*第一話*嵐の翌日
嵐が起こった次の日………
「う〜ん………」
ポケモンの形をした建物の前で、一匹のポケモン……チコリータがうろうろしていた。
何か考え事をしているようだ。
「いや、こんなことしてちゃダメだ。今日こそ勇気を振り絞らなくちゃ!」
そう言うと、チコリータは目の前の格子に乗った。
『ポケモン発見!ポケモン発見!』
『誰の足形?誰の足形?』
『足形はチコリータ!足形はチコリータ!』
「きゃうっ!!!」
チコリータは、びっくりしてのけぞった。
『……対象の足形が消えました』
『はぁ………またか………』
「……はぁ…びっくりしたよぉ………」
チコリータは大げさと言っていいほど呼吸が荒い。
どうやら本気でビビったらしい。
「………駄目だ、やっぱり無理かも…」
そう言うと、なにやら不思議な模様が描かれている石を出した。
「この宝物を握りしめていけば、勇気も出るかとおもったんだけどなぁ…」
チコリータは建物を後にしながら、なにやらぶつぶつ言っている。
「はぁ……私って本当に憶病だよね……」
チコリータが、完全に建物を後にしたあと、二匹のポケモンが出てきた。
「おい、ズバット。今の見たかよ?」
一匹のポケモンが、ズバットと呼ばれたポケモンに聞いた。
「ああ、もちろんだぜ、ドガース」
ズバットが、ドガースと呼ばれたポケモンに答える。
「さっきウロウロしてた奴、なんか持ってたよな?」
「ああ、ありゃあきっと、お宝かなんかだぜ」
「狙うか」「おう、そうだな」