*第三章* 遠征と新たなる存在
*第二十五話*面倒くさがり
「はぁ…………」

今日も今日とてギルドの廊下で溜息をついているのは、シオンである。理由は明白、今日も踏まれて起こされたのである。どうもゼロは普通の起こし方を知らないんじゃないかと言う気がしてきたシオンであった。

リーフは同じように起こされたにもかかわらずへこたれずに元気に走っていくし、当の本人であるゼロはのんびりと後からついてくる。

シオンはもはや自分の感覚が正しいのかおかしいのかわからなくなりそうである。そのため、今日も盛大に溜め息をつく。
後ろをついてくるゼロは微妙に眠そうな顔をしている、様な気がする。

シオンはとにかく遅れないように少し歩くペースを速めるのだった。








「「「「「「「「みーっつ!!皆笑顔で明るいギルド!!」」」」」」」」


「さあ、皆!今日も仕事に掛かるよっ♪」

「「「「「「「「おぉーーーーっ!!」」」」」」」」



ペラップのところまで今日の仕事内容を聞きに行ったリーフが戻ってきて、聞いてきた情報を二匹に伝える。

「今日は普通に依頼をこなして来いだって!」

「じゃ、依頼を選びに行きましょ」

シオンが微笑み、リーフは「うん」と頷いて肯定の意を見せる。と、そのやり取りをしている間にゼロはさっさと梯子の方へ行ってしまう。シオンの「ちょっとゼロ!?」という静止もお構いなしである。

「本当に独断で動くんだから……」

シオンは溜め息をつかずにはいられない。リーフが苦笑しながら「まあまあ」と宥める。

「……ま、文句言ってても仕方ないわね。さっさと追いかけましょ」

「うん!」

二匹はさっさと依頼選びに行ってしまったゼロを追いかけて梯子を上っていくのであった。








ここは【トゲトゲ山】。
普段は不思議のダンジョンであるため、立ち入る者はあまりいない。そんな場所で、三匹分の足音と二匹のポケモンの制止の声が響く。

「ちょっと待ちなさいよ、ゼロ!!」

「もっとゆっくり歩いて〜…ペース早いよぉ」

「……お前らが遅い」

静止をかけるリーフとシオンの言葉をバッサリ切り捨てるとゼロはスピードを緩めることなく歩き続け、鉢合わせたイシツブテにはっけいを決め戦闘不能にする。リーフとシオンは顔を合わせ溜め息をつくと、駆け足でゼロを追いかける。
今日の依頼は全部で三件。ゼロは仕事熱心というわけでもないが後八件ほど受けようとしていたのだが、リーフとシオンはそれだけは阻止せねばと文字通り必死に止めていた。
一件は既に終わらせ、残るは二つの救助依頼のみだ。
だからこそグルグルと周りながら依頼主を探しているのだが、如何せんゼロがこの調子なので、リーフもシオンもヘトヘトである。


「……………」

ふとゼロがスッと前の方を指差す。二匹がその指した方向に視線を移すと、そこには困ったように縮こまっているリリーラがいた。シオンが依頼を確認し、それが依頼主であることを確認し釈然としないような顔をしながらも頷いてみせる。
リーフが駆け寄り、びっくりして更に縮こまっているリリーラに、安心させるように笑顔を見せながら声をかける。

