マジカルリーフ!」
不思議な力の宿った葉っぱがリア達に向かって飛んでいった。二匹とも避けようと素早く動いたがはっぱは二匹の後を追跡してきた。
「避けられない・・・ぐうっ!」
「リア!くそっ!」
「無駄だ、マジカルリーフは避けられん」
ニャオニクス♀の言う通り、避けても避けても追跡してくるので回避行動は意味がなかった。
「俺に言い考えがある。これなら多分うまくいくはずだ。俺の言う通りに動いてくれ」
「・・・・任せて、失敗はしない」
「作戦など意味がない、避けられないのだから!マジカルリーフ!」
再び葉っぱが舞い上がり今度はリアだけに向かって飛んで行った。
(・・・失敗したら大変だな・・・来た!)
「また避けるのか無駄なことを・・・」
リアは無意味に避けているわけではない。何か目的があって避けている。
「いつまで避ける気だ?そろそろあきらめなさい・・・・っ!?」
ニャオニクス♀が攻撃に集中している間にグランが背後に回り込み攻撃を仕掛けようとしていた。
「くっ!・・・なぜ背後に居る事を教えない!」
間一髪で攻撃を避けたニャオニクス♀はニャオニクス♂に向かって怒鳴った。
「お前のパートナーなら俺が気絶させてやったよ」
相性の関係もあり一対一ならグランが一対一でニャオニクス♂を倒すのは簡単な事だった。
「そしてお前はリアをすっかり忘れているようだな」
「あのガキ・・・しまった!」
ニャオニクス♀の目の前にはリアと自身が放ったマジカルリーフが視界に入った。
「リア!上に飛べ!」
グランの掛け声とともにリアは上に飛び上った。
「きゃああっ!」
自身のマジカルリーフが自分に当たりダメージを受けた。
「く・・・私達が負けるのか!?くそ!」
そう言うとニャオニクス♂をサイコキネシスで持ち上げ逃げて行った。
「な!待て!」
「追わないほうがいい・・・それよりこれで回復しな。そこのイーブイも治してやれ」
グランはそう言うと数個の木の実をリアに渡した。
「ありがとう・・・」
リアも回復しブイもしびれが取れ動けるようになった。
「じゃあな・・・次会うときは敵同士だ。覚悟しろ」
「待って・・・それだけの実力があるなら・・・ギルドに入ったらどうですか?」
ブイがグランを呼び止めたかと思うとこんな事を言い出したので皆驚いた。
「あ・・・いや、俺は盗賊、無理だろう」
「う〜ん、じゃあこうしましょう!あなたも狙われる可能性があるのでギルドで保護するということで」
「・・・そのギルドの奴が認めたらそうしようじゃないか」
ギルドに戻るとブイが他の隊員に交渉を始めた。悪いポケモンじゃない、私達を助けてくれたなどと必死で皆を説得しようとした。
「・・・本当にこうなるとは・・・」
ギルドが出した答えはギルドのメンバーとなり安全を守るならば認めるとのことだった。
「これから頑張りましょうね!」
ブイの言葉にグランは顔を赤くしながらうなずいた。