第十三話 カクレオン商店でアルバイト?後編
サメハダ岩
sideチコ
サメハダーの形をした岩だからサメハダ岩と呼ばれている。そこの中は空洞になっていてアタシたちはそこに暮らしていた。中に足を踏み入れた。
「んー?お客さん?」
「ホルン。久しぶり!」
「チコとフーコかあ…久しぶりだね」
「相変わらずね…ホルンは」
そう言ってナエトルのホルンは身体を起こした。
このサメハダ岩…部屋が結構あって昔はアタシとフーコの部屋。ヒノとホルンとマル…今は留守にしているヒコザルのジーナスの部屋や倉庫がある。リビングもあるけど…そこは潮風がじかに入ってくるから冬場は寒くてたまらない。夏場は過ごしやすいんだけどね。
「探検隊になったんだっけ?」
「うん。そうよ」
「僕も入ろうかなあ…」
「珍しいね。ホルンが自分からやりたいって言うなんて」
確かに珍しい。ホルンはどちらかというと消極的だから…。
「フーコたちが頑張ってるから僕も…って思ったんだ。だからお願い!」
「一応リーダーに聞いてみるよ多分いいと思うけど…」
「そう?ありがとう。準備しなくちゃ…住み込みなんでしょ?」
「そうやな」
フーコは頷く。
「あと…ジーナスも誘ってみるから…ジーナスは探検隊になることが夢だからね」
「そうなんだ…。」
ジーナスは夢について話したことがない。だからわからないね。
しばらく談話をしているとだいぶ日が傾いてきた。
「そろそろ帰ろか?」
「うん!じゃあねホルン!」
「またね〜」
アタシとフーコはホルンに別れを告げてギルドに戻る。明日もがんばろ!
それより少し前
カクレオン商店
sideヒノ
「なんですと〜!!」
「うん。どうしても見つからないんだ…」
「うむむ…ワタシも見てみましょう。兄さん!少し見てきますよー!」
「はいよ〜!」
カクレオンの弟さんは兄さんに声をかけて私とカケルに手伝ってくれるみたいです。よかった。
「はかいこうせんならこの棚の3段目に…あっ…!」
にこやかに話すカクレオンの顔が一転して暗くなった。そして一言…
「仕入れ忘れたあ!!」
と言って慌て始めた。
「2人とも今日はご苦労様でした。これがバイト代です」
「カクレオンには気の毒だけど…仕方ないか」
「そうだね。」
バイト代のお金は3000ポケでした。あと私はカテキン。カケルには幸せの種が一個入ってました。
特別な体験ができた一日でした。明日からまたギルドの仕事頑張ろう。
sideショウ
アルバイトを終えてオレとマルは海岸に来ていた。
「ねぇショウ。何かニンゲンだった頃の記憶とか思い出せた?」
「いや…何も」
「そっかあ…ここに来れば何か思い出せるかもしれないと思ったんだけど…まあゆっくり思い出してね」
真面目な顔でマルは海を見つめていた。普段のマルとは大違いの様子だ。マルにも真剣に考えてくれている時もあるんだ。しかしもう日が沈む。早く戻らないと晩飯を抜きにされてしまう。
「マル。そろそろ帰ろうか」
「そうだね!ごっはん〜!」
そう言って先に駆け出していくマルを追いかけてオレはギルドへと帰るのであった。