「キミが依頼主だよね?私達は探検隊『スカイ』だよ、助けに来たんだ!」

「は、はい……!ありがとうございますっ…!!」

何度も頭を下げ礼を述べるリリーラに、「いいんだよ」とにっこり笑いかけ、リーフはバッジを翳して送る。

「ふぅ…にしても、あんた依頼主を早く助けだすのは良いけど、その前に私達がバテちゃうわよ」

「知らん」

「いや「知らん」じゃないわよこの脳筋バカ」

「…さっさと終わらせてるんだからいいだろ」

「よくないから言ってんの、ペースってものがあるでしょうが」

「…コレが俺のペースだぞ?」

「私らのペースを考えろって言ってんのよマイペースが!!」

「ねぇねぇ、早く行こう?」

何故怒鳴られているのか全く理解していないらしいゼロとツッコミ疲れしているシオンに、空気を読まないリーフが声をかける。

残る依頼は後一件。
シオンのツッコミも虚しく、どんどん進んで行ってしまうゼロの後を疲労の色を残したシオンと苦笑するリーフは一生懸命ついていくのだった。





止まるということを知らないゼロが進んでいく後ろについて歩いていくと、其処はいつの間にか目的地であった。

そして幸運なことに、依頼主であるカラナクシは少し離れてはいたが目視で確認できる場所にいた。このダンジョンには生息していないポケモンなので、すぐに依頼主であることがわかる。

「あ!アレだよね、依頼主さん!」

リーフが気づき、助けるために駆け寄ろうとする。が、それより先に一匹のポケモンがカラナクシに近づいていく。
イトマル、と呼ばれる種族である。
どう見てもイトマルは野生のポケモンであり、そして厄介なことにカラナクシはそれに気づいていない。

まずい。

三匹は一瞬でそれを理解した。

イトマルはそっとカラナクシに近づき…そしてカラナクシに向かって毒針を撃つ。
その前にゼロの体は既に走り出していた。元々身体能力の高いリオルという種族であることに合わせて、運動神経が著しく高いゼロは、カラナクシに毒針が当たる前に滑り込みでバッジを翳して送還するという荒技をやってのける。
毒針の一本が腕に刺さったものの、至って平気そうな顔だ。

イトマルは新たなポケモンの介入に一瞬困惑したものの、すぐにゼロに向かって襲いかかろうとする。しかし、その前に葉っぱカッターがイトマルの足を止め、注意を逸らす。その隙に後ろに回り込んだシオンが、効果抜群の技である火の粉でイトマルを戦闘不能にする。
リーフとシオンは顔を見合わせて互いの無事を確認すると、ゼロの元へと駆け寄る。
当の本人は相変わらずの無表情のまま、腕に刺さった毒針を抜いて放り投げている。立ち上がり汚れを手で払っている。

「終わったね。ゼロ、ありがとう。だけど大丈夫?」

「…………何が?」

リーフは毒針が刺さったゼロを心配したが、本人は全然気にしていないようだ。むしろ気にするべきなのはゼロなのだが。

「…ま、一件落着ってことかしらね。最後で依頼主にはヒヤヒヤさせられたけど」

シオンも溜息をつく。気疲れしている。しかし切り替えが早いのがシオンである、「終わったんだし帰りましょ」ともう帰るつもりでいる。最もシオンが早く帰りたい理由は、散々駆け足でダンジョン内を歩き回され疲れたからなのだが。
リーフは「うん、そうだね」と肯定の意を示し、早くも歩き出したシオンの後を追いかける。
ゼロもその後をゆっくりと追いかけようとした、その時だった。

ぐらり――と。

ゼロは視界が揺れる感覚に思わず倒れかけるが、咄嗟に足を前に出して体勢を支える。
目を閉じ深呼吸をし…そして目を開けば、いつもと変わらない状態に戻る。

(…今更きやがったか。さっきの毒針が影響したか?まぁ特に支障はないんだが…)

小さく溜め息をつき――ふと感じた違和感にサッと後ろを振り向く。岩だらけの山という、普通の風景以外は特に何も見当たらない。
しかし、ゼロは気づいていた。
だからこそ、平静を装い口を開いて冷たい声を紡ぐ。

「…頑張らなくてもいい奴はお気楽だな。
……だが。邪魔をするなら俺も容赦はしない」

絶対に負けない。
ゼロの宣戦布告に等しい、心からの本音だった。
そうだ、あんな奴らに負けるわけにはいかない…と心に刻み直し、もう既にだいぶ前の方を歩いている二匹の後を追うのだった。




