小さな仲間
今日はギルドの入隊式、各地からギルドの新隊員が集まってきている。体の大きな者や小さな者、いろんなポケモン達が居る。
「弱虫のお前がよくギルドに入れたな!」
「・・・弱虫じゃないです。あっちに行って」
どうやらワンリキーがイーブイを馬鹿にしているようで少し気まずい空気が流れていた。
「ま、せいぜい頑張れよ!弱虫ちゃん」
そう言うと笑いながら違うポケモンのところに歩いていった。
「・・・弱虫じゃない・・・私は変わるんだ」
「大丈夫?泣かないで」
「・・・誰?」
「僕はリアです。種族はリオルです」
「ありがとう、私・・・ブイって言います」
リアの言葉を聞いたイーブイは泣き止み少し笑いながら自己紹介をした。
「皆さま・・・ステージ前に集合お願いいたします」
アナウンスが流れると皆急いでステージ前に集まり始めた。
「僕たちも行こう」
「えー皆さま、まずは入隊おめでとうございます。私は皆さまを案内します。種族名はサーナイトと申します。皆さまには今からペアを組んでもらいます。終わり次第解散してください」
強いポケモンと組もうとする子や仲のいい子と組もうとする子、色んな子がいた。一方リアはもう心に決めていた相手が居た。
「ねえブイ、僕でよかったら組んでくれない?」
リアの言葉を聞くと少し驚いたようだった。
「私なんかでいいの?いいなら私も嬉しい」
ブイは少し照れているようで顔を赤くしていた。
「ははっ!お前そんな弱虫と組むのかよ!?馬鹿な奴だな!」
先程のワンリキーもサイドンとペアを組んだらしくブイを馬鹿にしにやってきていた。
「どれどれ俺が実力を試してやるよ!かかって来いよ」
「リア、相手にしちゃダメ。怒られちゃうよ」
(確かにブイの言う通りだ。こんなところで戦ったら大変な事になる)
「まったく、つまらん奴だ!行こうぜサイドン!」
「僕たちも行こう」
ギルドは夜になっても賑やかで部屋に居ても外の声が聞こえる。
「おいお前ら出て来いよ!」
昼間の二匹がリア達の部屋にやってきたようだ。
「何の用です?」
「お前らと勝負しようと思ってな、いい物を持ってきた」
ワンリキーはリアに向け何かが書かれた紙を投げつけた。
「そいつを倒したほうが勝ちだ!じゃ俺達は先に行かしてもらうぜ!」
ワンリキーはリアの返答も聞かずに先に行ってしまった。リア達は投げられた紙に書いてあったことを見て驚いた。
「手配書じゃないか・・・盗賊グラエナ、最近有名な奴だね」
「でも危ないよ・・・あの二匹も本当に行くわけがないよ」
(・・・あの二匹なら行きそうな気がするけど・・・でもブイの言う通り危険だな)
「ブイ今日はもう休もうか、お休み」
しかし次の日の朝あの二匹は居なかった。ブイと隅々まで探したが、見当たらなかった。
「あの二匹本当に行ったのか・・・よし」
「リア、まさか行く気?」
「うん二匹が心配だ、ブイはここに居て、あまり大事にはしないほうがいいからね」
少しの木の実を持ちリアは盗賊が居る森へ急いで向かった。