一方、ゼロが去った後のことだ。先ほどゼロがいたところから、少し離れた後方の岩陰から三匹のポケモンが出てくる。
言わずもがな、『ドクローズ』の面々である。

「アニキ〜…アイツ、俺達の事気付いてたみたいですね」

「ククッ、まさかバレるとは思わなかった。想像以上に勘の働く奴だ」

「アイツは要注意した方がいいですよ。そこらの奴らとは比較にならないほどですから」

「そんな事はわかってる。見てれば少しはわかるさ。帰るぞ、クククッ」

残念なことにストーカー行為に走っている『ドクローズ』だった。





夕刻を過ぎ、ギルドメンバーと『ドクローズ』の全員が食堂に集まり、夕食を食べている時である。『ドクローズ』は突如訪れた謎の寒気に思わず身震いした。トゥルムとアビスが冷や汗を垂らしながらグラッジに話しかける。

「ねぇアニキ……」

「よ、よくわかんねぇけど寒気が…」

「…アイツ、俺様達の事……」

アイツというのは、紛れもなく此方をジッ……と睨みつけているゼロのことである。
後をついて回られたことで何か彼の気に障ったらしく、ゼロはリンゴを頬張りながらその鋭い眼光でじっと『ドクローズ』を睨んでいる。妙な光景だが殺気が漏れているせいで笑えないものになっている。
しかしそんな地味にだだ漏れな殺気に気づかないあたり、ギルドメンバーもリーフ達もよほど食事に夢中になっていることが窺えたりする。
グラッジも実は冷や汗を流していたりしたのだが、それを二匹の弟分に気取られないよう再び食事に没頭したのであった。










「ふう…お腹一杯だよ〜」

「そうね…」

夕食を今日もしっかりと食べたリーフとシオンは、幸せそうにニコニコしている。一方のゼロは、じっと足元に視線を落としている。

「あ、そうそう!今日見つけた本なんだけどね。コレさ、どう思う?」

「なになに……」

シオンは読書好きなのである。読むスピードも早いが、一番驚きなのはそれらを全て覚えていることである。そのため、ガンガン新しい本を見つけては読みこんでいくのだ。それを知っているリーフは、時々面白そうな本を見つけると借りたり買ったりしてくるのだ。
シオンはリーフの見せた本を受け取り、パラパラと序章のページを流し見していく。黙々とページを見つめ、しばらくして本を閉じ「面白そうだわ」と短くぱっと見の感想を述べる。

「本当?よかったー!
あ、ゼロもよかったら見てみてよ」

ゼロもシオンほどではないが、読書を好む。
そのため、本を見つけてくるとゼロもシオンの後などに読むことが多いのだ。
先ほどから黙秘を続けていたゼロは、フッと視線を此方に向けると本を受け取ろうとする。

――しかし。




ゴトッ――




本が落ちる音が響く。
ゼロが受け取れず落としたのだ。

「え?」

一瞬事態を把握できなかったリーフが驚いたような声を出してしまう。シオンもびっくりしたらしく、驚いたような表情に変わる。

「…………」

当の本人は無表情のまま、落とした本ではなく自分の手に視線を向ける。その手は小刻みに震えていた。
次に本に視線を向ける。すると本が二重にブレて見えた。微かに目を瞠り、溜め息をつく。

「ゼロ?どうしたの?大丈夫?」

リーフが驚きからようやく立ち直り、心配そうに尋ねる。こんなことは滅多にないからだ。

「…………いや、別に」

「――嘘ね」

首を振ったゼロの言葉をばっさりと切り捨てたのはシオンだった。その目はまるでゼロの言葉の真意を探るかのようにじっと見つめている。

「……なんで嘘と言い切れる?」

「普段と対応が違いすぎ。動きが鈍い、そして手が震えてた。自分の手を見た後に本を見て少し驚いた様子から、普段と感覚か何かが違うと感じたのね。違うかしら?」

「……そこまでわかってるなら俺が言う前に言えばよかっただろ」

「自分の口で言えばいいのよ」

シオンの推察力にリーフは感心したように「ほぇ〜…」と妙な声をあげ、ゼロはまた一つ溜め息をつく。
が、ゼロは隠し通している方が面倒くさいと思ったらしく、無言で右腕のある部分を二匹に見せる。
紫色に染まる、明らかに異常な状態である右腕。それを見た瞬間、冷静だったシオンの血の気がさぁっと引いていく。

「ちょ…これ、毒状態じゃない!」

「…あぁ、そうだが?」

「……って、何のんきに答えてんのよバカ!?これ明らかに放っておいたわよねあんた!?」

「?…あぁ」

「だからなんでのんきに答えてんのよ!?」

その毒に侵されている腕は、どう見ても放っておいたせいで悪化している。なのにきょとんとして冷静に答えるゼロにシオンはもはや呆れるしかない。
リーフが少し涙目で慌て気味にゼロの顔を覗き込む。

「これ、今日のイトマルの…!?」

「…いや、昨日のスピアーの毒針。特に問題は無いから放っておいた」

「問題あるよ!?放っておいたら危険なんだから!!現に今こうして体に支障が出てるんでしょ!?」

「…いや、ただちょっと手に力が入りづらくてお前らが若干ブレて見える程度だが」

「いや相当だよ!?何やってんの、もう…!!」

リーフが焦っているのと対照的に、ゼロは毒状態である張本人であるにもかかわらず、かなりのんきである。そんな彼を見ていて、なんだかシオンは自分がこれだけ心配しているのがバカらしくなってきて、こめかみを押さえつつも一応尋ねる。

「で、聞くだけ無駄な気がしてきたけど…何で放っておいたのよ」

「……モモンの実が無かった」

「面倒くさかっただけね、あんたらしいわ」

「…そうとは言ってないんだが」

「あんた見てりゃわかるのよ。おおかた、モモンの実があってもなくても嫌いだから食べなかったでしょうが」

「……確かに!」

「確かに!……じゃないわぼけっ!!」

肯定の意を示したゼロに思いっきりツッコむシオン。
当の本人は首を傾げていたが。
シオンは荷物をゴソゴソとあさると、包帯とモモンの実を取り出す。そして持っていたモモンの実を半分に割ると、片方はゼロに手渡し、もう片方は包帯の上で絞って果汁を染み込ませる。そしてそれを手際よくゼロの腕に巻いていく。そして、「さっさとそれ食べなさい」と声をかけるも、ゼロは渋い顔をしている、ように見える。

「…コレ、不味いんだよな」

「文句言わないの!わがままっ子かあんたは!
食べなきゃ治るものも治らないでしょ!包帯だって応急処置にしかならないんだから」

「……せめて甘くないんなら遠慮なく食うんだがな。…おい泣くな」

「う〜…泣いてない…!気づけなくて、ごめん…!!」

毒状態を一日も放置しておいたことをリーフは必要以上に心配してしまう。そして、仲間の状態異常に気付けなかったことにも責任を感じてしまい、無意識だろうが涙目になっていた。シオンが責めるような視線をジトッ…と向けてくるのが痛い。
これ以上放っておくとさらに面倒なことになると悟ったゼロは、仕方なしに大嫌いなモモンの実を口に放り込む。普段表情を動かすことのない彼が、珍しくも渋面になりながらもぐもぐと口を動かし、飲み込んだ瞬間「…うぇ」とさらに顔を顰める。

「……俺はもう寝る」

苦手な甘いものを食べたせいか、若干不機嫌そうにゼロは横になる。ゼロの甘いもの嫌いは相当のようである。

「ふぅ…全く、呆れたもんだわ」

「なんでそんな危険なことしたんだろ…」

「こいつのことだから案外それが当たり前だと思ってたりしてね」

「えぇ〜…さすがのゼロでもさすがにそれは――」

そこまで言いかけてリーフは口を噤み、やがて「…あり得るかも」と呟いた。結局フォローのしようがなかった。何とも言えない空気になりかけるが、シオンが「とにかく」と言って静寂を防ぐ。

「さっさと寝ましょ。明日もきっと忙しいんだし」

「それもそうだね。じゃあ、おやすみ」

「えぇ」

リーフとシオンは微笑み合うと布団にもぐりこみ、やがて眠りにつくのだった――






ゼロ達が眠りに着いた同時刻―――――





鍾乳洞の中を、一匹のポケモンが走っていた。素早いスピードで野生のポケモンを蹴散らし、奥地を目指して走っていく。
この鍾乳洞には奥地に行くためにある特殊な仕掛けを潜り抜けなければならない。しかしそのポケモンは考えることもせずあっさりとその仕掛けを潜り抜けて、奥地に足を進める。そして周りを見回し、奥地に着いたことを理解すると、小さく溜め息をこぼす。

「やっと奥地か。少し時間をかけてしまったな。
…ん?アレは……」

そのポケモンが愚痴をこぼしつつ進んでいると、目の前には何故か緑色の宝箱が置かれている。
奥地にこんなものがあるとは。
そのポケモンは首をひねり、目の前の宝箱をじっと眺める。

「…何だ、これは?」

しかし気にはなるようで、そっと近づきしばらく考える素振りを見せたが、やがて慎重に蓋を開けてみる。

しかし――そこには何も入っていなかった。空だったのだ。

「………?」

意味がわからない。その表情にはそんな感情がありありと浮かんでいる。
少しの間考えを巡らし――その瞬間、何かを思い出したように宝箱を、自身の中でも高位にあたる技であるリーフブレードで切り裂く。

その瞬間、無機物であるはずの宝箱が動き出し、やがてそれは桃色の一匹のポケモンになる。

「解っていたんですか…?」

ポケモンの放ったリーフブレードが相当効いたのだろう、苦しそうにしながら攻撃したポケモンを睨みつける桃色のポケモン――メタモン。
しかしそれに怯むこともなく、ポケモンは至って普通に答える。

「ああ。此処の入り口も……そして、此処の番人であるお前が変身能力を持っていることもな。宝箱でくるとは思わなかったが…だがお前の能力を思い出した際、理解できた」

そのポケモンは冷静に返答を返す。落ち着き払っているからこそ、彼からは隙の一つも伺えはしない。
しかし落ち着きを見せているそのポケモンとは対称的に、メタモンはその言葉に驚きを隠せず驚愕に表情が歪む。

「な、何故……!?此処の入り口は極僅かの人しか知らないはず…!
ということは…やはり彼らは秘密を守れなかったのですね……!くっ、こんなことなら…」

メタモンのその言葉に、ポケモンは首を傾げた。その表情は、何を言っているのだと言いたげである。

「何の事だ。俺は最初からこの場所を知っていた。他の者になど聞いていない」

「なっ…!?」

「そしてそれが意味すること…俺の目的が、お前でもわかったんじゃないのか」

「っ………!!貴方は…!!」

「悪いな。退け」

「い、嫌です!!これ以上は進ませられません!!」

「……そうか」

そのポケモンは瞬間、リーフブレードで切り掛かる。
メタモンは元々戦闘が得意ではない。今まではその変身能力でこの場を守ってきたのだ。そのため、襲いかかられては成す術がない。あっさりとやられてしまった。
崩れ落ちたメタモンを尻目に、そのポケモンはさらに奥へと足を進める。


その奥地には――美しく淡い青緑の光を放つ時の歯車が浮いていた。
躊躇することはなかった。そのポケモンは時の歯車を取り、バッグに入れると素早く走り去っていく。

「これで二つ目だ…!」

走り去る際に呟かれたそのポケモンの言葉は、誰にも聞かれることなく鍾乳洞に静かに響いていた。

その後、時の歯車が失われたその場所は徐々に時が止まっていき、灰色の世界と化した――
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■筆者メッセージ
題はゼロのことです。面倒くさがりも此処までくると危ないよ(((

現在休載中ではありますが、元々あったものを時間を割いて修正していますので、時々更新することもあります。ご了承願います。
レイン ( 2016/02/10(水) 01:42 )